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日系企業から外資系企業に転職したワーママ

私は育休中に、日系大企業から、外資系大企業に転職をしています。

転職の経緯は別の記事に記載しましたが、こちらでは転職した後に私が感じた、両企業の違いについて記録したいと思います。

あくまで私の経験でしかないので、どの企業にも当てはまるわけではないと思いますが…外資のイメージをマイナスに捉えていることもあるかと思うので、実際そんなこともないよとお伝えしたいです。


個人のキャリアを尊重する

日系企業では基本的に会社が社員の仕事を決め終身雇用前提で会社に貢献するのがベースでした。社内で希望して移動する制度はありましたが、条件などのハードルは高かったです。

それに対して転職先では、仕事(プロジェクト)を社員側にも選ぶ権利があり、やめる権利がありました。社員にとってもほしいスキルを得られるプロジェクトを選ぶことができ、会社が個人のキャリアを尊重してくれていたことが大きな違いでした。

また、終身雇用を前提としていませんでした
能力のある人が、短期間だったとしても、会社に価値を感じて協力してくれる。会社と社員がお互いWin-Win。それでヨシなのです。

そのため、色々なところで「今年度退職される場合は…」みたいな事務手続き時の注意書きとかも見ました。


ドライなカルチャーとは

「外資はドライだ」というイメージがありませんか。「冷たい人が多いのかな」という勝手なイメージが私にはありました。

会社としてドライかなと感じたのは、例えば、社内の必須の研修などについて。日系企業だと、完了していない人にはフォローのメールが来たりしますが、転職先ではあまりありませんでした。

「それをしないことで本人が損をする」(例えば、研修を受けていないと、上の給与レンジに上がれなくなる)というものに関しては、自己責任なのです。

まあでもそれは社会人として当然だとは思います。なんでも後回しにせずすぐやるのは大事ですよね。

それ以外で、例えば個人でのやりとりで「冷たい人が多いな」などと感じたことはなかったです。


ワーキングペアレンツにとっての「ドライ」

日系企業では「何かあったら自動的に何かしてくれる」のが、転職先では「なんかあったらどうしてほしいか言ってね!」というスタンスだったのが、ドライであったのかもしれません。

例えば、日系企業では私が産育休を取るとなると、自動的に「復帰時は時短勤務どうしますか?」と聞かれました。

一方転職先では、私は育休明けでの転職でしたが、HRから特に何か案内が事前にあったわけではありません。聞けば、「ここに制度書いてあります。何か使いたいものがあったら言ってね!」というスタンスでした。

これは人によってどちらのタイプがいいかは違ってくると思います。

日系企業にいたときは、「私はお母さんなんだ。みんな時短にしているんだ。私も時短を取ろう。」と当然のように考えていました。ジェンダーバイアスの問題にも関係しますが、育休から復帰する女性が働き方を変えるのは普通であるという、会社の価値観を知らぬ間に刷り込まれていたのです。おかげで周りも「産休育休はママ、時短はママ、子どものお熱で休むのはママ」でした。

一方転職先は、困っているのはママだけという認識ではないのです。もちろんパパだっていますし、育児だけではなく、介護やその他の問題を抱えている人もいます。そもそも育休取るからって、必ずしも全員が働き方を制限したいと考えるわけではありません

特定の状況にある人へ、ヘルプが必要だろうと勝手に判断してアクションするのではなく、誰もが何かで困っている可能性があるから、ヘルプを求めれば会社は助けるよというスタンスなのです。

おかげで転職先では、男性の方が長く育休を取っていたり、時短したりするケースなんて珍しくありませんでした。また、夕方以降はお迎えや育児で、性別に関係なく多くのワーキングペアレンツは抜けていました。

ヘルプを求めるのが苦手な女性にとっては、私のいた日系企業のほうがやりやすいのかもしれません。が、ヘルプを要求できる私にとっては、誰もがヘルプを求めやすいカルチャーであれば自分の肩身が狭くならないため、転職先の方が圧倒的に居心地が良かったです。

各個人の価値観を尊重し合うことが、ドライなカルチャーとニアリーイコールなのではないかと、私は考えています。


説明が手薄

コロナ禍で転職したため、選考から退職(のちに外資系企業も退職しています)まで、私は一度も会社に足を踏み入れませんでした。

そのため、入社のPCのセットアップから、社内の手続きなど、全てマニュアルを見て自力で実施します。そのマニュアルなどが、雑だなと私は思いました。

例えば、日系企業のときは、どこをクリックしてどんな操作をするのか、親切にすべてスクリーンショット付きで説明がありました。イレギュラーケースについても詳しく書かれていた気がします。

転職先では、スクリーンショットは飛び飛びで、操作もクリック単位では記載がありません。「〇〇を設定する。」と記載されていても、どのように設定したらいいのか分からないので、自分で調べて…この値を設定していいのかな?など、ちょっと適当で合ってるのか分からない状態で進めていました。

