【アンジュルム 上國料萌衣&笠原桃奈バースデーイベント2021】練馬で僕は『夢』を見た
自分が最後に行ったハロプロのライブ、イベントは何時になるんだろうとnoteを遡ったら2020年1月2日の正月ハロコンが最後だった。ほぼほぼ2年近く現場から離れていたことになる。
遠い昔のようだ。まだ、こぶしも解散してない。
この間も色々なことが起きた。この2年間、ハロプロは激動の中にあった。僕はそれをネット越しにしか見ることができず、それはもう、文字通り蚊帳の外のような状態だった。
しかし、アンジュルムから笠原桃奈が卒業というニュースは、そんな僕を現場へと舞い戻らせた。
FC会員の期限も11月末までだったので、ギリギリFC枠でチケットを申し込んだ。「卒コン、楽しみだなぁ(ぽわわ~)」と思っていたら、FCイベント『アンジュルム 上國料萌衣&笠原桃奈バースデーイベント2021』までも開催されることが発表された。しかも会場は練馬文化センター大ホール。これはびっくり。
練馬に、かみこと、桃奈が、来る。
としまえんが閉園してしまい、アイドルのイベントとも完全に切り離された陸の孤島、練馬。東京にあって東京に非ずとも揶揄される練馬に「かみかさ」が来るなんて号外が出てもおかしくないレベルの大事件である。
桃奈卒業前に最後の「かみかさ双子」イベント。練馬区民として行かないという選択肢はなかった。祈るようにしてチケット抽選に申し込む。そして、嗚呼、神は存在した。人気のイベントだから厳しいかと思っていたら見事に当選。ハロプロの女神が優しく微笑んでくれた。
ちなみに2年前の「かみかさ双子」イベントは落選。なので余計に今回のラスト「かみかさ双子」イベントに参加できることが嬉しくてたまらなかった。
さて前置きはこれくらいにして当日のこと。
整理入場で会場へ入る。その際にフェイスシールドも渡された。全然、最近の事情知らないから「ハロプロ、こんなにも徹底しているのか」と驚く。しかし会場に入ってみると誰もフェイスシールドなんかしていない。どうやら「前から3列は必ず装着してね。それ以外は、してくれると嬉しいな」程度のようだ。
ちょっと付けてみたんだが、ビックリするほど息苦しい。そして吐く息で曇る。圧迫感がエゲつなかった。「これは無理だ」と席も15列くらいだから申し訳ないけど付けるのは止めた。でも、これってハロコンとかでも行ってるのかな? あまり話題に出てないから分からない。どうなってるんだろう。こういうイベントだけ?
なんてことを思いつつ会場を見渡す。相変わらず女子率高いですね。先日、久しぶりにヴィジュアル系のライブを観に某ライブハウスへ行ったんだけど、そっちは驚異の9割9分が女子。関係者のぞくと客としてフロアにいた男は5人いるかいないかくらいだった。まあ肩身が狭い狭い。そして小さなライブハウスだから物理的にも邪魔にならないようにと気を使ってしまう。たぶん周りは気にもしていないと思うし「お、男いるじゃん」くらいだろうが、どうしても「場違いなんじゃないか」といまだに勝手に負い目を感じてしまう。
20年前のハロプロの女子率だって1割くらいだった。
いい悪いではなく、老若男女が集えるというのはハロプロが文化的にも熟成されている証拠でもあると思う。あ、【若い男子】だけ少ないか。圧倒的に数が少ない【若い男子】層は、しかしオタクコンテンツとしてはそんなに問題ではなかったりする。
それは彼らがほかの客層と比べて圧倒的にお金を落とさないからだ。偏見かもしれん。だけどアニメやゲーム、アイドル、バンドに至るまで【若い男子】だけ金が無い。これ、実は意外と現代日本の深い闇にも思える。
話が脱線する。
最後の「かみかさ双子」イベントは二人の要望で余計なゲームコーナーなどはせず、シンプルに歌を披露するものにしたとMCで言っていた。たしかに今までの想い出を振り返る曲も多く、一足早い卒業コンサートを観ているような感覚になる。そんな素敵なイベントだった。
『泣き虫少年』は2016年に加入した桃奈が、初めてかみこと一緒にライブツアーで歌った曲だ。
桃奈、大きくなったなぁと感慨にふける。
なんて間もなく、かみこがいきなり泣いて歌えなくなる。ド頭のパートを歌った後に、かみこが大きな目を更に広げて「あー!」と声に出さず叫んだのが見えた。マイクにも「やばい」と小さく声が乗ってるのが聴こえる。
もう『泣き虫少年』じゃなくて『泣き虫かみこ』だった。
まさか。早いよ。と笑ってしまったのだが、同時に我が涙腺という名のダムはサイレンを鳴らす間もなく決壊していた。周りからも「うっ……」とか「ふわっ……」という声と共に嗚咽が漏れる。みんな、早い。
そしてすぐに桃奈のソロコーナーとなる。何を歌うのかと思ったら『春 ビューティフル エブリデイ』のイントロが流れた。桃奈が2015年にハロプロ研修生発表会で初めて披露した曲だ。当時小学6年生。Crazyでもなんでもなく、完全な子供だった桃奈。
そんな、桃奈が、嗚呼。
