AI:考えてみたシリーズ 04 X(旧Twitter)での音楽とAIイラストの「しぐさ比較」
前口上
DTMerかつAIイラストを愛好する筆者が、両者を共に愛でつつ、比較しながら、ぼんやりと何かを見つける旅に出る、かもしれないシリーズ企画。
過去記事は以下の通りです。
今回はX(旧Twitter)のTLを眺めながら感じた、音楽垢とAIイラスト垢の違いについて書きたいと思います。
筆者はAIイラストのために高価なWindowsマシンを分割購入したくらいの人間なので、基本、AIイラスト、およびその界隈には好意的なのですが(当たり前か)、「ここだけは気になる」ということについて書かせていただきます。
フォロワーとは何か
今更、Xの基本的な仕組みに触れる気はありません。
そんなこと、今時小学生でも知ってるでしょう。
ここで語りたいのはフォロワー数の意味、捉え方です。
本題である「しぐさ」について語る前に、「人もしくは垢、クラスタによって、フォロワー観が違うのでは」という話を軽くさせて頂きます。
フォロワー数=正義 ?
Xのみならず、インスタやTikTokで、アカウントの「強さ」を測る指標としてフォロワー数がよく引き合いに出されます。
「本日のゲストは〇〇系ユーチューバーとしてブレイクしている△△さんです。△△さんは、TikTok、インスタフォロワー数、ともに100万を超えるインフルエンサーで…」
…といった紹介をテレビでよく見るようになりました。
どうやら世間様ではフォロワー数が多いほど、「価値の高いアカウント」という認識のようですし、そんな人気アカウントを運営している中の人は、したがって「価値の高い人」となるようです。
先に述べたことは主に著名人、もしくは名前を売ることでお金を稼いでいる方々の話です。
我々一般人にとってフォロワー数100万越えなど、夢のまた夢ですし、別に目指す必要もありません。
…のはずなのですが、そこはやはり人間。気になるものは気になる、って気持ちもよくわかります。
フォロワー数=影響力…ではない、という現実
X(Twitter時代を含む)を長年やってきた方なら分かると思いますが、フォロワー数というのは相互フォローを繰り返していくと、それなりに伸びます。
僕の音楽垢も何も考えずに相互フォローを繰り返していたら、わりと短期間でフォロワー数2,000を超えました(現在は1,000とちょっと)。
じゃあ、自分が作ったオリジナル曲をバンバン聞いてもらえて、何かつぶやけば「いいね」やRTが乱れ飛ぶかというと…まあ、そんなことは全くなく、何を上げてもサーバーの海に飲み込まれていく、という日々が続きました。
フォロワー数2,000の自分より、曲のクオリティだけで800フォロワー集めた方の方が、つぶやきに対するレスポンスが桁違いでした。
フォロワー数ってのは多ければいいってもんじゃない、と音楽垢で学びました。
AIイラストの現状
「ありがとうツイート」
僕は「AIイラスト」や「AIart」のタグをつけて、せっせとAIイラストをXにアップしています。
一方、他の方のイラストを見ながら、「褐色肌+セーラー水着とか反則やん、ウホ」と心でつぶやきつつ、「いいね」を押しまくってます。
そこで一つ気になることがありまして。
音楽、DTM系のTLではあまり見かけないツイートによく出くわします。
それはこんな感じ。
フォロワーが一定数を超えたときに行う「ありがとうツイート(勝手に命名)」です。
AIイラストのTLでは、この「ありがとうツイート」が結構な頻度で見かけられます。
多くのAI術師の方が、節目ごとに「ありがとうツイート」を投稿しています(これから批判的なことを書きますが、何のことはない、僕も一度投稿したことがあります)
好きな人がやればいいじゃん、で済まないと思うこと
節目ごとに記念イラストを投稿する-
それ自体、全く悪いことじゃないし、やりたい人がやればいいことだと思います。交流のある人が「おめでとうリプ」をイラストと共に送るのも、にぎやかでいいもんです。
ただですね。
僕はこの慣習を一度やって以降、あえてしないことにしています。
