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難関ポジションの採用手法をポテンシャライトなりにハックしてみました

「この採用ポジション、難関だと思うのですが、やはりエージェントですかね?」

こういった質問をいただくことがあります。

一般的な採用ポジションではなく、いわゆる採用をすることが「極めて難しい」と言われるポジションは、採用活動において苦戦を強いられることがほとんどです。苦戦というか、具体的な手法もわからず、身動きが取れないこともよく見受けられます。
本ブログでは、前述した「難関ポジション」の採用活動をする上で、どのように進めれば良いかを記載したいと思います。



1. 難関ポジションとは

難関ポジションとは:
採用することが極めて難しい採用ポジションのこと

文字通りではあります。

例えば、

- CTO
- CFO
- CPO
- エンジニアリングマネージャー
- テックリード
- CMO

などです。

これらの採用ポジションにおいて採用成功するためには、他の一般的なレベルの求人における採用成功とは様々な施策が異なります。
具体的に何が異なるのかを見てみましょう。

※本ブログでは「難関ポジション」を対比する言葉として「一般ポジション」という言葉を用います。「一般ポジション」とは難関ポジション「以外」のポジションだとご理解ください。つまり、年収300〜1,000万円のよくある採用ポジションとでも言いましょうか。強い定義はしませんが、ご認識いただければ幸いです。

1-1. 求職者数

皆さまもご理解いただいているかと思いますが、前述した「難関ポジション」は、他ポジションと比較して対象者=「求職者数」が圧倒的に少ないです。
そこで「難関ポジション」と「一般ポジション」の求職者数の比率を算出してみました(当社の人材紹介候補者や当社の主観も入っています)。

◆難関ポジション と 一般ポジションの求職者数の比較
CTO:開発エンジニア     = 1:50
CFO:経理/財務       = 1:30
CPO:PdM/Webディレクター = 1:20
CMO:マーケティング     = 1:45

これくらいの差分があります。
一つ補足をしておくと「有効求人倍率」は重要な要素になり得ますよね。「求職者数」が少なかったとしても「求人数」が少なければ「倍率」に影響はありません。

ただ、「求職者数」も非常に重要です。なぜならばアプローチができる求職者数が少なければ、スカウトメールの重要性も上がりますし、何より採用手法に変化を加えなくてはなりません。
もちろん「チャンス」は少なくなります。求職者が「無限」と考えるのは明らかに誤った捉え方になります。

1-2. スカウトメールの1通の重要性

前項と連動する内容になりますが、アプローチをする求職者数が少なければ、スカウトメール1通の価値も上がっていきます。価値というより重要性と表現したほうが適切かもしれません。

例えば、

・1,000通スカウトメールを送信して
 ・50名から返信をいただいて
  ・40名と1次面接をして
   ・15名と2次面接をして
    ・7名に内定を提示して
    ・3名から入社承諾を受ける

という数の論理が通用しなくなってきます。なぜならば、1,000名も対象求職者が存在しないからです。職種やターゲットにより変動するかと思いますが、「難関ポジション」は採用媒体上でログイン2週間以内の方が100名存在すれば良い方だと思います。仮にスカウト返信率が5%だと仮定すると、5名の方と接点が持てる可能性がある、ということになります。
スカウトメールの送信可能数が1,000なのか100なのか、比較すると価値がご理解いただけるかと思います。そのため、スカウトメールにかける時間も異なります。

1-3. 採用手法

これは難関ポジションと一般ポジションで特別な「考え方」の違いはありません。「考え方」というのは、採用手法選定の仕方です。採用手法選定をする際に重要なのは「ターゲット」です。
※先日下記ブログを参考までに貼り付けておきます。

難関ポジションとは言いつつ、既存の採用ポジションの「難易度が高い層」の募集であることが多く、採用手法がエキセントリックなわけではありません。ただ、難関ポジションについては「年収」が高いことが多いです。ビズリーチやエージェントが適切な場合が多いかなと思います。
そのため「難関ポジションで適切な採用手法は?」という問いについては、そこまで難易度が高い問いではないのです。
(後述しますが、エキセントリックな手法も無くは無いのでご説明します)

1-4. 転職活動の軸

難関ポジションのターゲットとなる方は、年収が1,000万円以上であることが多いです。特にCxOクラスのご経験をすでにお持ちの方は、年収はもちろんですが、自ずと「やりがい」を強く求めます。
「やりがい」というぼんやりした言葉を使ってしまいましたが、少し詳細に説明します。
難関ポジションのターゲットの方が求めている項目は下記の通りです。