続いて『消失点-Vanishing Point-』この曲は個人的にもBuono!のなかで一番好きな曲。推しである夏焼雅さんのソロのイメージが強く、夏焼雅さんの艶感のある声とよくマッチした名曲だ。
大好きな曲を桃奈が最後に歌ってくれた。なんだか勝手に贈り物を貰ったような気持ちになって聴いていたら余計に泣けてきた。
『待てないアフターファイブ』はカントリー・ガールズの曲。桃奈ってカントリーの曲好きだよなぁ。こういう明るい曲も、桃奈にはよく似合うよなぁ。卒業した船木結ちゃんとの想い出を浮かべながら歌ってるのかなぁ。なんて思って聴いてたら更に泣けてくる。
と、ここで桃奈コーナーは終了。かみこと交代。
Juice=Juiceの『好きって言ってよ』。最近この曲もよく歌われる。みんな好きよね。僕も好きだわ。かみこの声質とJuiceの曲って親和性高い。少しクールダウンして落ち着いて聴けるようになった。
そして珍しい選曲だなぁと思ったBuono!の『My alright sky』。どういう意味があるのかと思ったら、かみこが「いつか歌いたかった」曲で、歌詞を理解するために「和田さんに聞いたりした」とも言っていた。
そういえば、あやちょがTwitterでつぶやいていた。
これ、かみこのことだったんだと伏線が回収されて、相変わらずアンジュルムは仲が良くて微笑ましくて泣けてきた。
次の曲。カントリー・ガールズの『VIVA!!薔薇色人生』。ダメよ、かみこ。こんな選曲しちゃダメよ。
ブログでもそう解説しているが、本当にこの曲の明るいメロディと前向きな歌詞はダメ。ハロプロの明るく前向きな曲ってなぜか泣けちゃうのだ。間奏の『アルプス一万尺』を手振りするところでは舞台袖からサプライズで桃奈が登場。ふたりで振りをするもんだから、会場も湧きながら嗚咽。
そら泣きますって。
桃奈も「スタッフさんと『出ちゃいなよ!』ってなって出てきました!」なんて笑って言ってたが、そういう風に何気なく楽しそうにしてるのを見せてくれることが、本当に貴重で大切な時間なんだなぁと。
そしてふたりで『シンクロ。』これまた2年前の「かみかさ双子」イベントで歌った曲。2年前とは歌割りも変更してたのが、最近『ウマ娘』好きなもんだから、勝手にテレビ2期の12話を思い出してシンクロしてしまう。
テレビ2期のED曲は主人公のトウカイテイオーとメジロマックイーンがデュエットしるのだけど、12話で大きな出来事があって今までトウカイテイオーを支えて強く気丈に振る舞っていたメジロマックイーンが挫折してしまう。その時にトウカイテイオーが「奇跡を起こすよ」と力強く宣言して見せ、そのままEDに突入する。
その12話だけ、ふたりのパートが入れ替わって流れるのだ。
なんて話をここで力説しても分かる人にしか分からないんだが、なんか、スッと「かみかさ」の関係性と「テイオーマックイーン」の関係がダブってしまい、本当に勝手に色んなイメージが溢れ出して泣けてきた。
いいイベントだわ。
ふたりが歌ってるだけでヲタクが勝手にイメージを膨らませて感動できてしまうなんて、アイドルとしての理想形なんじゃないだろうか。
と思ってたら、まだ本番はこれからだった。
まさかの『ONE DAY』
この曲はアンジュルム改名直前のスマイレージが自分たちをテーマに演じたミュージカルの曲。桃奈の希望でセトリに入れたということだったが、こんなエモいイベントに更なるエモを入れたら、それはもうエモの過剰供給にもほどがある。
「この一日が宝物」
なんて歌われたら泣いちゃうでしょ。よかったよ、フェイスシールドしてなくて。3列目迄の人たちは大丈夫だっただろうか。フェイスシールドが曇ってステージが見れなくなってしまったんじゃないだろうか。
「うわー、やられたわー」と感動に打ちのめされてしまっていたら、最後にスペシャルゲストで川村文乃ちゃんが登場。
まさか、まさかの『夢』披露。
『夢見るテレビジョン』というミュージカルをアンジュルムで公演した時に上國料萌衣、笠原桃奈、船木結、川村文乃の4人で(非公式に)結成された「ゆめ組」。船木結が卒業した時も仲の良さが滲み出ていた4人。「かみかさ」とも違う同期じゃないけど同期みたいな絆。こういうのも“縁”なんだろうなぁと思える空気感が、ヲタクとしても大好きだった。
まさに『夢』のようなラスト。
今にも袖から卒業した船木結が笑いながら合流しそうな雰囲気まで出ていて、こんな大団円を迎えるとは思ってもみなかった。
客席は、みな泣いていた。
まさか練馬で、こんな素敵な『夢』が見れるなんて、本当に夢のような時間だった。
終演後、会場の外で久しぶりにヲタ友と会った。40過ぎのオッサンふたりが夜空を見上げて「よかったねぇ」「泣いちゃったねぇ」なんて、しみじみと余韻に浸る時間さえ素敵だと思ってしまった。
笠原桃奈は本日2021年11月15日をもってアンジュルムを卒業する。13歳で加入した少女は多くの素敵な人に見守られ、強く大きく成長した。
そして秋空に新たな『夢』を抱いて羽ばたく。
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