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「リクルートバリュープロポジション」という採用活動における魅力設計を突き詰めた結果生まれた概念について

「創業からHRトレンドブログ公開数400本間近!2022年カウントダウンブログリレー」

という企画を12/1からスタートしております!(つまり今日ですね)

そして、今回は第一弾となります。当社ごとですが、会社として出したブログ公開数が2022年11月末時点で380本!12月は毎日(営業日)ブログを公開するとちょうど400本に到達する!ということで多くのメンバーが参加するブログリレーを実施することにいたしました。

スケジュールはこちらとなります👇

では、ご覧ください!


「採用活動における自社の魅力を突き詰めると、この3つの項目におけるこの箇所が最も重要であることがわかる」

少し抽象度が高い表現になってしまいましたが、2022年師走に入ろうとしているところ、個人的にはすごく大きな発見で、且つ自分の中で言語化できていないことが明瞭になりました。

先日、当社メンバーから下記ブログをリリースしました。

上記ブログは頭の中を整理しながら執筆していたので、長文の内容になってしまいましたが、内容を端的に整理すると「採用活動における自社の魅力は3Cを用いると整理できる」という内容です。

ただ「整理できる」という表現にとどまってしまっており、具体的にどのような手法で、且つどこが最も当社における魅力のホットスポットなのかについての言及はしておりませんでした。

本ブログでは「リクルートバリュープロポジション」という概念の説明をしながら、具体的にこのリクルートバリュープロポジションの設計についても説明したいと思っています。


0. リクルートバリュープロポジションとは?

リクルートバリュープロポジションとは
3Cの概念をもとに抽出した、自社独自の採用活動における魅力

プロダクト/サービス/製品を開発したことがある方は馴染みがあるかもしれませんが、「バリュープロポジション」という言葉をご存知の方もいらっしゃるかと思います。特に昨今の採用市場においてはSaaS企業が数多く立ち上がっているため、各社が自社のバリュープロポジションを見つけるために日々奮闘していらっしゃるかと思います。

少し具体的にリクルートバリュープロポジションを説明して参ります。

リクルートバリュープロポジション

詳細には次項にて説明したいと思うのですが、上記の3つの「円」をご覧いただければと思います。

自社が打ち出せる魅力
候補者が望んでいる魅力
競合が打ち出している魅力

この3つにこだわることによって、本質的な御社の魅力を候補者様に提供することができます。詳しく説明して参ります。

※ちなみにヒントをいただいたのは、こちらのブログでした。ありがとうございます!


1. 自社が打ち出せる魅力(company)

「ウチの会社の採用活動における魅力はなんだろう…」

と採用に関わるメンバーで議論をすることもあるのではないかと思います。この類のディスカッションをする際に「自社」が主語になるかと思います。

具体的には、下記のようなイメージです。

「自社は働きやすいのか」
「自社はミッション/ビジョンが魅力的なのか」
「自社はプロダクトに魅力があるのか」
「自社は在籍しているメンバーが魅力的なのか」
「自社はカルチャーが優れているのか」

という類のディスカッションを社内で実施して、自社の魅力を文言化していくことが多いです。この作業をしたことがある方はご理解いただけるかと思いますが、「自社の魅力は何か」と言われると、たくさん思いつく方はそう多くいらっしゃいません。そのため、この自社の魅力設計においてつまずく企業様がほとんどのイメージを持っています。もちろん、複数個 自社の魅力を文言化する企業様もいらっしゃいますが、「果たして文言化したこの魅力は魅力と言えるのか?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ちなみに当社では「採用ブランディング」というサービスを実施しており、これはお客様の採用活動における魅力の「発掘」「言語化」「整理」を行うサービスになります。第三者として採用企業をヒアリングさせていただくと、他の企業様との違いも意識しながら、魅力を抽出しやすい立場にいると考えています。

話を戻すと、1つ目の「自社が打ち出せる魅力」については重要であり、そして「自社」が主語であることをご理解いただければと思います。

ちなみに当社ポテンシャライトの魅力の一部を記載します。

ポテンシャライトの魅力の一部(philosophy)


2. 候補者が望んでいる魅力(customer)

