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【ざっくりプレビュー】vs川崎フロンターレに向けて中谷進之介を楽しむ

まずは5月12日の浦和レッズ戦、2-0というスコア以上の圧勝劇は豊田スタジアムに集まったファミリーみんな楽しかっただろうなとDAZN観ながら思った。むしろ前半ATのアーリアとか後半の前田の2本のシュートを決めきって5-0で勝つくらい出来ない事が残念だという贅沢な溜息すら出てしまった。

まあ、当のアーリア、前田は危機感が凄いだろう事も肌感で分かるから言わない。本人たちが一番決めたかったと思う。だって初先発のマテウスが一発回答してしまったから。

本当に練習から良い競争してるんだろうな、という一体感すらゴール後のマテウスの行動とベンチメンバー、風間監督の表情から分かる。名古屋グランパスは強いファミリーになってきてると実感出来た浦和レッズ戦だった。

そしてそんな中で、また少しグランパスがマイナーチェンジしている印象を受けた。生観戦した湘南戦でも垣間見れたんだが、浦和戦でも両SBは勿論、丸山と中谷のCBまで効率的に前線まで上がってパス回しやフィニッシュに絡む機会が増えた。特に中谷の積極性が攻撃面にも表れだしたことが僕には驚きと共に嬉しく思え、将来の代表への期待が増してきている。

で、なんであんなに効率的かつ効果的にディフェンスラインが攻撃に参加出来てるのかって思ったら、浦和戦で気付いたのがグランパスがボール保持して押し上げた時の最終ラインのポジションの変化。

今までは丸山と中谷の距離はなるべく近くしてラインの統制も見つつディフェンスの準備をしていたのが、両SBが上がったスペースのケアをする為に左右に開いて、代わりに米本かシミッチが必ず中央に下がって3枚でラインを構築するようになっていた。

これ、前半開始早々に左の吉田のスペースを使われた事が実際あったから、そのケアをする効果もあったけど、それ以上に丸山と中谷がビルドアップする手助けにもなっていた。

必ず中央のシミッチにボールが集まるから、浦和はそこにまずチェックに行く。それを丸山なり中谷へシミッチからボールを流した時、彼らの前にスペースが出来るようになっていた。

たぶん浦和の選手たちは吉田と宮原が高い位置から下がらないし、シャビエルとマテウスが目まぐるしく左右に交差して移動する、アーリアとジョーも交互に上下動してボールを受けに行くというカオス状態を作られてしまいラインが下がってしまったんだと思うのと、シミッチと米本が縦に並んでディフェンスに下がるから必然的に中盤の両脇にスペース出来て、そこに丸山と中谷がフリーで侵入して行けるようになっていた。

すると丸山は元々攻撃も好きっぽいからグングンドリブルで運ぶし、それに感化されてか右の宮原の最近のゴール前まで一番に飛び込むくらいの積極性に触発されたのか、これまで攻撃参加のイメージが無かった中谷のドリブルやパスが何度も見られるようになってきた。SBがフィニッシャーになるというのは最近のトレンドだが、そこに両CBまで加わってくるような攻撃はグランパスの進化のひとつだと思う。

これこそ風間監督のいう「システムは11」を体現しだした証拠だろう。

ただハイラインするのではなく結果としてハイラインになっている状態で、シッカリとディフェンス時のポジションのケアも出来ている今なら川崎フロンターレにも今回こそは真っ向勝負で戦えるような気がしている。

去年の等々力での試合は、もう本当にぐうの音も出ない完敗だった。敗因は「力の差」としか言えない、言い訳も何もない清々しい完敗だった。むしろ1点取った事が嬉しかったくらい。

たしかに今節の清水戦における川崎フロンターレ2019の強さはエゲツないと思った。ここに来てダミアンがフィットしだすのは卑怯だと思った。しかも今は憲剛や家長とか去年のスタメンが居ない状態なのにあのレベル。強い。分かってる。

だが、グランパスも去年のように裸同然でロンダルキアに降り立つという無謀な状態ではない。キチンとレベルを上げ、装備を整え、万全の体制で向かっている。怖いのはブリザードのザラキとギガンテスの痛恨の一撃だけ。それだってグランパスの【はかぶさの剣】ことシミッチ米本が叩き潰してくれると信じてる。ゴール前にはランゲラックがムーンブルクの王女のように慈愛の心で守ってくれる。

僕は中谷進之介という男がサマルトリアの王子に思えてならないのだ。少し頼りなさげだけど、やる時はやる男だと思うのだ。今の中谷ならザラキも覚えてブリザードだってギガンテスだって返り討ちにしてくれると信じてる。

夢を信じて、僕は金曜日の等々力ロンダルキア競技場に向かう。

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