お手本スライドの宝庫「事業計画及び成長可能性に関する事項」の探し方
みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。
今回は、グロース市場の企業が上場に開示する「事業計画及び成長可能性に関する事項」の探し方について紹介していきます。何やらよく分からない長ったらしい名前の資料ですが、非常に優れたデザインのパワポが高頻度で掲載されるため、パワポ研として欠かさずチェックしているものになります。
実はTwitterで時々ツイートしていた「成長可能性に関する資料」とは正式には上記の「事業計画及び成長可能性に関する事項」のことでした。長ったらしいので、一昔前までの正式名称である「成長可能性に関する説明資料」を参照し、このような表記にしております。
事業計画及び成長可能性に関する事項とは一体何なのか?
IR関連の事項を発信するアカウントではないため、詳しく解説する必要はないのですが、この「事業計画及び成長可能性に関する事項」は何のために存在するのかを簡単にご紹介します。
上記のパワポの通り、
グロース市場は投資者に合理的な投資判断を促す観点から「事業計画及び成長可能性に関する事項」を継続的に開示することが求められる
その頻度は少なくとも1事業年度に対して1回以上
マザーズとJASDAQに存在するそれぞれの現行制度を廃止し、「事業計画及び成長可能性に関する事項」に一本化する
というルールを東京証券取引所の方で定めており、グロース市場の企業は継続的に定められたフォーマットで投資家向けの説明資料を作成しなければならないということです。この資料が今後は「事業計画及び成長可能性に関する事項」という名称で統一され、誰でも閲覧できる形で公開されますよ、というようなことを言っています。
ここで登場する「グロース市場」なるものについても少し補足をしておきます。(近年登場した言葉で耳慣れない方も多いかと思うので)
こちらも東京証券取引所からの引用となりますが、2022年4月4日より上場企業の市場区分が変更になります。これまで一部、二部、マザーズ、JASDAQなどと呼ばれ区別されていたものが、今後は「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの区分に集約されます。今回の記事で言及しているグロース市場は、この三番目の区分の市場のことで「高い成長性を有する企業向けの市場」という記載があります。
事業計画及び成長可能性に関する事項には何が書かれているのか?
「事業計画及び成長可能性に関する事項」が何のために作成されている資料について理解できたところで、その内容についても少し触れておきます。有価証券報告書のような厳密さはないものの、事業計画及び成長可能性に関する事項にも記載すべき内容がある程度定められています。
ビジネスモデル(事業の内容、収益構造)
市場環境(市場規模、競合環境)
競争力の源泉(競争優位性)
事業計画(成長戦略、経営指標、利益計画及び前提条件、進捗状況)
リスク情報(認識するリスク及び対応策)
上記の5点が主に記載すべき内容となっているのですが、興味深いのは「グラフや図表を用いることを含めて分かりやすく記載することが求められます」という部分です。パワポを使えとはどこにも書いていないのですが、有価証券報告書のように文字の羅列がメインになって見づらい資料になるのはNGですよ、と暗に示しているようにも見えます。
そのため、「事業計画及び成長可能性に関する事項」は今風の優れたスライドの宝庫となっているのです。
事業計画及び成長可能性に関する事項の探し方
では、この「事業計画及び成長可能性に関する事項」をどのように探すのかということですが、実は公式に東証がまとめているサイトが存在しません。そのため、パワポ研では以下のような方法で本資料を検索しています。
①東証の新規上場会社情報をチェックする
②上場日(上場承認日ではない)が過去の日付になっているグロース市場の会社を探す
③「会社名+事業計画及び成長可能性に関する事項」で検索
④日経の運営するサイトで全スライドを確認
どのような会社が新規上場を果たしているのかを調べるついでに、グロース市場の会社をピックアップしているため、他にもっとスマートな方法がある可能性もあります。「このサイトにURLの一覧が載っている」などの情報がございましたら、シェアいただけると幸いです。
今後も「事業計画及び成長可能性に関する事項」に関しては随時ウォッチしていく予定なので、パワポ研のTwitterをご覧いただければ取り逃すことはないかと思いますが(笑)、ご自身で研究されたいという方は是非ご活用ください!
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