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パン屋の倒産急増のニュースを見て。

パン屋の倒産が過去最多という記事を読みました。この1年、本当に様々な業種が倒産件数過去最多とネットニュースになったように思います。ボクの確認したところでは、飲食店、理・美容室、介護施設、歯医者、そして我々洋菓子店。アパレルは過去最多ではないにしろ4年ぶりに増加。そしてさらに今日はパン屋。他にボクが見逃してるものや、ニュースにはなってはいないけれど倒産過去最多という業種はまだまだありそうです。

そして残念なことにこれらの現象はまだ始まったばかりで、これから倒産急増する業種や件数はどんどん増えていくことが予想されます。むしろ倒産急増のニュースは当たり前の日常になるかもしれません。

別に根拠なく不安を煽っているわけではありません。これらはすでに「統計」と「確率」によって以前から予想されていたことです。だからボクはあえてお店を縮小して、社員ゼロ経営に踏み切ったのです。

これからどんどん倒産、閉店、廃業が増えることを考えると、ボクは以前の投稿で洋菓子業界はイノベーションが必要だと言いましたが、その前にまずは身軽になること、またはいつでも身軽になれるような準備をすることが必要かもしれません。無駄な店舗敷地や施設、設備を手放す。人の雇用は出来るだけ少人数にとどめる。在庫を極限まで減らす。借入金をとにかく減らし新たな借入はしない。

倒産急増の要因のほとんどが売上低迷と人手不足の2点ですから、人を増やして売上を上げようとしても満足な結果は得られません。無駄なエネルギーばかり消費して骨折り損のくたびれ儲けになるだけでしょう。

それよりも人手不足を逆手にとって、人手が少なくても運営できる仕組みを作り、売上よりも利益率を高めることを意識する方がずっと効率的です。普通の洋菓子店であれば最低でも軽く10%は超えるくらい、15%とか20%になる仕組みを作れば、売上なんて半分減らしても十分やっていけます。そして売上を半分にすると様々な無駄が自然と削れるものです。

年齢が若く相当な自信と運があれば規模拡大に挑戦するのもいいでしょう。また何かしら恵まれた環境で特に問題なくお店を経営されてる方も、無理に変わる必要はありません。しかしゼロからお店を立ち上げ様々な返済がまだ残っていて、そしてまだ子どもにもお金がかかるような状況の方は、こんなところで倒産急増の渦に巻き込まれるわけにはいきません。

これはまあボクのことを言ってるのですが、まだまだお金が必要なこんなところでじり貧してる場合ではないのです。そういう訳で、洋菓子店にとって厳しい時代ではありますが、ポワルは地味~に這いつくばってでも何とか生き延びていきたいと思いました。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」

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