- philosophy
- Market
- person
- culture
- product
- profession
- privilege

👆上から「求めている順」になります。
これはポテンシャライトの主観で作成しておりますが、難関ポジションの方は、会社成功にあたり最も重要なことを自分なりに正解を持っているイメージが強いです。
もちろん個々人で価値観の違いがありますので、必ずしもこちらの通り、というわけではありません。ただ、一般ポジションの方と比較して、philosophy/market観点は特に強いと感じておりますので、記載しておきます。


2. 難関ポジションを採用するための順序

では、難関ポジションを採用していくために具体的に取り組むべきこと(順序) を記載していきます。

2-1. ターゲット設定

これは当たり前ですが、ターゲットを設定します。
ただ、ターゲットは一つでなくても問題はありません。例えばCTO募集の場合は、

 - 現CTOの方
 - 現在テックリードでCTOを希望している方
 - 現在VPoEでCTOを希望している方
 - 現在リードエンジニアでCTOを希望している方

などに分類することができます。もちろん現CTOの方のほうが、様々な経験を積んでいるため良いかと思うのですが、現CTOの方だけをターゲットに設定すると、その分採用難易度は上がります。
また、ターゲットを設定すると、そのターゲットに対して適切なメッセージングの設計もできますし、採用手法が異なる場合もあります。面接官も変える必要があるかもしれません。そのため優先度は高いと言えます。

2-2. メッセージング(魅力)

前項に記載しましたが、ターゲットに沿ったメッセージング(魅力)の設計をします。本項を実施せずに採用活動をしても良いのですが、糠に釘を打つことになりかねないためご認識ください。
なぜメッセージングを設計する必要があるのか?言わずもがな、難関ポジションの方は転職の「必然性」を見極めるスキルも高いです。もちろん「情」に訴えかけられて思わず転職をする方もいらっしゃいますが、それは偶発的な事象であると言えます。そのため、ターゲットに沿ったメッセージングをデザインするべきですし、優先度も高いと言えます。

2-3. 採用広報など

「など」と記載しました通り、採用広報のテキスト記事ではなくとも問題ありません。
とにかく、ターゲットに沿ったメッセージングが文章に分かりやすくまとまっていれば良いかと思います。そのため、notionで作成をしている「メッセージング集」でも問題ありません。

ただ、採用広報は最も着手しやすく作成しやすいかと思いますのでお勧めしています。誤解がないように申し上げますと、「よし!採用広報に着手しよう!インタビューだ!執筆だ!よし、できた!」というスピード(ノリ)で作成をしても良いのですが、難関ポジションの方へ適切なメッセージングをしなければならないことを理解して進めましょう。
難関ポジションの方々は社会人としての価値観が形成されています。そして経験値も高いです、そのため「裁量権がありますよ」「会社の立ち上げができますよ」「役員候補ですよ」というチープな魅力では通用しません。本ブログでは具体的な魅力の作り方は割愛しますが、デザインされた採用広報である必要があります。

2-4. 採用手法はビズリーチorエージェントがオススメ

ターゲット設定について前述しましたが、ターゲット次第で採用手法が異なることは一旦度外視して本項の説明を進めます。
ただ、冒頭で記載をした難関ポジションの職種例ですと、ビズリーチかエージェントが筆頭です。これは自信を持って言えるかと思います。なぜならば、ビズリーチは年収層が高い求職者にターゲットを据えて集客をしていた採用媒体であるからです。また、ビズリーチ「以外」に、ビズリーチほど集客に注力をしている採用媒体は無いです(山根の主観です)。もちろん年収層が高い方をターゲットに設定している採用媒体は他にもありますが、その集客にかける資金の桁が異なると認識しています。

また、エージェントはやはりエグゼクティブな方からの登録が多くあります。「採用媒体が増えてエージェントが無くなる時代がくるのでは?」なんて声も以前に聞かれることがありましたが、優秀な方であればあるほど、プロフェッショナルな方(エージェント)に依頼をすることも散見されます。採用媒体にて、自身のキャリアからレコメンドされる求人で人生を決めるイメージはあまりありません。またAIでマッチングした企業情報は拝見するかと思うのですが、誰のアドバイスも聞かずにその企業に転職を決めることもし難いのではないかと。今、記載をした内容は僕の主観が含まれているのですが、そこまでズレていないかと思います。

