アラサー過ぎたらお風呂に入れ。入浴は最高のメンタルデトックス
寒い。今日はこの冬一番の冷え込みらしい。
こういう日は温泉にでも入ってのんびりしたい。
せめて自宅のお風呂に長めに入って体をあたためたい。
そう思った人は多いだろう。
ところが最近は若年層を中心にシャワーで済ませる人が多いそうだ。
私も学生時代にそんな毎日を送っていたことがあるけど、悪いことは言わない。シャワーだけで済ませず湯船に浸かったほうがいい。
とくにストレスや疲れを抱えていたり、もっとパフォーマンスの高い人間になりたいと思っているならなおさら。
シャワーのみでは疲れはとれない
若い人がシャワーだけで済ませてしまう気持ちはわかる。
他ならぬ私自身、ひとり暮らしの学生時代はそうだった。
自分のためだけに湯船にお湯をはったり、風呂に浸かってる時間そのものがもったいなく感じていた。若いころは元気だったから、それで不都合は感じなかった。
しかし、30歳を過ぎたころから、湯船に浸かるのとシャワーで済ませるのとでは、その後がまったく違うことに気づいた。
湯船に浸かったときのほうが、その後のメンタルの状態や、疲れの取れ具合が格段に良かったのだ。
昔から元気のないときは「風呂入ってさっさと寝るのが一番」という言葉を聞いていたけれど、自分が若者ではなくなってようやく、その言葉の意味が理解できた。
たしかに、風呂に入ると心も体も楽になる。
実際、科学的には湯船での入浴には次のような3つの効果があるそうだ。
1.湯船に浸かって血行がよくなることで、血液中の老廃物や二酸化炭素が流され、疲労が回復する「温熱効果」。
2.体にかかる水圧がマッサージの役目を果たし、体内で滞っていた血液やリンパ液を心臓に押し戻す「静水圧効果」。
3.浮力で体重が軽くなるため、体中から力が抜けてリラックスにつながる「浮力効果」。
湯船に浸かれば体臭対策にも
ちなみに、体をきれいにするという観点からもシャワーより湯船に浸かったほうがいい。
湯船に浸かって体が温まってくると、毛穴が開いて、そこにたまった汚れを落としやすくなるからだ。
これがシャワーだけの入浴だと、毛穴が開かず表面だけを洗うことになるので、毛穴の奥の汚れが落ちないし、体臭の原因にもなる。
毎日シャワーの際にちゃんと体を洗っていても、湯船に入ってなければニオイの原因を洗い落とせていないかもしれないんだ。
ハードなストレスには、銭湯で「戦闘力」を高めよう
毎日がしんどくて強いストレスに悩んでいる人は、自宅のお風呂以上に高い効果が見込める銭湯や温泉に行こう。温泉に遠出する元気や暇やお金がないなら、せめて一番近い銭湯に行こう。
「もう人生に疲れた」
そんな考えがよぎって変な気を起こす前に、本当に行こう。
まず、銭湯や温泉は自宅とは違う環境で、しかも広い湯船で入浴できるから大きなリラックス効果がある。
次に、ここが大事なんだけど、銭湯や温泉には熱めの湯船が用意されていることが多い。
実はこの高温湯が、リラックス効果だけでなく「抗ストレス効果」をもたらすんだ。
なぜなら、熱めの湯に入るとHSP(ヒートショックプロテイン)という傷ついたタンパク質を修復するタンパク質が増えるからだ。
私たち人間は筋肉や内蔵はもちろん、メンタルの状態にかかわる神経伝達物質もタンパク質でできている。このタンパク質はストレスによって傷ついてしまうんだけど、HSPはこれを修復するんだ。
つまり、熱い湯でHSPを増やすことでストレスへの抵抗力が高まり、また戦っていける強メンタル体質の構築につながるというわけだ。
銭湯力は、戦闘力に通ずるんだよ。
ただし注意してほしいのが、熱めの湯とはいえ42度程度のお湯に10分ほど入ればもう十分。それ以上はかえって体への負担が大きく、デメリットが大きくなってしまう。
なお、高温湯への入浴によるHSP増加の効果は数日間は続くので、毎日のように銭湯に行って高温湯に入る必要はない。他の日は自宅でふつうの温度の風呂にぼーっと浸かってリラックスしよう。
日本には風呂がある
若かったころは気づかなかったかもしれないけど、30を過ぎたころから、体の丈夫さや回復力は落日を迎え始める。
まだ30なのに、と思っても、もう30だ。
「ちょ、待てよ」と言ったところで体の衰えは待ってくれない。
でも、日本には6世紀ころに始まった入浴という素晴らしい生活習慣がある。
もうダメだ!となる前に、お風呂でメンタルを強くしておこう。
追記:ハワイ在住の方からこんな声も
この記事を投稿後、ハワイ在住の日米内科専門医である、LiMe1 (ハワイのライフスタイル研究家)さんからこんなコメントが。
なんと、食べ物よりも風呂や温泉に喜びや特別感を感じるとのこと。
海外滞在の長い人は日本食が恋しくなるとよく聞くけど、風呂のほうが喜びが強いとは。
やっぱり日本人にとって風呂というのは、単なるリラックス手段を超えた何かがあるようだ・・。
LiMe1さん、興味深いコメントありがとうございました!