2020.08.17(mon)お盆
現実の対岸でブザーの音を三回聞いた。
頭痛の夜は大概ななめになって寝るので、きっとそれがよくなかった。
あの人とあの人は別々の場所に立って、たぶんわたしたちを見ていて、
わたしはぼんやりとしながら、彼女たちの唯一の共通点は、わたしと弟だけなのかもしれない、などと考えていた。
あのふたりの関係についてはほとんど知らない。
そのどちらからも、わたしは自分と同じ血の濃い匂いを感じていたけれど、
あの人たちはあちら側でも、仮につぎの人生があったとしても、きっと他人同士だ。
それはわたしたちだから分かることだった。
「おばあちゃんとおばあちゃん」
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