2-5. スカウトメールの1通の価値は考えた上でのアクションを

前述もしましたが(1-2)、ターゲット数が少ない故、スカウトメール1通の価値が非常に高いです。そのため、すぐにターゲットが枯渇してしまいます。
そのため1通にかける時間、具体的には1to1の文章作成などはきちんとしましょうね、という当たり前の話は一旦置いておいて。
ここで記載したいのは、「再送」の活用方法です。ターゲット数が少ない故、1通をどれだけ大事にしたとしても返信率が2倍になるわけではありません。おそらく頑張って1.5倍程度でしょう(媒体平均率対比)。
ターゲット枯渇が発生すると、「ログイン日数を広げる」「ターゲットをさらに広げる」というアクションはありますが、それはもちろん策としては良いかと思います。

ただ、それよりは「再送」のほうが適切な策だと思います。「再送」の返信率は「1通目」よりは低いことが多いですが、実施したほうが良いです。むしろ返信が期待できるため有効策と言えるでしょう。ちなみに、当社が過去に取引をした企業様は、5通目まで再送を繰り返していたこともありました。そして、4通目、5通目でも返信はあります。

2-6. バイネームでターゲット設定をしてみる

前項までに記載をした内容は、時間が許すのであれば皆さまも思いつくアクションなのではないかと思います(もちろん、これらのアクションが やりたくてもできない、という場合もあるかもしれません)。
本項からは、テクニックとしては活用しやすいかと思いますので、ご覧ください。

「バイネーム」と記載しましたが、「●●株式会社の●●さん」というイメージです。例えば「CPO(Chief Product Officer)」というポジションがあったとしましょう。CPOというポジション自体が社内にある企業とない企業もあるかと思います。ただ、存在はしているのは確かです。そのため、各社のCPOはWebで検索すればある程度はわかります。あまり詳細に記載をしてしまうと、皆さまが在籍している企業のCPOに連絡が舞い込みすぎてしまうかもしれないため割愛しますが、ここでいう「バイネーム」というのは、皆さまが「知らない/面識がない方」でも問題ありません。Webで検索してリストを作ってみましょう。そこそこ良いリストは作れるかと思います。

2-7. バイネームターゲットに連絡してみる

本項も詳細には記載しません。
結論から申し上げると、Linkedinがおすすめです。難関ポジションに該当する方は、Linkedinのアカウントだけでも持っている方が多いです。ちなみにFacebookでも良いのですが、Facebookは見知らぬ方からのメッセージは、別のボックス?に入るため、おそらくスパム扱いと勘違いされます。次いでtwitterでも良いのですが、難関ポジションに該当する方でtwitterを常時みている方はそこまで多くありません。Webマーケティング業界の方は別かもしれませんが、そう考えるとLinkedinが理想かと思います。

また、ここまで読んでいただいた方はイメージできたかもしれませんが、「連絡の仕方」が重要です。自らご連絡をしても良いのですが、人事アカウントから連絡をしてもそこまで良い反応が期待できません。であれば社長さまや現職のCxOクラスからご連絡をしていただいたほうが良い反応が期待できます。理由は皆さんご理解いただけるかと思います。
次に、社長さまや現職のCxOクラスの方からご連絡をしていただいても良いのですが、それよりも確度が高い手法としては「共通の友達」です。信頼できる共通の友達がいた場合は、その友達に頭を下げてご連絡をしていただくのもテクニックとしてはあります。

2-8. どのように接点を持つのか?

一般ポジションであれば「カジュアル面談」が筆頭かもしれないのですが、難関ポジションの場合、且つ前項までに記載をしたアクションをした場合は、「カジュアル面談」よりも確度が低い面談を実施した方が良いです。なぜならば、難関ポジションのターゲットに該当している方で、転職活動をアクティブにしている方はほぼいません。このクラスは意図的に転職活動をする、というよりはリファラル採用などで常時他社さまから連絡がきている方になりますので、転職意欲がアクティブになる前に転職が決まってしまうことが多いです。
何が言いたいかというと、「カジュアルにお話させてください」ではなくて、さまざまな手法があることをご紹介しておきます。本ブログではその手法を羅列にてご紹介しますね。

1.会食
 - 代表との会食
 - CxOクラスとの会食
 - マネージャー/部長クラスとの会食
 - メンバーとの会食
2.お茶(ランチ含む)
 - 代表とのお茶
 - CxOクラスとのお茶
 - マネージャー/部長クラスとのお茶
 - メンバーとのお茶
3.社内の定例会に呼んでみる
 - 社内で週次/月次で実施してる定例会に来ていただく
4.ウェビナーの共催
 - 一緒にウェビナー実施しませんか?
5.勉強会の共催
 - 一緒に勉強会を実施しませんか?
 - 御社の社員の方もご参加どうですか?
6.自社ウェビナーへお誘い
 - 自社(採用企業側)のウェビナーを誘ってみる
7.キャリア相談
 - キャリア相談する機会もないかと思うので、当社CxOクラスに相談いかがでしょうか?
8.採用説明会への参加
 - 別の候補者向けの採用説明会を耳だけでも聞きませんか?

