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2年前の採用活動における魅力は今やアンモナイトになっている

「リモート勤務は今やもう魅力じゃなくなっちゃいましたもんね」

確かにそうだよなぁ…、と思いつつ、コロナより前の時代にリモート勤務ができる企業があれば、採用活動を非常に優位に進めることができていました。僕はこれまで17年ほど採用市場で仕事をしていますが、本当に様々なトレンドが発生していました。その時期に最先端であっても、数年後にはすぐに最先端ではなくなる、そんなことをたくさん見てきました。

本ブログは、そんな採用市場における「トレンド」の移り変わりにおける「魅力の遷移」について書きたいと思います。




0. はじめに(本ブログを書くに至った背景)

本ブログの冒頭に記載した事は、わかりやすい事例だと思ったため記載しました。
ただ、採用市場においてその「時期」に勝っている企業は移り変わります。例えば、

2008年頃はミクシィさん
2011年頃はCROOZさん、KLabさん
2014年頃はGREEさん、DeNAさん
2016年頃はメルカリさん
2018年頃はSmartHRさん
2021年頃は…

など、その時期に採用市場において勝っている企業は少しずつ変わってきます。もちろん、「事業成長」が1つの要素になりますが、ただ事業成長をしていても採用市場で猛威を発揮できていない企業もあります。

そんな中で、なぜここまでその時期において採用市場で勝てている企業に変化があるのか?その答えは何なのか?


1. その時期の唯一無二になっている企業

唯一無二と記載しましたが、唯一無二でなくても、候補者さまにとって「見たことがない」「聞いたことがない」と言うポイントを打ち出している企業さまは、採用市場において非常に優位になる傾向があると感じています。
前項で記載をした企業さまを事例にご紹介します。
(すべて僕が人材業界で仕事をしていた時に感じていた主観をもとに記載いたしますので、その点ご了承ください。)

2008年頃はミクシィさん。
今でさえ当たり前になったSNS市場において、日本企業がここまで圧巻する事は誰しも予想していなかったかもしれません。
若年層を中心にミクシィを使っているユーザーが非常に多く、当時は唯一無二のサービスとして認知されていました。そんなミクシィに入社することができることのプレミアム感というか、候補者さまからしても「ぜひ入社してみたい」と意欲をかき立てられる企業の1社さまでした。
つまり、ミクシィさんは「事業内容」における唯一無二であったと記憶しています。

2011年頃はCROOZさん、KLabさん。
なんといっても当時、ソーシャルゲームがものすごい勢いで成長していました。この2社さまはソーシャルゲームの黎明期に採用活動を早期からアグレッシブに実施していた記憶があります。そのため、候補者さまからしても「ソーシャルゲームの開発ってなんだ」と言う印象を持っていたと思います。そして、採用活動をするために、一気に「働く環境」を整えたのも英断だったと感じています。「そこまでやるか?」と言う勢いで働く環境を整備しており、採用市場における人気企業になっていました。
つまり、同2社さまは「事業内容」「働き方」における唯一無二であったと記憶しています。

2014年頃はGREEさん、DeNAさん。
ソーシャルゲームのプラットフォームとしてポジショニングを確立した同2社。特に30代の方は、この2社さまの社名を聞いてピンとくる方も多いでしょう。ついに日本が世界を圧巻できるサービスが生まれたのか?そう思わせていただけた企業さまで、年間で数百名の採用していました。
SNSを皮切りに様々なサービスを開始していく、世界に支社を構え、取り組んでいくんだ、そんな勢いを感じることが多かったです。
つまり、同2社さまは「事業内容」「事業展開」における唯一無二であったと記憶しています。

2016年頃はメルカリさん。
GREEさん、DeNAさんが市場を圧巻している最中に、すでに会社自体は立ち上がっており、人材業界では著名になりつつありました。これまでのビジネスモデルとは一線を画したCtoCという、シェアリングエコノミーと言う市場において、日本で早期に有名になった企業と認識しています。また、ブラックホールのように優秀な方を採用し続け、メルカリさんも一気に世界を狙っていくのだ、と言う気概を感じました。
つまり、メルカリさんは「事業内容」「事業形態」「事業展開」における唯一無二であった記憶しています。

