強いチームを作るには・・・

 中学校の部活動は、どんどん活動時間が短くなっています。具体的には、土日はどちらか必ず休みにする、平日にも少なくとも1日休みを設けるといった具合です。つまり、昔のような長時間練習して、圧倒的な練習量で技術を身につけさせるということがかなり難しくなってきたということです。            このように、練習時間が短くなってくると練習の内容を考える必要が出てきます。
 例えば、ドリルを効率化する。つまり、休んでいる人の人数が少なくなるようにメニューを考える。これでも成果は上がるかもしれませんが、所詮限られた時間を有効活用しているだけなので、量はなかなか確保できません。

私の答えは、「部活以外の時間を使う」ということです。

 つまり、自主練をするということです。特に、中学生の場合は戦術云々よりも個々の技術の差が勝敗に大きく影響します。そして、自主練で伸ばすことができるのはドリブルやシュートなどといった個人のスキルです。

 しかし、ただ自主練をしろと言っても子どもたちは自主練をしないでしょう。また、結果につながるような自主練を放置しているだけでできるようになるとは思えません。ただ突っ立ってハンドリングを何百回したとしても上手にはならないからです。

 だから、仕掛けが必要です。一つは、子どもたちが自主練に自ら向かうようなもの。もう一つは、自主練が充実するようなもの。

 1つ目を言い換えれば「子どもたちにバスケが楽しいと感じさせること」ということです。だから少しでも上手にできたプレイがあれば、認めてあげること。  そして、失敗してもマイナスの言葉はかけず、励ますような言葉をかけること。 また、練習時間をあえて短く切るというのもあります。子どもが        「もっとしたい!」と言ったらしめたものです。そのエネルギーはおそらく自主練に向かうはずです。例えば、休日は3時間ほど練習を行っても良いですが、そこを2時間がそこらで切り上げる。また、練習の中で成功体験をさせてあげることも 大切です。成功体験とは、これまでできなかったことができるようになった体験のこと。レッグスルーができるようになったとか、そういったものです。     ここで大切なのは、コーチが「上手くなったね!」「いいぞ!」と前向きな言葉を浴びせて、成長しているということを選手に言葉で伝えることです。      その言葉をかけるためには、常に選手の様子を観察しなければなりません。   だから、練習には最初から最後まで体育館にいるべきだと私は考えています。  練習の最後にだけ顔を出すのは、怪我のリスクなどを考えても避けるべきです。

2つ目の「自主練の充実」については、バスケノートが1番効果的なのではないかと考えています。バスケノートには、個人の目標とその目標を達成するための  練習記録を書かせます。目標の設定については、別の機会にまとめます。    バスケノートの取り組みについてですが、練習のたびに提出させ、コメントを  つけて返す。このことは、多くのチームで行われていることだと思います。   加えて、廊下などのトレーニングの日に少しずつ面談を行うのはどうでしょうか。書面でのやりとりに加えて対話も行うのです。今のチームは部員が30人ほど  いるので、3週くらいに分けて実施すれば練習での声かけに重ねて1対1の   コミュニケーションも取れます。相談があればそこで聞くのも手かもしれません。

このように、時間が限られたから効率を上げることに終始するのではなく、新たに時間を生み出す取り組みが今後の部活に必要だと考えています。また、その新たな時間を生み出すのは子どもたちの「バスケが好き・楽しい」という気持ちです。 この気持ちを練習の中でできるだけ多く作ってあげるのがコーチの役割ではないでしょうか。

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