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スタートアップ採用における "こんな魅力は魅力でない"10選

「こんな魅力は魅力でない」

これは、昨日実施された採用の勉強会でお話をさせていただいた内容です。オンライン勉強会でしたので、皆さんのお顔を拝見しながらお話ししていましたが、クスクスと笑いながらこの話を聞いていただいていた印象でした(あれ、これもしかして自分も自社採用のときに言ってしまっているかも…?というクスクスだったのかも?)

採用活動にとって自社の魅力を適切に表現することは非常に大事なことだと思います。そして、自社が魅力と思っていても、第三者的に見るとそれは「魅力ではない」と判断されることも多くあります。

ただ、「御社の魅力はなんですか」と質問してみると、そんなに明確な回答が返ってくるとことは多くありません。そんな中、よく皆さんが使われる魅力のフレーズの中で、「その魅力は魅力では無いですよ」と僕なりに思ってる10つのフレーズがありますのでご紹介できればと思っています。

ちなみに僕の得意としている界隈はスタートアップですので、スタートアップについての話が中心になります。

こんな魅力は魅力でない10選のご紹介

 1. 裁量権が広いです

このフレーズはスタートアップが100社あったら100社使っているかと思います。そもそも人数が少ないスタートアップは裁量権のオンパレードです。その前に「これがあなたの裁量権だよ」と渡されることはありません。自分で裁量権をいくらでも広げることができますし、会社の経営陣はできる限り多くの業務を精度高く実施していただくことを期待しています。そのため、裁量権が広い事は魅力ではなく「事実」なだけなのです。

 2. 風通しが良いです

風通しが悪いスタートアップは致命的です。前述した通り人数が少ないこともあり、全メンバーが見える範囲で仕事をしています(今はオンラインが増えましたか)。誰が何の業務をやっているのかまだ把握しやすい人数だったりするので、顔と名前も一致しますし、どのスタートアップも共通してこの事項については言えるかと思います。

 3. 部長以上のポジションががら空きです

スタートアップにおいて組織図(ポジション)が全て埋まっていることはほぼありません。むしろ半分以上ポストが埋まっていないことばかりです。
そして新規のサービス、事業がテンポよく立ち上がっていくフェーズがスタートアップだったりするので、部長/マネージャーポジションについては常時埋まってないことが多くあります。そのため部長以上のポジションががら空きである事はほぼ全てのスタートアップに当てはまることであり、むしろ優秀な部長クラスの方がいるのであればポジションメイクをして採用したいと思うスタートアップも多いのではないでしょうか。

 4. 社長のすぐ近くで仕事ができます

これもほぼ全てのスタートアップで適用される事実です。あえて言うともちろん社長室なんてものは存在してませんし、社長と商談同席をしたり、社長と1on1ミーティングをすることもザラにあります。もちろんシリーズB、シリーズCに差し掛かってくると社長とのコミニケーションも減ってくるかと思いますが、スタートアップフェーズにおいて社長のすぐ近くで仕事ができない事は考えにくく、もしあったとしても自分からアクションをとって社長と仕事をするような取り組みをすればすぐに実現できるかと思います。

 5. 手を挙げたら何でもできるよ

スタートアップは全てにおいてマンパワー不足です。「猫の手も借りたい」とはこういうことか、と感じることが多数あります。むしろ時間を持て余している人がいたら、どれだけ受け身の人なんだろうなと思います。
自分の担当範囲以外の業務においてもマンパワーに置いて枯渇していることがほとんどかと思いますので、もし手を挙げて仕事をしてくれる人がいるのであればどのスタッフも渇望しているのは間違いありません。

 6. 自分が取り組んだことが会社に反映されやすいんだよ

これは上記の5つと比較すると魅力の度合いとしては強いかもしれませんが、前述した通り様々なスタートアップが存在する中で自分の影響が会社に反映されにくいスタートアップなんてほとんどありません。とにかくどのスタートアップでも当てはまるような魅力だと難しいということはなんとなくご理解いただけたのでは、と思っています。

 7. 資金調達をしています

資金調達をしている会社としていない会社であれば、もちろん資金調達をしている会社のほうが良いイメージを持たれるかもしれませんが、日本で1年間で資金調達が実施されている件数は1800件ほどあります(1800社ではなく1800件)。となると1000社以上の企業が直近1年間で調達をしているため、おそらく目の前にいる求職者様は他の会社も選考に進んでいるとなると、その企業も資金調達をしている可能性は非常に高いです。そのため資金調達を実施していると言う事実だけだと魅力にはならないことが非常に多いです。
また、最近は数億円資金調達をしたのにもかかわらず短期間でそのお金を溶かしてしまう事例もたくさん聞いているため、これは魅力ではなく事実です。

 8. 経営スキルを身に付けることができる

スタートアップは経営陣が近いが故に、経営業務に少しでも携われるのではないかと期待してジョインされる方も多いのではないでしょうか。そして、採用企業側もこのようなことをPRされることもあるかと思います。
個人的な所感としては、スタートアップを選んでジョインしてきて、本気で「経営」に踏み込んでくるアクションを取る方は30人いて1人いれば良いほうかと思います。経営陣の横で仕事をしているだけだと、経営スキルが身に付く事はありません。もちろん刺激を受けることができるでしょうが、間違いなく社員の「主体性」が重要になってきて、魅力として打ち出したとしても結果的には「あなた次第」になります。そして、このブログで何度も申し上げていますがどのスタートアップも経営者と近い立ち位置では仕事ができるので、そのチャンスがあると言う事実は確かに魅力ではありますが、それもどの企業も一緒なのです。