2018年頃はSmartHRさん。
何といっても採用ピッチ資料でしょうか。当時、会社の情報をWebページに、そして誰でもアクセスできるような形でアップロードをする採用ピッチ資料の概念自体が新しく、「SmartHRさんのような採用ピッチ資料を作りたい」と言う企業が激増しました。もちろん、当時勢いがあったSaaS市場において勢い良く成長していたと言う事実が後押ししていましたが、当時の採用市場を圧巻していたと言っても過言ではありません。
つまり、SmartHRさんは「採用活動における工夫」における唯一無二であったと記憶しています。

2021年頃はUbieさんと10Xさん。
僕は同2社さまに知り合いはいません。ただ、第三者的に同2社さまの活動を見ると、「カルチャー」についての発信がすごく上手であったと感じています。同2社さま以外にも、2020年前後に「カルチャー」を打ち出す企業さまは増えてきており、当時は新しいと感じていましたが、2024年時点においても、まだカルチャーを打ち出している企業さまはそんなに多く見受けられません。その重要性に気づいている企業さまが少ない点、もしくはそこまで候補者さまにとって重要度が高くないと判断されているのかもしれません。
つまり、同2社さまは「カルチャー」を発信している、という点における唯一無二だったと記憶しています。


2. 唯一無二になり得る項目とは何か?

「いやいや、前述した企業さまは、事業内容における唯一無二を持っていますが、日本に存在する企業さまの全てが、唯一無二の事業内容を持っているわけではありませんよね」

そんな意見をいただいてしまうかもしれません。
おっしゃる通りで、事業内容における唯一無二性を持つのは難しいことです。なぜならば、日本には3,600,000社程度の法人企業が存在していると言われており、3,600,000通りの事業内容は存在していません。そのため、日本のすべての企業さまが「事業内容」と言う観点における唯一無二を打ち出す事は難しいです。

ではどうすれば良いのか?

本ブログでは詳細を割愛いたしますが、上記に貼り付けたブログは採用企業が魅力を発信する「項目」を整理したブログです。これらの魅力項目において、何かしら唯一無二の情報があれば、採用活動で大きく訴求することが可能です。ただ、ここで2つ注意点があります。

2-1. あくまで企業成長するための唯一無二

採用活動をするための唯一無二ではなく、企業成長をするための唯一無二を追求することが第一のポイントです。
株式会社の目的の1つは利益創出であり、採用活動で勝つことではありません。もちろん採用活動で勝つことが手段の1つになり得ます。何を申し上げたいかと言うと、本ブログを読んでいただいて、
「採用活動で勝つために唯一無二を作ろう」と言う発端でも良いのですが、そうではなく「企業成長させるために、この課題をこのように解決しよう。あ、結果的にこれが唯一無二であった」と言うアプローチである方が好ましいと思います。

2-2. 唯一無二でなくても複数要素の掛け算で唯一無二になれる

「唯一無二」というキーワードを本ブログでは何度も記載していますが、そんなに簡単に唯一無二を見つけられるわけではないと思います。
その場合は、唯一無二でなくても「少数」である自社の魅力を見つけてみましょう。「少数」と言うのは、他の企業さまも該当する可能性はあるけれども、一般的に「少ない」に該当するであろう、と言う項目です。

例えば、「フルリモート」×「フルフレックス」
これに該当する企業さまはそこまで多くはないと思います。
「掛け算」と記載しましたが、その「少数」しか打ち出していない魅力を複数並べたときに、その掛け算であれば唯一無二を作ることができる可能性があります。例えば、前述した「フルリモート」×「フルフレックス」についても掛け算の1つです。「フルリモート」だけでは、そこまで希少価値が高くない時代になってきました。「フルフレックス」においても、希少価値は高いと思いますが、唯一無二までのレベルではないでしょう。ただ、この2つを掛け合わせることによって、非常に希少価値は高くなると感じています。

さらに言うと、「フルリモート」×「フルフレックス」×「製造業界」と言う要素を追加してみると、おそらくこれは日本に数社しかない特徴になり得るかもしれません。(正確にはわかりません、例えば、と言う話です)。