理由を一つにまとめるなら、
AIイラスト界が鉄火場(フォロワー数によるマウンティングの応酬)にな
ってしまうことへのささやかな抵抗
…ってところでしょうか。
もう少し、言葉を足していきます。
先に書いたように、自分はAIイラストを始めるだいぶ前から、音楽垢を作り、悲喜こもごもを経験してきました。
ばからしい話と思われるでしょうが、投稿曲が全然伸びずにやけ酒し、次の日仕事を休んだこともあります。
それでもしつこく音楽垢を続けていると、耐性もついていき、「いいねが伸びないのが当たり前、伸びたらラッキー、そもそも無名の自分の曲を聴いてくれた人は菩薩」と思えるようになってきました。
地に足がついてきた、とも言えます。
なので、AIイラスト垢を作って投稿開始してからも、(やはり「いいね」の数は多少気になるものの)、ある程度落ち着いて向き合うことができています。
フォロワー数については、増えると嬉しいですが、あまり気にしていません。
一方、TL上では先に書いたように、「1,000」「3,000」「5,000」といった「ありがとうツイート」が飛び交っています。
これ、AIイラストで作品の投稿を初経験した方には、刺激が強すぎるのでは、と思います。
嫌が上でも煽られます。
自分が調子よく行ってるときは気持ち良いですが、なかなか伸び悩んでいる時に他の方の「ありがとうツイート」を見かけると、「ありがとう、と言いながら、自慢してるだろ!」と心を乱してしまうのではないでしょうか
(←正直、僕も「純粋にありがとう、だけじゃないよな、コレ」と思っております)
AIイラストならではのスピード感
じゃあ、上記「ありがとうツイート」がAIイラストだけか、というとそんなことはなく、音楽垢でも見かけますし、他の趣味垢でも普通にあります。手描きイラストのTLも同じです。
ただ、AIイラストはプロンプトの打ち込み含めても、数分でイラストが完成してしまいます。イラストソフトを使って文字の挿入をしても、30分かからないんじゃないでしょうか。
だから、イラスト付きの「ありがとうツイート」「おめでとうリプ」をガンガン投稿することができます。
(術師によっては、100フォロワー増えるごとにイラスト付きの「ありがとうツイート」を投稿してたりします。さすがにちょっとやり過ぎかな、と思います)
ちなみに。
今回の記事を書くにあたり手描きイラストのTLものぞいてみましたが、「ありがとうツイート」はテキスト、もしくはラフ絵にとどめておいて、「希望者抽選〇名に描きおろしイラストプレゼント」というパターンを多く見かけました。
音楽垢の空気感
音楽垢でも「ありがとうツイート」はありますが、イラストを貼ることはまずないですし、じゃあ「1,000超えたから新曲を」と気軽に作れるわけでもないので、「ありがとうツイート」は控えめです。
何より、アカウントの価値を決めるのは曲の魅力なので、フォロワー数についてあまり話題になりません。
フォロワー数1,000未満でも、音楽でご飯食べている人は普通にいます。
なぜだろう
ここまで書いていて疑問に思うことが一つあります。
アップした作品ありき、であることは、創作系垢なら共通していることだと思いますが、フォロワー数への「気配り」「目配り」にはジャンルによって差があるように思います。
なぜその差が生まれるのか、について、はっきりした答えは分かりません。
最後に
では、締めます。
AIイラストについては(そもそも自分がやっているので)、基本、肯定ですが、以前から「フォロワー数による殴り合い」に近い雰囲気に対して、違和感を感じていました。
AIイラスト自体、「ジャンル」としては産声を上げたばかりですし、色々と批判されることも多い立場です。
だからこそ、同好の士の間では、多少の意見の相違はあれど、フレンドリーな雰囲気は崩してほしくないなあ、と思う次第です。
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。
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