見出し画像

2020 ハロコン冬 ~side A~ 令和になって変わるもの変わらないもの

あけましておめでとうございます。

正月ハロコンのレポだけど、微妙にネタバレ含むのでセトリ知りたくない人は、そっと閉じてライブに行った後で再訪して貰えたらと思います。

それから、先日のこぶし解散を受けての感想にもなっています。辛い。

■前段とハロプロの変革について

新年早々2日のハロコンからハロプロ初めをしたのだが、正月のハロコン初日に入るのは何年ぶりだろう。まだ1日3公演とかしていた頃だ。3公演、これだけ働き方改革だとか叫ばれる今では考えられない激務だ。

それと大きく変わった事が2点ある。

・ジャンプ行為禁止
・写真撮影の解禁

ハロプロも、ゆるりとではあるが客層の新陳代謝が進んできて、気づいた頃にはハロヲタ歴5年くらいの新規層が半分以上を占めてきている状態で、かつ男女比も半々くらいにグループやコンサート規模次第ではなってきた。そこで個人的にも迷惑だと思っていた【マサイ】の駆逐の為、事務所が重い腰を上げたのは良い事だと思っている。

ただし、あまりにも大雑把過ぎるとは思った。

理想は段階的に実験していくのが良かった。
・楽曲の振り付け、演出としてのジャンプはOK
・演出と関係ない状況でのジャンプ行為は禁止

これで半年くらいやってみて、それでも自浄作用含めて効果が無いのなら全面禁止に踏み切るのでも遅くないし、告知してすぐにでも実行できたと思うんだが。

まあ、でもポルコ・ロッソじゃあるまいし「飛べないヲタはただのヲタだ」とか言っている連中は、そもそもでライブを観に来ているのではなく、承認欲求と自己満足の捌け口として来ているだけだろう。別に飛べないからといってライブの楽しみ方が無くなる事はない。

写真撮影に関しては、なんとなく解禁した所で大きな変化は無いようには思っていた。これも否定派が「ライブ鑑賞の邪魔になる」とか「ライブに集中しろ」とか色々と意見していたが、ハロコン当日のファミリー席でも実感したけど、本当に全然撮影している人いない。

スマホじゃ近く無いと満足できる写真がそもそも撮れないし、せっかく近くなのに肉眼で見ないのは勿体ないという事なのかな。同時に「誰も撮っていないから私も撮り辛い」という日本人的な考えもあるのかな。

馴れてきたら洋楽コンサートみたいに無法地帯となる可能性は残っているけど、そうなったら禁止に戻せば良いだけの話だろう。色んな事を試すことは悪じゃない。

だが、調子に乗って「あれもこれも禁止にしろ!」とか言い出す自称自警団が湧いてくるのだけは勘弁して欲しいものだ。

さて、前段が毎度のことながら長くなったので本題へ。

■序盤で既に大団円?

オープニングからモーニング娘。’20と共に全員が登場して『One・Two・Three』で会場のボルテージを上げていくのは「令和元年から令和二年、三年へとハロプロも続いていきますよ」というアップフロントとしての意思表示だったのだろうか。

なんて事は特に考えなかったが、続けてつばきファクトリーが『低温火傷』を歌ってくれたので、僕はファミリー席で密かにブチ上がっていた。大好き『低温火傷』

その流れからビヨ、研修生、こぶしと登場し、アンジュルムが『46億年LOVE』、Juiceが『Wonderful World』を歌うので、あれ?もうエンディングかな?と錯覚する。特にJuiceは別の曲でも良かった気はするが、sideBとの曲のバランスもあるから仕方ないか。

ただ、ハロコンの2公演で丸々全曲変える必要は無い気もしている。どちらか1公演しか入らないライト層からしたら聴きたいキラーチューンは両公演に入れておいても良いと思うのだ。Juiceの『ひとそれ』なんて歌割りが2パターンあるんだし、後ほど出てくるモーニング娘。'20の新曲はコンセプトがそもそもリバーシブルなんだから、分けても良い気がする。

画像3

アンジュルムが4年ぶりのオーディション開催を発表した。加入するのは問題ない。だが「船木結が3月に卒業するから」だよね?

最近、かみこがビジュアルもパフォーマンスもライブやイベントのMCまでもグングン良くて、それは良い事なんだけど「あれ?このまま辞めちゃうんじゃ」なんていう不安にすらなっている。

なんかそれくらい吹っ切れた、迷いの無い状態に感じている。気のせいであって欲しい。というか、こんな事を考えてしまうのが良くないわ。

■『表参道A5』から見える景色

シャッフルメドレーに行く前、研修生の新曲が披露された。イントロが流れた瞬間に「つんく♂曲かなぁ」と思ったらビンゴだった。

画像2

しかしタイトルからして『表参道A5』というのが面白い。一瞬、なんの事か?と思うが東京メトロの表参道駅A5出口の事なのよね。で、表参道駅って個人的にも通ってる美容室の最寄り駅なんで馴染みがあるのだが、「なぜA5出口?」と思った。