 9. とにかくチャンスに溢れているんだ

確かに魅力と言えば魅力ですよね。
ただ、これもどのスタートアップも同じことが言えます。チャンスがないスタートアップはありません。前述した通り、手を挙げれば何でもできますし、これは魅力とは言い難いです。一つ付け加えるとすると、チャンスを掴むことができるかどうかは、その人(メンバー)に寄りけりですし、大手企業でもベンチャー企業でもチャンスを掴む人は掴むので、これも事実の一つでしょう。

 10. 大手企業よりも成長ができるんだよ

これは迷信です。
僕はいわゆるスタートアップに14年弱 勤めていますが、スタートアップであろうと大手企業であろうと成長する人は成長します優秀な人は優秀です。環境で人は変わるものかもしれませんが基本的にはスタートアップに入ると成長できると思っている人はスタートアップにはマッチしませんし、そしてこれは魅力にはなりません。もしスタートアップをまた経験していない方がこの話を聞くのであればそれはそれで魅力と感じるかもしれませんが、何度も申し上げますが他のスタートと全く同じ状況だったりするので、その点はご認識してください。


とは言いつつも、前述した「魅力ではない魅力」をお話ししてしまっている場合、どのような表現の仕方をすれば良いのか。いくつかご紹介できればと思っています。

平凡な魅力をどのように光り輝かせるのか?

 2-1. 具体的に裁量権を使っている事例を伝える

裁量権についてはとにかく「具体性」が大事だと思います。自社が具体的にどのように裁量権を渡しているのか、どのようにチャレンジを推奨しているのかをより具体的に記載してみると良いかと思います。
当社では下記のブログを執筆しております。

このブログは僕の新卒時の同期で、何事にもチャレンジして裁量権を広げてきたメンバーの話です。
彼女は30代で転職をしてきてくれたのですが、自分で手を挙げて職域をどんどん広げています。おそらく1番多かった時は5つくらいの役割を持っており楽しみながら仕事をしていました。

 2-2. 風通しが良い事例を伝える

風通しが良いことをPRするのであれば社内のコミュニケーションを見せてしまうのが早いかと思います。
いろいろな企業様で取り組んでいることではありますが、slackの会話の1事例をスクリーンショットで見せてしまうのは良いかと思います。会社のコミュニケーションの雰囲気もわかりますし、風通しも概ねわかります。できれば経営陣が入っているコミニケーションを見せてあげると良いかなと思っています。
 

 2-3. 組織図を見せてしまう

具体的にどのポジションが空いているのか、これは組織図を見せてしまった方が良いのではないかと思っています。イメージもつきますし、信憑性も出てきます。
また組織図をお見せする際に重要なのは事業戦略かと思います。具体的にどのようなポジションで、と説明する際は新しいサービスや事業、そしてポジションの概要説明する際に会社全体の事業戦略は紐付くものかと思いますので、あるとベストです。

 2-4. 社長からどのようなフィードバックがくるのかなど

社長と仕事ができることについての具体性を表現できると良いかと思います。エピソードでもいいですし、また具体的なフィードバックを文字でもらっているのであれば、それを公開してしまうのも手かと思います。
当社の場合は、僕(代表)がいろいろなメンバーと接することがあるため、なるべくフィードバックは文字にするようにしています。各社の代表から社員に対してのフィードバックは、代表が思う以上に社員が価値を感じてもらえることも多いのではないかと思いますし、もし「社長の近くで仕事ができる」と言う魅力を表現するのであれば、なるべく具体的な表現をしてあげると良いかと思っています。

 2-5. 手を挙げたり任せてもらえる仕事の具体性

こちらも具体性ですね。
社員が手を挙げて任せた業務やプロジェクトの事例を具体的に表現してあげると伝わりやすいかと思います。
当社の事例をご紹介すると、当社は毎月「スローガン」を掲げており、スローガンとは売り上げ目標などとはまた別の目標と表現すると適切かもしれません。当社の直近3ヶ月のスローガンを下記にてご紹介いたします。

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こんな感じで会社が今月大事にしたいことを掲げるのですが、スローガンは「挙手制」で担当してもらっています。山根はフォローアップに入るのですが、このスローガンを達成するために手を挙げた社員がそれぞれうまくいくようにもろもろ動いていくのですが、そういった取り組みもしています。

まとめ

そんなこんなで、平凡な魅力をどのようにブラッシュアップするかを考えた結果、下記に辿り着きました。

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(2つ目はお気になさらず)
メッセージ(魅力)はより具体性が必要でしょうし、何より重要なのは「どのスタートアップも言えること」は魅力ではありません。これは認識しましょう!

最後に

当社ポテンシャライトは採用支援や人事組織の課題解決に取り組んでおります。ご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
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