最新の採用ブランディング項目「6P+SCMGODB」のご紹介+魅力の尺度を作成してみた
「自社の魅力の尺度は、どのように判断すれば良いでしょうか?」
ポテンシャライトが創業してから何度かいただいたことがあるご質問です。ただ、魅力は、その求職者さまの価値観によって魅力かどうかを判別することが多く、魅力の「尺度」を良し悪しで判断する事は難しいと正直思っておりました。
ただ、あらゆる手法を繰り返した結果、本ブログでご紹介する手法を用いれば魅力の尺度を図ることができるのではないかと気づき、本ブログにてご紹介したいと思います。
0. 魅力の項目とは?
ポテンシャライトが独自に打ち出している魅力の「項目」の変遷をご紹介いたします。
3つのスライドをご覧いただきましたが、ポテンシャライトでは、日々魅力の項目の名称や数を連動させています。その時代のトレンドにより強く求められる魅力が変化することがあり、今後についても多くの項目が変化していくと思います。
1. そもそも魅力とは何か?
こちらの問いに対しては、上記のブログをヒントとし、個人的に答えを炙り出すことができました。
つまり、「魅力」は「事実」がベースになっており、事実を「装飾」することによって「魅力」に変換されるのだろうと気づきました。ここで言う「装飾」というのは、わかりやすく言うと「比較」と言い換えることができます。そのため、ある人が説明すると「魅力」に聞こえるのに、別のある人が説明すると魅力に感じない事象が発生するのは、これが起因してるのではないかと感じました。つまり、魅力に感じない場合は、「比較」観点が薄く、希少価値もないのです。
少し別の話をしましょう。「流行(トレンド)」についてです。
2017年頃に突如トレンドとなったタピオカについて。タピオカがトレンドになり始めた時期には、行列で買うのが本当に大変そうでした。皆さまもタピオカに対して魅力を感じていたのではないでしょうか?ただ、時間が経つにつれて、タピオカ屋が増え、タピオカの希少価値が埋まり、タピオカに対して「魅力」と感じる人が少なくなりました。
つまり、タピオカ黎明期は、他の飲み物と比較しても希少価値が高く、人々が魅力に感じていたのですが、お店の数が増え、希少価値が薄まり、魅力に感じなくなったのだと思います。
話を戻して、HR市場の話をします。
企業様の魅力を表現するためには、企業理念や事業内容、福利厚生など企業様の「事実」を文言化していきます。そしてその事実を 他社様と相対比較しながら希少価値を打ち出し、「魅力」に変換します。
「事実」と「魅力」、口に出すのは簡単ですが、理解するまで時間がかかったと同時に、自分でたどり着いた答えだったので、非常に腑に落ちました。
2. 魅力項目のアップデート
本ブログの本題である魅力の「尺度」に触れる前に、2023年に入ってから魅力「項目」のアップデートをした話をいたします。
2022年までのポテンシャライトの最新の魅力「項目」とは、「6P+CGM+tech」を用いておりました。スライドを再掲すると、こちらになります👇
この魅力項目に分類「できない」項目がいくつか存在しておりました。
例えば、
などでした。
例えば、その企業様の戦略/戦術について、プロダクト(事業)に紐付く内容となるかと思うのですが、魅力項目の「product」に内包してよいものなのか。また、業界の課題は、既存の魅力項目である「market」に内包できる気もしますが、本来マーケットは、業界の「希望」「成長性」などが該当するため、業界の「課題」をマーケットに内包させてよいものなのか悩んでおりました。さらに、代表の経歴(原体験)については、「person」に内包してもよいのですが、personは経歴中心であり、原体験に触れると長い文章になってしまうため、悩んでおりました。
これらの課題が発生しており、魅力項目をさらに増やす/減らす必要性があると感じておりました。
そして、新しい魅力項目が下記になります。
既存の魅力項目と比較して、「新しく増やした」魅力項目は下記になります。
なぜ増やしたのか、なぜ変更したのかの背景を下記いたします。
2-1. strategy
前述で触れましたが、戦略/戦術はプロダクト(事業)に強く紐付く項目になりますが、ぼんやりしてしまうことが多く、思い切って新しい項目として追加しました。
特に、ポテンシャライトの界隈であるスタートアップについては、「未来」の話をしなければ会社の魅力を打ち出すことが難しいこともあり、未来=戦略/戦術の説明が重要になります。数十名規模で採用活動が上手な企業様は、このstrategy観点のアウトプットが多く、正直言うとその未来(戦略/戦術)を想像することは難しいかもしれないのですが、思い切ったアウトプットをする会社が多くなっていると感じています。
