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詩『生産性向上』

我々の工場は、ライン方式からセル方式に切り替え、生産性が著しく向上しました。従業員は野生の猿同然でしたが、今では考える葦になったのです。

ほら、顕微鏡を覗いてみてください。卵子に着床した胚は細胞の分裂を繰り返しています。これらは将来のサイコパス予備軍です。

製品にはランダムに欠陥を埋め込み個性を作っています。個性とは差異であって質ではありません。我々は品質という概念を超越し、今では全てが許されるのです。

そう言うと工場長は跪き、涙を流しながら地面に口付けした。その背後から鎌を持った男が現れる。

「これおもちゃですから」

収穫の季節を迎える。考える葦は刈り取られ、箱詰めされたのち、全国各地に出荷される。古き良き搾取のある風景。

日本経済は復活すると思いますか?
YES 25%、NO 30%、興味無い 45%

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