書くとキリがないのですが、一旦主要な手法を記載いたしました。
ここで一つ覚えておいていただきたいことがあるのですが、難関ポジションの採用活動をする際に、

「接点を持つ」

ことを目的にした1st アクションがお勧めです。
一般ポジションでは「カジュアル面談数」にKPIを置く企業様も多いかと思うのですが、難関ポジションの方は転職意欲がほぼ無く、カジュアル面談という言葉でお誘いしても、お断りされてしまうことも多いです。
そのため、転職意欲がゼロだったとしても「接点」を持てただけでも良いとしましょう。むしろ「接点」を持てたとしたら、その後もアクションが変わってきます。その点を人事チームや採用活動に携わる方にも理解してもらう必要があります。「すぐに採用ができる」と思い込んでいたら、採用活動を誤解している可能性が高いです。

2-9. 追いかけ連絡の頻度

追いかけ連絡とは、繰り返し連絡をすることです。
そして、その頻度も重要です。前述した通り難関ポジションの方は転職意欲が高いことが少ないです。いや、「常時ある」とも言えるかもしれないのですが、一般ポジションのように転職活動の期間を明確に取る、というよりは「良い企業があれば」という尺度のほうが圧倒的に大きい、とご認識いただいても良いかもしれません。そのため、仮に御社がターゲット候補者に連絡をしたときに「すみません、今転職意欲がなく…」と返信がきたとしても、追いかけ連絡をすることによって、転職意欲が偶発的に上がっている可能性もあります。ただ、追いかけ連絡をするとしても「頻度」が重要ですよね。皆さまの潜在意識として「連絡しすぎても鬱陶しく思われてしまう」があるかと思います。

では、追いかけ連絡をする「頻度」はどの程度の期間が適切なのか?ポテンシャライトとしては「3ヶ月」が良いと思っています。が、これは感覚的に期間を設定しています。ただ、根拠はいくつかあります。
一つは、3ヶ月に1回くらいのペースで仕事に対するモチベーションに少なからず変化があること。上がったり下がったりしますよね、3ヶ月間で一切モチベーションが上下しない方は少ないのではないでしょうか?
もう一つは、3ヶ月ごとに目標設定をすることが多いこと、昨今のスピーディーな市場変化に合わせて、6ヶ月、1年での目標設定をして一切 戦略/戦術を変えない企業のほうが少ないのではないでしょうか?当社も3ヶ月に1度は方針説明を社員向けに実施しているのですが、その方針によって感じる部分はあるのではないかと思っています。

ちなみに、ある企業様は3ヶ月に1度のタイミングでリファラルリストに入っている候補者に(ほぼ)必ず連絡をするようにしているようです。「いや、連絡しすぎかな…」ということはそこまで考えずに、連絡をしている企業がある、という話は聞いたことがあります。

2-10. 追いかけ連絡をするネタ

皆さまおそらく「いや、けど3ヶ月に1度連絡をすると仮定した際に、連絡ネタがないかと思うのですが」という問いが発生するのではないでしょうか?その通りだと思います。
そのため、いずれか強引にでもネタがあると良いですよね。ネタ候補をいくつかご紹介します。

・最近リリースしたブログのご紹介
・直近で実施するウェビナーのご紹介
・代表のブログリリース
・●●さん(採用企業側)が、▲▲さん(候補者側)とキャリア的にマッチしているから少し話をしてみませんか?
・▲▲さん(候補者側)、◯◯(食べ物)が好きと言っていたので、今度ご飯でもどうですか?

などでしょうか。
ただ、いくらでもお誘いの仕方はあるかと思うので、これは皆さまが得意な手法を取り入れていただければと思います。

2-11. SNSと繋がっておくことはお勧め

これは番外編的な内容になりますが、難関ポジションの方は長期的に繋がっておく必要があります。
そのため、ローカルメールなどでの連絡ですと見落とす可能性もありますし、潜在的に自社を意識していただくことも難しいです。そのため初回接点の際に可能であればSNSで繋がっておくと良いかと思います。
TwitterでもFacebookでもInstagramでも良いかと思います。何かしら繋がっておいて、且つ皆さまから自社の情報発信があればあるほど、候補者さま側に意識をしていただくことができます。発信が多すぎると少々鬱陶しいかと思うのですが、SNSの情報の波に飲まれていない方はいないかと思いますので、皆さまからの発信数は許容範囲でしょう。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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