「自社で文言化した魅力はあるけれども、これは採用をしたい候補者に響くのだろうか…」

そんな類の課題が発生しておりました。
つまり前項で説明をいたしました「自社が打ち出せる魅力」のみの場合、自己満足に過ぎないのではないか、こんな課題です。

誤解がないように申し上げると、自社が信念を持って発信する魅力は非常に重要です。本ブログでは説明を割愛いたしますが、必要以上に「候補者さまがどう思っているのか」を意識しすぎると、自社の特徴(信念)を見失うことがあります。そのため、自社はどうしたいのか/何を発信したいのかという軸は重要ではありつつ、

ただ、自社が打ち出せる魅力が「採用したい候補者さまのニーズに一切マッチしなかった」この場合は非常にもったいないです。

話を戻します。
「候補者さまが望んでいる魅力」とは何か。抽象度の高い説明をすると、「候補者さまのインサイトを突く魅力」です。候補者さま=転職活動している方/転職活動を検討している方/転職活動をする上で情報収集をしている方、などが該当しますが、いずれにしても「良い企業様があれば転職しようかな」という動機があるのではないかと思います。

では、「良い企業」とは何か。
シンプルな表現をすると「自分の希望にマッチしている企業」です。ただ、自分の希望にマッチしている企業は世の中に多数存在するのではないでしょうか。もちろんその希望の粒度次第かと思うのですが、業界と職種と会社の規模感の3つの希望があった場合、その希望にマッチする企業は多数存在するかと思います。
ここで非常に大事なのは、「候補者さまが自分では気づいていない潜在的なニーズ」を突くことです。すなわちこれを「インサイト」と呼んでいます。

本ブログの話を進める上で大事な概念になるため、インサイトの説明をもう少しします。インサイトの類似ワードとして「顕在的なニーズ」「潜在的なニーズ」があります。事例を用いて説明します。

顕在的なニーズ
「今日はラーメンが食べたいなぁ、行こう」
これは口に出して言っていること、そして既にアクションを起こしていることもあります。

潜在的なニーズ
(今日のお昼はラーメンかカレーか、マクドナルドもいいなぁ、どうしようかなぁ)
これは心の中で思っていること、迷っていることです。顕在化されたニーズよりもやや弱いニーズになりますが、心の中では存在しているニーズのため、潜在的なニーズと言えます。

インサイト
Aさん 「今日のお昼はラーメンかカレーがいいなぁ、ただそれよりも良いものないかなぁ」
Bさん 「オムライスはどう?」
Aさん 「うわ!麺とご飯で迷ってたんだけれども、両方とも少し重いと思ってたんだよね。オムライス、なんかちょうどいいわ!」

上記の会話において、BさんはAさんの「インサイト」を突いたと僕は定義しています。Aさんはオムライスという選択肢はなかったけれども、Bさんの提案によってAさんの「心の中で隠れていた心理」がくすぐられて、結果的にオムライスが良いとなったパターンです。

本項における「候補者が望んでいる魅力」というのは、上記における「顕在的なニーズ」「潜在的なニーズ」「インサイト」のすべての項目を指します。ただ、重要なのは顕在的なニーズと潜在的なニーズはある程度すぐに予想がついてしまうことです。事例を用いて説明します。

顕在的なニーズ
「SaaS企業に行きたい」
「できれば、衣食住に関わる業界が良いかな」

潜在的なニーズ
(できれば働きやすい、待遇が良い会社が良いな)
(できればサバサバしたカルチャーの企業がいいな)

こんな感じでしょうか。
顕在的なニーズと潜在的なニーズの違いを細かく言及することに特に大きな意味はありません。なぜならば、口に出している/実際にアクションを起こしているのか、心の中で思っているのかの違いに過ぎないからです。やはり重要なのはインサイトです。インサイトは、自分では気づけていない心の中に隠れた心理です。そのため、他の方から言われて「あ、そうかもしれない」と気づくことをインサイトといいます。
インサイトは、ペルソナを狭く設定すればするほど明瞭に表現することができます。例えば、「エンジニア」という粒度の場合、インサイトは限定できません。一方で「Web系のベンチャー企業で勤めているサーバーサイドエンジニア」というペルソナがあった場合、インサイトはさらに限定することができます。

話が少し逸れてしまいました。

「候補者さまが望んでいる魅力」は、即ちインサイトを知っているかどうかが重要です。インサイトを事前に分かっていれば、前項の「自社が打ち出せる魅力」の被さる部分が最も有効的である魅力と言えます。