2-2. growth/career
既存の魅力項目は「growth」のみの文言だったのですが、「growth/career」という表現に変更いたしました。そもそも、growthとは「メンバーの成長」という意味で、その企業に所属することにより、どのような成長環境/成長機会を提供できるのかについて記載したものです。ただ、大手企業様を中心に「キャリアの構築の仕方」にユニークさを感じる企業様が増えてきていると感じています。人的資本経営ではないですが、ベンチャー企業も内定を提示する際に、入社後1年/2年間でどのようなキャリアを積んでもらいたいのかを採用企業側から提示する、なんてことも増えています。
2-3. brand
この項目は、数年前から魅力項目に追加しようと考えていました。なぜならば、当社ポテンシャライト自体もこのブランド形成を強く意識しており、かつ重要度が非常に高いと思っているからです。
少々話がずれますが、「ブランディング」と「マーケティング」は似て異なるものだと思います。ブランドは、意図的に育てていくものであり、決して他者に真似ができない(しにくい)と認識しています。そのため、ブランド形成がしっかりしている企業様は、採用活動に強いことが多く、かつ事業活動においても秀でていることが多い傾向にあります。当社ポテンシャライトも、「当社の強みはカルチャーとブランドです」と言えるような会社を作ろうとメンバーに伝えており、そのため魅力項目として増やしたほうが良いと判断しました。
2-4. operation
どんなに素晴らしいミッション/ビジョンで、どんなに素晴らしい事業戦略/戦術であったとしても、現場で働くメンバーのオペレーションが整っていなければ、その会社の成長角度が下がります。
企業名は申し上げないのですが、ある著名な上場企業様にこんな質問をしてみました。
「御社がこの市場で勝てた理由はなんですか?」という質問に対し、
「現場のオペレーションが洗練されていることです」という回答をいただきました。
「まさに!」という感想を持ったことを今でも覚えているのですが、オペレーションが洗練されている事は、間違いなく競合との差別化であり、その強み1つで業界でも良い立ち位置になれることも多いと思っています。そのため、立派な魅力項目になると感じたため追加をいたしました。
2-5. data
この項目は、もしかしたらある程度 規模感がある企業様のほうが、有効的に活用できる魅力項目かもしれません。ただ、その業界で勝ち、さらにビジネスを躍進させるために必要となるデータの「量」と「質」を、整備された状態で保有している企業様はものすごく強いと感じます。
例えば、当社はHR業界の企業ですが、非常に重要なのは「求職者さまのデータ」になります。あらゆる業界や職種、そして年齢層の求職者さまがどのような「希望」を持っているのかは、非常に貴重なデータになります。そして、そのデータは、時代のトレンドによって変わりゆくものであり、定量的で無機質な数字のデータに加え、定性的な会話によるデータを保有している会社は非常に強いと感じています。そのデータ(インサイト)を保有することで、競合他社を大きく凌駕できますし、何より採用活動において大きな魅力となると思っています。
3. 魅力の「尺度」について
前項で説明いたしました魅力の「大項目」をさらに分解する形で、魅力の「中項目」を下記のように作成しています。
※図の仕様上「profession」を割愛しております。
本ブログの冒頭に記載いたしましたが、魅力の「尺度」を作成するにあたり、魅力の項目の抽象度が高ければ高いほど、尺度の基準を作成することが難しくなります。そのため、魅力の「大項目」だけではなく、「中項目」までブレイクダウンしたかたちで作成することにいたしました。
では、いくつかの項目で尺度をご覧いただきましょう。
尺度の基準については、ポテンシャライトがこれまでに様々な企業様のご支援をした中で、求職者さまに魅力として感じていただきやすいと感じた内容を入れています。これらの尺度を作成することによって、企業様の魅力の「点数」を数値化する事ができました。今後もアップデートをし続けたいと思っています。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
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