そのため、自力で分からないことを調べて、本当にダメそうだったら問い合わせる、という当たり前の社会人スキルが必要な機会は、日系企業よりも多かったように思います。


自分の管轄外の仕事はしない

バックオフィス系の仕事で特に顕著ですが、自分の管轄外の仕事は案内すらしてくれません。

例えば、社内手続きで問い合わせた際に、それが問い合わせた相手の仕事ではなかった場合。日系企業では、「うちでは分からないので、〇〇部の〇〇さんから連絡がいくようにしておきますね。」と連携してくれていました

しかし転職先では「うちでは分からないので、ここに問い合わせてください。」もしくは、「うちでは分かりません。」です。

会社が大きいため、何がどこでできるのかみんな分からないというのもありますが、役割分担がはっきりしており、特にバックオフィスは自分の管轄外にわざわざ働きかけるようなことはなかったように思います。


コミュニケーション力が必要

私の転職した先では、いわゆる部署がありませんでした。プロジェクトワークなので、毎回はじめましての人達と一緒に働きます。しかも、プロジェクトの途中で出入りが激しい。そのため、そこに飛び込めるだけのコミュニケーション力は必須でした。

また、転職が当たり前の会社なので、各メンバーの経歴などもバラバラ。調べても分からないことは分からないと言って素直に教わる、聞くのに最適な人を見つける、というスキルも大切でした。これはどこへ行ってもそうだとは思いますが。


仕事ができない人はいない

プロジェクトに入るためには、社内で面接を受けて、プロジェクト側とお互いにマッチングを確認するというプロセスがありました。

そのため、自分のスキルと給与レンジが釣り合っていないと、プロジェクトに入れてもらえないのです。
なお、不要な人員は簡単にプロジェクトから外されもします

そのため、日系企業にありがちな、「仕事できないけど長く働いてるから結構給料もらってる社員」「日々何してるのか分からない窓際族」という無駄が存在しませんでした。

また、仕事の平均的な「できる」レベルも高かったです。何かをお願いしたら、予想していた以上のレベルで返ってきます。

この理由について考えたのですが、プロジェクトをたくさん移れるだけの力がある人=キャッチアップ力が高い人がたくさんいるので、どこへいっても短期間でそれなりに仕事ができるようになる人しか残らないのかもしれないと思いました。

そんなこと書くと「えー怖い!厳しいんだ!」と思われるかもしれませんが、メリットもあります。

  • 評価への満足度は高い
    年齢ではなく、スキルに応じて評価されている実感がありました。そのため、「あの人は仕事できないのに給料貰えている」みたいな不満はなかったです。

  • 分からないことは教えてくれる
    みんな最初は苦労した経験があるので、途中で入ってきた人が救いの手を求めれば、いくらでも教えてくれる優しい人が多かったです。

  • 仕事が属人的にならない
    プロジェクトへの出入りが多いので、仕事が属人的にならない=プロジェクトを抜けやすい=長期休暇や育休なども計画しやすい環境でした。

また個人的には、この環境にあったからこそ、常に自分の「できること・できないこと・やりたいこと・今求めていること」を意識して自分のキャリアを見つめることができていました。


タイムマネジメントがしっかり

ミーティングの終わりがきっちりしていました。

上のランクの人たちは、スケジュールがびっちり埋まっていることが多く、それもあってミーティングが長引くことはかなり稀だったと思います。

また、不要なミーティングには基本的に出ません。一言も発しない聞くだけのミーティングに出るという機会は、全社的なイベント以外には少なかった気がします。


生産性が高い、というイメージ

外資系企業は生産性が高いイメージがありました。しかし、体感としては、確かに平均的にみんな仕事はできるけど、一人一人の仕事が特別速いとか、生産性が高いとかいうわけではなかったと感じています。(ただし、稀にとんでもない人はいる)

ただ、無駄が少ないのです。

仕事ができない、仕事をしない人がいない。

不要なミーティングがない。

かしこまった挨拶が入っているような長いメールは送らない。

無駄が省かれることで、会社全体としての生産性は、私がいたような日系企業に圧倒的に勝るのだろうと考えています。


結論、外資系企業は働きやすい

  • 最低限自分で分からないことを調べられる

  • 分からないことを分からないと言って素直に質問できる

  • 自分の権利ややりたいことを主張できる

  • 柔軟に多様な価値観を受け入れられる

  • 英語は並に読み書きできる

このような人は、問題なく働けると思います!


私自身の変化

転職先の会社で過ごすことで、私自身にも個人のキャリアや生き方を尊重するカルチャーが根付いたことが、かなり大きな変化だったと思います。そして会社より自分を大切にする、という当たり前のことを、より意識して行えるようになりました。

また、転職先で十分やっていけたことで自信もつき、キャリアについて真剣に考える機会も多くなったことからも、より柔軟に色んな選択肢を考えることができるようになりました。

転職してよかったです。
まあ、今は辞めちゃいましたが。

その後どうキャリアを考えて次のステップへ歩み出したのかも、いずれ書けたらと思います。

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