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採用手法選定で重要なのは 募集「職種」ではなく「ターゲット」である

「エンジニア採用であればどの媒体が良いですかね?」

という類のご質問をいただくことがあります。

結論としては、その粒度の内容ですと正確に回答することが難しいです。
なぜならば、「採用手法」の選定をするためには「(募集)職種」ではなく、「ターゲット」を明瞭にしなければならないからです。
本ブログでは、「職種」ではなく「ターゲット」を明瞭にしなければ、正確な「採用手法選定」ができないことについて説明していきたいと思います。



1. 2000年代はそんなことはなかった

「そんなことはなかった」というのは、募集する「職種」に対して「採用手法」を細かく選別していたかというと、そんなことはなかった、という意味です。

エージェントは、リクルートキャリア様がダントツで強く、次いで、インテリジェンス(現 パーソルキャリア)様がどの職種も強かった印象があります。また、職種に特化した人材企業がまだ生まれていなかったことも背景の1つかもしれません。そのため、当時は「職種」は関係なく、とりあえずリクルート様/インテリジェンス様に依頼をすれば採用活動が前に進む、そんな時代だったかと思います。


2. 2010年代で大きく潮目が変わった

リーマンショックを終えた頃から、IT/Web業界が一気に成長速度を上げました。その他の業界/職種においても、成長速度が速い領域がちらほら発生していました。
人材業において、成長速度の速い領域に「特化」した人材企業が生まれるのは当たり前のことです。その頃から、「この職種であれば、この採用媒体/エージェントを使う」というトレンドが訪れていました。
ただ、本ブログの冒頭に記載したのですが、「職種」を聞いただけで「採用手法」を決めることができたかというと、正確な判断ができない時代に入ってきました。


3. 2020年に職種の細分化、ターゲットの細分化が始まる

2010年代に採用ニーズが高騰した職種においては、その職種の人口も徐々に増えていきました。また、職種の歴史が長くなるにつれて「ターゲット」の多様化も起こっていました。

例えば、バックエンドエンジニアを採用する場合、

 (1)SIerでJavaを用いた開発エンジニア経験
 (2)SIerでC,C++を用いた開発エンジニア経験
 (3)Web領域でPHPを用いた開発エンジニア経験
 (4)Web領域でTypeScriptを用いた開発エンジニア経験

この4つのターゲットにおいて適切な採用手法はすべて異なります。エンジニア採用にお詳しい方であれば、この4つの違いはなんとなくご理解いただけるかと思うのですが、この4つのターゲットにおいて、それぞれ適切な採用手法をパーフェクトに回答できる方はそこまで多くないかもしれません。

せっかくですので、この4つのターゲットにおける適切な採用手法をご紹介すると、

(1)SIerでJavaを用いた開発エンジニア経験
 - エージェント
 - Green
 - ビズリーチ
(2)SIerでC,C++を用いた開発エンジニア経験
 - エージェント
 - Green
 - type
(3)Web領域でPHPを用いた開発エンジニア経験
 - Green
 - エージェント
(4)Web領域でTypeScriptを用いた開発エンジニア経験
 - Forkwell
 - Findy
 - 転職ドラフト

あくまで当社側の所感で記載していますが、こんな感じかと思います。
この4つのターゲットは業界とプログラミング言語にて分類しましたが、「年齢」での分類もできますよね。例えば、

(5)SIerでJavaを用いた開発エンジニア経験がある40代の方
(6)SIerでC,C++を用いた開発エンジニア経験がある20代の方
(7)Web領域でPHPを用いた開発エンジニア経験がある30代の方
(8)Web領域でTypeScriptを用いた開発エンジニア経験がある50代の方

このターゲット分類においては、適切な採用手法がまた異なってきます。
何が言いたいかというと「職種」を聞いただけでは適切な採用手法を選別することは難しく、「ターゲット」を詳しく聞いて初めて、適切な採用手法の選別ができるのです。

下記の図をご覧ください。

こちらは「プログラミング言語」×「年齢」でどの採用手法がワークするのかを表現した表になります。繰り返しになりますが、同じ「エンジニア」という職種においても、プログラミング言語と年齢という2つの変数を入れた場合に、適切な採用手法がここまで変わるのです。


4. 採用手法選定はとにかくターゲットの明瞭化を

繰り返し同じことを申し上げてしまい恐縮ですが、とにかく「ターゲットの明瞭化」は大事です。
ただ、誤解がないように申し上げると、ターゲットは1つでなくても構いません。

1つの募集求人に対して、3つ程度あると良いかと思います。その3つのターゲットに対して採用手法の選定をすることができます。

 ・ハイレイヤーなポジションだからエージェントで
 ・エンジニア採用だからForkwellで
 ・デザイナー採用だからクリーク・アンド・リバーで
 ・営業採用だからリクルートキャリアへ
 ・20代の採用だから20代に特化したエージェントで

↑こちらの文章は正確性に欠ける部分がありますが、よりターゲットを明瞭にしなければならない、ということを改めて認識していただけますと幸いです。

・ハイレイヤーなポジションだからエージェントで
 - ビジネスサイドのハイレイヤーポジションであれば確かにエージェントが筆頭
 - ただ、エンジニア/デザイナーの類はエージェントに登録があまり無い
 - そのため、Linkedinなどでダイレクトアプローチをしたほうが生産性が高い
 - ちなみにSIerやソフトウェアパッケージベンダー出身の方であればエージェントは良いかもしれない
 - ただ、Webサービス/プロダクト出身の方はそうではない

・エンジニア採用だからForkwellで
 - まず業界が重要。SIer出身の方はエージェントが筆頭。次にGreen、ビズリーチ
 - Webサービス/プロダクト出身であればForkwellが筆頭の採用手法の一つ。
 - ただ言語による。Java/PHPであればGreenでいける。エージェントもワークする。
 - Go/TypeScriptなどモダンな言語である場合はForkwellは筆頭になる。

・デザイナー採用だからクリーク・アンド・リバーで
 - デザイナーの種類による
 - グラフィックデザイナーであればクリーク・アンド・リバーは良いイメージ
 - Webデザイナーも良いかと思う
 - ただ、Webデザイナーでも制作会社出身は強いが、事業会社出身の方は別エージェントのほうが登録が多いイメージ
 - またUXデザイナーであればビズリーチ、UIデザイナーであればWantedly
 - 一口にデザイナーといっても採用手法が異なる。

・営業採用だからリクルートキャリアへ
 - 営業職採用においても、出身業界、営業先などによってリクルートキャリアにお任せするかは判断できる
 - 仮にSaaS企業でエンタープライズセールス経験が採用ターゲットであれば別エージェントのほうが良い
 - 一方でBtoCの販売営業経験であれば、また別のエージェントが良い

・20代の採用だから20代に特化したエージェントで
 - 20代で職種未経験採用であればWantedlyがワークすることが多い
 - また、そこまで経験を求めない場合はTwitter採用も視野に入れる
 - さらに若手の採用、Z世代の採用であればInstagramも視野に入れる

など、ここまで細分化できるのです。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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