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弱くてもコーチは本気で向き合うべし
コーチになりたてのころに、こんな言葉を先輩からかけられた。
「選手が揃ったときにしか、はっきり言って勝てない。でも、選手が揃ってから頑張っても勝てない。だから、毎年のチームを大切にしなさい。」
6年ほどバスケットのコーチをやってみて、この言葉の意味を噛みしめることが多くなった。
チームが勝てるかどうかは、やはりどんな選手がいるかどうかが、かなり大きい。
ましてや、昨今の活動時間に制限がかかっている部活動ならなおさらだ。
ミニバス経験者がいるチームは強いし、いないチームは弱い。また、弱小ミニバスの選手がいるチームよりも強豪ミニバスの選手がいる中学校のほうが強い。
これはなんともしがたい事実である。
しかし、選手が揃っているはずなのに勝てないチームがある。
選手一人ひとりの能力を見れば、強豪校ともやりあえるはずなのに、いざゲームをしてみると全然勝てない。そういうチームが多い。
特に、弱いチームに多い。いつもはミニバス経験者がいないのに、たまたま選手が集まった。そういうチームは、実力以上の成果を上げることがなかなかできない。
これは、「文化が育っていないから」だ。
もっと言い換えれば、当たり前のことの基準が低い、ということを意味する。
例えば、リバウンドに対する意識。弱いチームはやはりリバウンドやルーズボールへの意識が低い。もっと言い換えれば、リバウンドを頑張らなくても取れてしまうような低いレベルで日々練習しているから、「リバウンドを頑張る文化がない」のだ。
強豪校と弱小校の違いはそこだと思う。
練習内容がどうであるとか、環境がどうであるとかの差は確かにある。
しかし、日々のバスケットに対する意識の差が最も大きな差になっていると私は思うのだ。
だから、弱いチームのコーチは「文化を育てる」ということを大切にする必要があると思う。
練習を一生懸命やる文化。
仲間と協力する文化。
バスケットの技術の基準が高い文化。
妥協を許さない文化。
あげだすときりがない。しかし、そういう文化を創っておいて、その上で選手が揃ったとき。そのときには、素晴らしい成果を上げることができると思う。
だから、毎年良いチームを作ろうとするコーチの心がけが重要なのだ。
間違っても、「今年は弱いから・・・」とか「来年のチームに期待しよう」という考えを持ってはいけない。
もしかしたら、コーチのマインドがチームの文化に大きな影響を与えているのかもしれない。
そんな話。
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