見出し画像

桜を見ても綺麗だと思わない。


今日も1歳の娘と朝から、川沿いに出かける。

ここは私の、私たち親子の穴場スポット。

遊具はない。なのでもう少し月齢が上がると物足りないかもしれない。けど、今の娘にとっては丁度いい。どんぐりや石を拾うだけで楽しい。あと公園という感じではなく、川沿いのお散歩コースだから人が流れてくれる、止まらない。最近顔見知りのママが増えてきたので、今日はなんか愛想良く話せないかもって日はママたちの集まる公園じゃなくて川沿いに来る。

ここでは娘の大好きなワンワンとその飼い主、おじいちゃんおばあちゃんがよくお散歩している。

普段見ている景色が違うであろう、この人たちと同じ空気が吸いたくなって、公園じゃなくて、あえて川沿いを選んで来る。

少し前は調子が良くて、公園に行って、ママたちとそこそこうまく話せたりもした。

今日はちょっと無理かもって思った。



川沿いに着くと、大量の橙色の帽子を被った4歳児くらいの集団がいた。流れていない、止まっている。

ここはめったに保育園児とは会わないのに。

かなりの多人数で、しかもなかなか流れてくれない。

理由はすぐに分かった。

桜が咲いている。



他の通行人たちも、普段は流れてくれるのに、スマホを取り出して立ち止まり撮影している。

「綺麗だね〜!」


みんながそう言っていた。



『思ったより綺麗じゃない。』

私はそう心の中でそうつぶやいた。


毎年、桜を見るととても感動するのに、今日は残念すぎるくらい綺麗だと思えなかった。



理由はすぐに分かった。最高の条件が揃っていなかったからだ。

今日は20度近くあり暖かかった割に、一日中曇りだったこと。やはり桜の背景は青空が良い。ピンクが全然映えていなかった。

あとは、まだ満開とは言えない咲き方だったこと。所々スカスカした場所があって物足りない。

桜はピンク色がびっしり詰まって、背景が綺麗な青空が一番しっくり来る。


でも他の人は「綺麗」って言ってた。

私は思えなかった。



最高の条件ってなに?

満足できる基準とは?

今日が晴天の満開の桜だったら私は素直に綺麗だと言えた?



最近また、無いもの、手の届かないものばかりが気になって、欲しくなって、無い無い。私には何も無い。満たされない。って、

心の私がずっとうじうじしている。


こういうときには親として、人として最低なことを考えたりして、余計に自分が醜くなって、逃げ場無くて、ますます自分が嫌いになる。


まだ解決できない気持ち。

整わない気持ち。


明日は今日より少し気温が上がって晴天らしい。

もう一度、川沿い行ってみようかな。



小さな手が、

明日も私のこと引っ張って行ってくれるかな。






この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?