「自社が打ち出せる魅力」と「候補者が望んでいる魅力」の被さる箇所


ちなみに、当社では「TIM設計」というサービスがあります。

T : target
I  : insight
M:messaging

こちらの頭文字を並べて作成した造語です。
前述した通り、「ターゲット」を狭めれば狭めるほど「インサイト」は明瞭にできます。職種ごとにターゲットを定めると「インサイト」を明瞭にすることができ、そのインサイトを凌駕する「メッセージング(魅力)」を作成するイメージです。サービスについて詳しくは下記をご覧ください。

ちなみに「ターゲット」というのは、各職種において3通りくらいずつ設定することが多いです。たとえばサーバーサイドエンジニアであれば、SIer出身のエンジニア、Web系ベンチャー出身のエンジニア、Web系大手出身のエンジニアなど、この3つのターゲットに対して、インサイトはそれぞれ存在します。そうすると自動的にメッセージを作成できます。

ちなみにセールス職におけるターゲット別インサイトの事例を記載します。

1. SaaSで営業経験がある方
 - 致し方ない事は理解しているが、自社がザモデルも適用しており、IS/FS/CSを分類することはもちろんそれぞれの部署においても細かくチームを分けており、かなり限定的な仕事しかできなくなっている。
 - VCからの出資があり、会社の戦略や思想が、VCからの意見を反映させることが多い。会社としての意思を強く感じることができず、営業として何とも言えない気持ちになっている。

2. 大手SIer/大手ソフトウェア業界において営業経験がある方
 - ソリューション営業のため、顧客のニーズにマッチした商材の選定はできるが、商材を「育てる」ことに直接的に寄与する事はできないため、悶々としている。
 - 官僚的な/固いカルチャーのため、新しい提案をしてもなかなか受け入れられない。この環境下で最良な提案をすることを一生続けることを考えると、やや億劫になってきている。

3. (20代の方) 法人営業経験がある方(IT業界経験は不問)
 - 自社の商材ではなく代理店としての販売のため、商材自体の開発/改善ができない
 - これまで営業職としてパワー勝負をしてきたが、もう少しクリエイティブな営業がしたい


3. 競合が打ち出している魅力(competitor)

「採用活動において、〇〇という打ち出し方はほとんどの会社がしているな」

そう感じたことはありませんか?
採用活動において、どんなに良い魅力を設計できたとしても、世の中にあるすべての会社が同じ打ち出し方をしていけば効果が限りなく下がります。

例えば、2017年頃だったと思うのですが、タピオカが突然流行り始めました。遠方からタピオカジュースを買うために足を運び、行列を作っていたことを今でも覚えています。ただ、2年程度経過するとタピオカ屋が乱立してしまいユーザにとっては希少価値が激減しました。そうなるとお客様は各タピオカ屋に散らばってしまい、1店舗あたりの客数も激減したのではないかと思います。何より希少価値も低くなってきたため、「そもそもタピオカって貴重なのか?」と考えたお客様が行かなくなってしまったことも考えられます。

話を戻します。
競合が打ち出している魅力を把握できると、自社が打ち出す魅力に濃淡をつけることができます。

 - 競合と重複「している」魅力はとりあえず出す
 - 競合と重複「していない」魅力は必ず出す

ここで濃淡をつけることができれば、うまくPRをすることができるかと思います。競合と同じ魅力をいくら打ち出したとしても効果が薄いことはご理解いただけるかと思います。

ちなみに、エンジニア採用における競合調査をした結果の一部を下記いたします。

エンジニア採用における競合調査の結果


4. (改) リクルートバリュープロポジションとは

しつこいですが、改めてリクルートバリュープロポジションの魅力をお伝えしますと、

リクルートバリュープロポジションとは
3Cの概念をもとに抽出した、自社独自の採用活動における魅力

先に結論を申し上げます。下記 図の青い箇所をご覧ください。

リクルートバリュープロポジション

こちらの青い箇所が「リクルートバリュープロポジション」です。リクルートバリュープロポジションを言い換えると、

(改) リクルートバリュープロポジションとは
自社が打ち出せ、候補者が望んでおり、且つ競合が打ち出すことができない採用活動における魅力


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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