表参道ヒルズのあるA1からA3出口、青山学院のあるB1からB3出口を舞台にする方が若い子の曲としては普通なんだけど、A5出口の先にあるのって根津美術館と住宅街なんだよね。僕も根津美術館に行く時にしか使わないし、あっち方面は本当にお金持ってる大人が歩いてる場所ってイメージだ。

そんなA5出口の事、歌詞の中には一度も出てこない。歌詞は背伸びしたい年頃の女の子が地下鉄に揺られながら、物思いに耽っている内容。とにかく「大人になりたい」と「目の前の事やらなきゃ」で揺れ動いて押し潰されそうになっている。

たぶん、その子の目線の先にはA5出口に向かって歩いている大人の女性が見えるんだろう。

なんてのをタイトルだけで表現しているつんく♂、天才だわと思うのですよ。

■シャッフルメドレーのエモさに悶絶

とにかく最近のハロコンのシャッフルがメンバー選考と選曲の両面で神がかって良い。今回もファミリー席で観ながら何度も目頭が熱くなった。

画像3

ハロプロ研修生26期の5人で℃-uteの『都会っ子純情』で始まった。イントロ流れて橋迫鈴ちゃんがスクリーンに抜かれた瞬間、低く地鳴りのような「おおぉ」という溜息からの大歓声が凄かった。

個人的にもクライマックス迎えたくらいの興奮と感動。また横山、川村、橋迫、西田、山﨑という5人のバランスが奇跡みたいに良い。令和の℃-uteじゃん、もはや。

画像4

元ナイスガールトレイニー広瀬、井上、小片による『僕らの世代!』なんてのがシャッフルに入ってて、これも場内大興奮だった。「なんで急にナイスガールトレイニー?しかも持ち歌じゃん!」そう不思議に思ったけど、まあ同期という括りで良い演出だというくらいにしか考えなかった。

だが、今なら分かる。

こぶし解散はセトリにも伏線として入れられていたんだね。最後のハロコンになっちゃうから、このメンバーでこの曲だったんだね。

今の感情でもう一度聴いたら泣いちゃうな。

画像6

ONLY YOUオーディションから各ユニットへ加入した4人による『タチアガール』も個人的にエモかった。あらためて伊勢鈴蘭ちゃん含めて一芸合格的な個性的メンバーで、こういう加入のさせ方はこれからも続けて欲しい。

どうしても研修生だけだと画一的になりがちなハロプロに刺激を与える意味でも伊勢、平井、小林、里吉のような逸材は大切にして下さい。

本当に良い4人。

画像5

ハロプロ研修生北海道、通称「北研」からのデビュー組3人で、去年末に活休したカントリー・ガールズの『恋泥棒』が披露された。

カントリー曲を封印せずに、しかも繋がりのある北研メンバーが歌うのは良いと思う。もう北研の子達が歌い継げば良いんじゃないか?

■こぶしとつばきの絆

シャッフルの組分けは「同期」という括りだった。こぶしファクトリーとつばきファクトリーもまた、同じBerryz工房の名前を受け継ぐ同時期に結成されたグループだ。事務所としてもBerryz工房と℃-uteのようにお互いが切磋琢磨して活動して欲しいという願いも込めていただろう。

中盤のコーナーは全員曲、ダンス部のパフォーマンス等から、つばきファクトリーが新曲『意識高い乙女のジレンマ』を披露し、続けてこぶしファクトリーがアルバムから『明日の私は今日より綺麗』を披露。

この二組の流れが、観ていて無性に胸に来た。正直、何か見えない気迫に圧倒されて涙が出そうになった。

『意識高い乙女のジレンマ』は、恋をしたいけど勉強しなきゃという気持ちがあって、方向性の違う「したいこと」を同時には出来ない事への葛藤を歌っている。

でも大きな夢叶えたいなら
それなりにでっかいギセイが要るんでしょ
もしも1つだけ願いが叶うのなら
わたしを2人にしてください

1月2日の時点で、ハロメンはこぶしの解散は聞かされていたはずだ。この曲は恋の歌だが「2つの願いを同時に叶えられたら」という願いは、卒業して進学するこぶしリーダー広瀬彩海に向けて歌っているように今は思う。

続けるか辞めるかで悩むメンバー達の葛藤を見てきた1番のライバルだからこそ、つばきは気持ちが更に乗っていたんじゃないだろうか?

