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なるべく中道を歩きたいですね。

今日は4月8日。といえば、お釈迦様の誕生日だ。全国のお寺では花まつりが開催されて甘茶が振舞われるのだが、今年は中止のトコも多いことだろう。

そんなに熱心ではないが、僕も実家が浄土宗で京都の南禅寺が菩提寺、まあ仏教徒の端くれではある。この時期の南禅寺は桜も満開で観光にはもってこいなんだけど、またフラッと京都に気兼ねなく行ける日が来るといいな。

ところでとうとう非常事態宣言が出された。今日も基本は巣籠もりだけど、昼間に少し散歩がてら外に出た。そしてなんも日常が変わっていないことに少し違和感があった。イタリアやフランス、スペイン、アメリカみたいなディストピア感に溢れた世界に日本が一瞬で変わることはないだろうとは思っていたが、それにしても危機感が無さすぎには感じた。

ただ、それも実際にすれ違う人からしたら自分も「なに出歩いてるんだ」と思われているかもしれない。それぞれにそれぞれの主張もあるだろう。

今の未曽有のコロナ危機で、おそらく最初に日本全体に対して警鐘を鳴らした神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田先生は、ダイヤモンド・プリンセス号の件以来、多岐にわたって意見を展開しているのだが、僕はこの人のスタンスが好きだ。

たしかに専門分野目線に偏ることはあるかもしれないが、基本的に物事に対して「良い」「悪い」を実行者、発言者のパーソナリティだったり所属、信条に関係なく意見している。それは上のツイートでも分かると思う。

多様性を認めつつ、その中での事象に対して判断を個々にし、偏らずに考えて行動するというのは難しいことだが、今の状況において一番大切なんじゃないかと思うのだ。

どうしても反射的に「好き!」「嫌い!」で区別してしまいがちだけど、ひと呼吸してみることの大切さは今日という日に生まれたお釈迦様の説かれている『中道』にも通じている。

『中道』については、こちらのページを読むと分かりやすいと思う。

何に対しても「偏らない」こと、そしてそれは「どっちつかず」ではなく、ほどよい加減を持つこと。

中道というのは足して二で割るということではなく、右にも、左にも偏らないということを大事にする知恵です。『評価』したり、AとBとで『比較』をしてしまうと、必ず偏りが生まれてしまいます。そうではなく、あらゆるものをあるがままに、ほどよく、つまり、『いい加減』にしてバランスをとるのが仏教の、そして生きる極意だとわたしは考えています

【中道を生きる】でも紹介されている真言宗飛騨千光寺住職・大下大圓師の言葉「いい加減」とは「好い加減」のことで、絶妙なバランス感覚を持つことが大切だと述べられている。

不要不急の外出自粛、イベント自粛、商売の自粛、自粛自粛でギスギスしている世の中だからこそ、少しゆったりと「いい加減」に物事を見て生活することが心の健康にも良いんだと思うのだ。

そうそう「中道」とか取っつき難いなぁという人は『聖☆おにいさん』でも読んでみてはどうだろう。

もっと手っ取り早くということなら劇場版「聖☆おにいさん」でサクッと仏教とついでにキリスト教に触れてみてもいいかもしれない。

宗教における多様性と共存からライトに学んではいかがでしょうか。

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