「そんなに簡単に唯一無二を作る事は難しいよ」と諦めるのではなく、複数の要素を掛け算して唯一無二を見つけてみていただけると幸いです。


3. 唯一無二は「課題解決」を追求した結果生まれる

ただ、日本/世界に存在しているどの企業さまも「唯一無二」を得ることができる権利を持っています。前項で同じようなことを記載しましたが、唯一無二を作ることが「目的」なのではなく、あくまでも「課題解決」をした結果、生み出たもの、であると感じています。本ブログの「1」でご紹介をした、ほぼすべての企業さまが、何かしらの「課題」を解決した結果、何かしらの唯一無二を生み出すことができています。もちろん「事業内容」はその一つでしょうし、「働き方」もその一つでしょう。何か課題があり、その原因を追求していき、そして「解決」をした結果として生み出たもの。それが、他の企業さまがまだ解決していない課題であれば「唯一無二」の出来上がりになるわけです。

そのため、御社にも唯一無二にを生み出すことができる権利があり、誰しも平等であることをご理解いただければと思っています。「そんなに簡単にできないのではないか?」と言う声をいただいてしまいそうですが、そんな事はありません。目の前の課題をスピーディーに真摯に解決し続けていれば、それが採用活動における大きな武器になり得ることがあります。ただ、ここで残酷なことが1つ。その課題解決(イノベーション)を見出すための足かせになってしまうことがあります。それは、「利益」です。株式会社が存続するために最も必要なのは利益であり、売り上げです。もし仮に御社が資金調達をしていなければ、そして企業の法人口座の預金残高が少ないようであれば、まずは利益を追求することが求められます。

利益を生み出すために採用活動を行うのか?
採用活動を行うために利益を生み出すのか?

もし仮に利益がないような状況であれば、「課題解決」をすることの余裕がなくなり、それどころではないでしょう。そのため、一定の利益と、利益が生み出す「余裕」があれば課題解決のための時間を捻出することができるのだと思います。


4. ポテンシャライトが唯一無二であるポイントを羅列してみる

ポテンシャライトが唯一無二であるポイントを、出来る限り挙げてみます。
言い換えると、唯一無二であるかわかりませんが「少数」であろうポイントも同時に羅列していきます。

- ベンチャーに特化をしたRPO×人材紹介
- ノウハウをブログで発信している発信頻度(本数)
- ノウハウをウェビナーで発信している発信頻度(回数)
- 人材業界ではめずらしくカルチャーを15に細かく分類しアウトプット
- これまで設立して7年間新規営業はかけずに、すべてインバウンド(問合わせ)にて顧客創出
- 採用戦略/戦術、採用ブランディング、採用実務、人事組織まで1社でほぼ全てカバー
- 発達指向型組織を目指している

他にもありそうですが、パっと思いつく項目を記載しています。
おそらくこれらの項目は日本でほぼ唯一無二であると思っており、この複数の要素を掛け算してみると、確実に唯一無二であると考えています。


5. 今後、唯一無二となるのは「組織」であると考えている

僕が38年間生きてきて、そして17年間人材業界に在籍し、そして変化に富んだ令和の時代においてポイントになるのは「組織」の在り方だと思っています。別のブログで記載していますが、令和の時代において、人材業界は大きなゲームチェンジが起こると僕は予想しています。そして、それはほぼ避けられない事実として、向き合わなくてはならないと感じています。

端的に説明すると、労働人口の減少における採用市場の激化×様々な要素が掛け合わされた結果、生まれる離職率の増加が発生する。つまり、

「あんなに頑張って人材を採用したのに、退職までのスピードも早かった」

と言う実態が生まれると感じています。
経営者であれば、潜在的にこの実態を把握していると思います。ただ、どのような手を施せば良いのかがわからず、そして「そうであろう」と言うぼんやりした未来において、明確な準備をすることができない、これが本音なのではないでしょうか?

ただ、ゲームチェンジはすぐそこまで迫っており、ゲームチェンジを「体感」してから準備するのでは遅いと感じています。

ゲームチェンジに対応するためのヒントとなるのは、間違いなく「組織」のあり方であり、そして一筋縄に解決することができる魔法の杖はありません。今から準備しておくべきでしょう。当社ポテンシャライトは「発達指向型組織」と言う新しい組織のあり方にチャレンジをしています。明確な問題/課題が存在しており、その問題/課題を解決する手法が、この「発達指向型組織」であると概ね確信しています。発達指向型組織であること自体が日本の法人企業と言う組織における唯一無二になり得ると感じています。既に先駆者たちが数年前から発達指向型組織について研究をしており、僕よりも詳しい方はたくさんいらっしゃいますが、経営者として、組織として本格的に目指す意思表示をしたいと思っています。では!


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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