とんでもなく研ぎ澄まされたパフォーマンスだった。つばきで初めて圧倒された気がする。

画像7

そして、『明日の私は今日より綺麗』は中島卓偉がこぶしファクトリーの為に作った曲だ。

度重なるメンバー脱退で混乱し、疲弊していた数年前のこぶし、そこから団結してパフォーマンスを磨いてきたこぶしを近くで見てきた卓偉だからこそ、自らもミュージシャンとしてステージに立つ身だからこそ書ける説得力と愛に溢れた曲だ。

辛いこと 苦しいこと
起こり得るそのすべてにきっと
意味があると信じれたら
明日の私は今日より綺麗

こぶしは去年の秋くらいに卒業か解散の噂が出ていたらしい。卒業する広瀬のブログでも夏頃から相談していたとある。

中島卓偉が去年の9月に行ったライブの中で、こぶしファクトリーに言及している。

こぶしファクトリーは頑張っている。俺はそれを分かっている。だから良い曲を書いてやりたい。良い曲を歌う人生にして欲しいと思う。
俺なんかより、アイドルは活動期間が短いです。あっという間に散っていく人生だから濃く生きなきゃ駄目なわけ。だからその人生の中で良い曲を一曲でも歌って欲しいから書きたいと思うのよ。
良いんだよ、解散しても。みんなバラバラになっても、その曲が残った時に俺が書いたんだから俺が歌えば良い。℃-uteも解散してる。ラベンダーもチャオベラも。だけど俺が歌ってれば、それでちょっとでも救われるファンがいたら、それでハッピーだと思う。

卓偉も同じ事務所で噂も聞いていたのだろう。だからこそ、ライブで言及もしたような気がしてならない。そしてできた『明日の私は今日より綺麗』は、完全に解散していくこぶしファクトリーへの手向けの歌になっている。

1月2日の時点では僕らには知らされていなかった事だったが、彼女達の気持ちがこもったパフォーマンスで自然と心が奮えていた。

今回のこぶしファクトリー解散には色んな人の色んな思いが交錯していて、単純な否定も批判も無意味な気がしている。アイドルを続ける事は難しい。

だからこそ、瞬間を大切にして欲しいと願ってやまない。11日からは追加で3月にリリースする『青春の花』が歌われているらしい。

このブロック、涙無しに観れないだろう。

■女ヲタ殺しの佐々木莉佳子

画像8

後半のシャッフルメドレーはハロプロエッグ組から始まった。しかも『あななし』というチョイス。

譜久村、小田、竹内、高木、宮本、浜浦という6人が集まるアベンジャーズ感は迫力が違う。見せつけられる圧倒的なパフォーマンスにハロプロの歴史を感じて幸せになった。

しかし、それ以上に全部持っていったのは佐々木莉佳子だろう。

シャッフルメドレーの最後を飾ったのが佐々木、稲場、高瀬、清野によるプラチナ期の名曲『SONGS』だったが、莉佳子が開始するやいなや往年の高橋愛が乗り移ったようなイイオンナオーラ全開で脚を広げて座り、歌い出す。

これに会場から「ぎゃあああ!」と女ヲタの絶叫。僕も「ふわぁぁ」と思わず口を押さえた。最近、少し静かだった莉佳子が新年早々アクセル全開で女ヲタを殺しにかかってきた。

画像9

興奮してボケボケ。

これ見るだけでも金払った価値あるレベルだとアンジュルムヲタの贔屓目含めても言い切れる。また女子が増えるな。素晴らしい。

さてラストスパートはJuice、アンジュルム、モーニング娘。'20と続いていく。

画像11

挑発する佳林ちゃん。

画像10

いい表情の結が撮れた。

モーニング娘。'20の『LOVEペディア』『人間関係No way way』は、同じ曲に違う歌詞と違う編曲を乗せるというギミックを際立たせる為なのか、2曲セットで歌う事が恒例になっている。

だが、まあどちらかで良いんじゃね?とも思っちゃうが、お得感はあるしどちらも良いから文句はない。個人的には『人間関係No way way』のが好きだが、たまに頭の中で「人間関係No way way LOVEペディア♪」と2曲が混ざってリフレインして困る。

画像12

最後は全員で『ニッポンノD・N・A!』

まさに大団円。なんだかんだあった令和元年からの流れだけど、総括するとBEYOOOOONDSの年だった。これからのハロプロを、どうか担っていって欲しい。

未成年の主張コーナーでは、モーニング娘。'20のリーダー譜久村聖による「9期は今日で加入9周年!」と、こぶし浜浦彩乃による「こぶし結成5周年!これからもよろしくね!」という記念日の主張があった。

感慨深いなぁと聞きながら思っていた。

本当に素晴らしいハロコンだった。

ジャンプ禁止?そんなの本当に関係ない。

本当に本当に素晴らしいハロコンだった。

こぶしの解散だけが残念でならない。

本当に残念でならない。

残り少ないハロコンだけど、こぶしメンバーもハロメンも研修生の子達も楽しく過ごして欲しい。そして何より、こぶし組の方々が全身全霊でこぶしファクトリーと共に楽しんで欲しいし、楽しめるハロコンであって欲しい。

令和になって加速度的に変化していくハロプロだが、この素晴らしい空間だけは変わらないで続いて欲しいと願うばかりだ。


全て無料で読めますが、「面白かった!」「すき!」なんて思ってくれたら気持ちだけでもサポート貰えると喜びます。