🌏負の世界遺産を訪れて🌎〜戦争や平和について考える〜

　世界遺産を学ぶ中で、「負の世界遺産」という言葉を初めて聞きました。負の世界遺産とは、明確は定義はないけれど、

人類の犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなる遺産

と、日本国内では示されているそうです。平和への希望や人種差別の撤廃など、歴史に密接に結びついているものが多いそうで、世界遺産の中にはその歴史や背景で負の側面に注目され、登録理由が異なる場合でも「負の世界遺産」と見なされるものもあるようです。

美しい自然、豪華な建物などのイメージがあった世界遺産とはまた違う異なった観点からも世界遺産に登録されている所があるということに驚きました。

ポーランド🇵🇱のアウシュヴィッツ＝ビルケナウ収容所へ

⇧収容所へ続く線路。立っているだけでいろんな気持ちが込み上げてくる。

この日は今にも雨が降りそうな冬の曇天。ついに着きました。教科書や歴史の本に乗っている写真で見た場所。

⇧。「働けば自由になる」（Arbeit macht  frei）のスローガンのアーチ。この門を見たときの当時の方々はどんな思いだったのだろう。

ガス室、収容されていた人の所有物、亡くなられた方の写真、脱出しようと試みた方が撃たれた場所、真っ暗な部屋にある木で作られた狭くて硬いベッドなど。収容所の様々な場所を訪れて、戦争を体験していない、そして当時のここに訪れたことのない私でも背筋がゾッとして恐怖を覚えるほどでした。なので当時収容されていた方のことを考えると想像を絶する、言葉にならないほどの恐怖・苦痛だったことと思います。

⇧ガス室。たくさんの人がここへ送られた。

⇧脱出を試みた人が処刑されてしまった場所。献花がされていた。

日本🇯🇵広島の原爆ドームへ

日本にも負の世界遺産として広島の原爆ドーム、広島平和記念碑が登録されています。近くの広島平和記念資料館では、原爆投下までの経緯やその瞬間までの人々の生活、核爆弾の恐ろしさやその被害、今に至るまでの影響がリアルに伝わってきます。戦争は当時体験された人はもちろん、その後もその戦争や兵器によって苦しんでいる人がいることを改めて知ることになりました。

⇧青空の下の広島、原爆ドーム。当時も綺麗な空の下だったのかな、原爆が落とされる前までは。

負の世界遺産ではないけれど戦争・平和について考えさせられる所はたくさんある。

オランダ🇳🇱アムステルダムのアンネ＝フランクの家。アンネの家族が実際に住んでいた家が現在は博物館として見学ができます。本棚の後ろにある隠し扉に入ると暗くて、狭い中アンネの家族やその同居人たちが暮らしていた様子が感じられます。有名な彼女の日記やアンネたちが背比べのために印をつけた柱などから、辛い生活の中でもささやかな楽しい時間を精一杯生きていたことが伝わってきました。

⇧オランダ🇳🇱アムステルダムのアンネ＝フランクの像

アメリカ🇺🇸ニューヨークの９.１１メモリアルミュージアム。ワールドトレードセンターのツインタワーテロの瞬間のシーン。亡くなられた方の写真。生存された方のインタビュー映像など。たくさんの人の思いを実際に感じることができました。

⇧アメリカ🇺🇸ニューヨークのワールドトレードセンターの跡地

ハンガリー🇭🇺ブダペストの恐怖の館。ハンガリーが共産主義、ファシズムの下にあった頃の歴史について学べる所。建物の地下は実際に牢獄だったそうです。当時のことを知っている老人の方のインタビューを見ることができます。その表情や話し方からも当時の政治がどれほど人の生活や心に影響を与えていたのかよく分かります。

⇧恐怖の館のパンフレット。内部は撮影できず。

以上のような戦争等に関連する世界遺産や場所に訪れて、これからこのような歴史が繰り返されないためにも「何ができるだろう」と考えるようになりました。ただ「怖い」「かわいそう」「悲しい」だけでなく、これらの歴史から学び、何かを考え、自分にも何かできるようになることも必要なのかなと思います。

私の場合、まずは人種、性別、国籍、言語などだけで判断するのではなく一人の人間同士として「相手を理解すること」を頑張ってみようと思いました。その人の生きてきた環境や考え方、文化や習慣。それを少しでも分かり合うことで誤解や偏見も減り、相手への見方も変わってきて喧嘩や争いも減るかな・・・と考えました。

戦争や紛争を直接止めることは一人の力ではできないし、そこに至るまでの歴史的背景など、変えられないものもある。でも少しでも平和につながる自分のできる身近なことを見つける。その方法もいろいろあるかもしれない。　

🕊戦争や平和について自分なりにまずは考えてみる、それが第一歩なのかも🕊

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