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とりあえずスカウトを開始するのか?魅力設計をするのか?の解について

「採用が急務なので、すぐにでもスカウトを送ってください」

というご要望をいただくことがあります。これは率直なご要望だと思います。どの企業様もすぐにでも採用をしたい、と思っていらっしゃるかなと。
ただ、「すぐにスカウトを送る」というのは、一つの前提条件を満たしていないと賛成できません。その前提条件に加え、大事だと思うことを本ブログでご紹介したいと思います。



1. それだとスカウトは返ってきませんよ?

「ポテンシャライトさんにスカウトを任せれば、返信率はすぐに上がるでしょ」
と仰っていただくことがあるのですが、スカウト返信はあらゆる変数の結果ですので、当社が支援に入って必ず良くなるというわけではありません。

本ブログでメインテーマの一つにしたいのは「魅力」について。
端的に申し上げると、ポジションの「ターゲット」が抱える「インサイト(モヤモヤ)」を突けるような「メッセージ(魅力)」を設計できているのかが重要です。

 1-1. メルカリのエンジニアを採用してください、と言われた話

「当社はまだアーリーフェーズですので、即戦力の方が良いです。例えばメルカリのエンジニア。そうだ!メルカリのエンジニアを採用してください!」

と言われたことがあります。
採用企業様側に要望を唱える権利があるため、特に否定はありません。

ただ、

「メルカリのエンジニアが御社を選ぶ理由(必然性/魅力)があるのか?」

これが非常に重要です。
この理由がなければ採用する事はほぼ難しいでしょうし、当社としても支援する前にきちんとお伝えするようにしています。

 1-2. 逆の立場になってみる

本ブログをご覧いただいている方に対して質問です。

「ご自身が転職するとして、キャリアダウンする選択肢を積極的に選ぼうとしますでしょうか?」

何をもってキャリアダウンなのかは本ブログでは割愛しますが、転職活動は「課題解決」をするために実施されます。現職で感じていたモヤモヤを解決すべく、次の会社を選ぶことが普通です。
その課題解決をするために、皆さまはどのような会社を選択するのか?そしてその選ばれる側の会社に御社は入っているのか?そんな自問自答が重要です。


2. 先立ってスカウトを送ることに対しての是非

本ブログの冒頭にも記載いたしましたが、「先立って、取り急ぎスカウトメールを送る」というアクションについでの是非は、「対象職種/必須要件」が重要である、とお伝えしておきます。

当社ポテンシャライトに採用支援依頼をいただく企業様の大半は、ITに纏わる企業様です。IT業界は、有効求人倍率が高く、特にエンジニア採用については満足のいく結果を出している企業様はほとんどいらっしゃらないかと思います。エンジニアのみならず、UI/UXデザイナーや、エンタープライズセールス、PdMなど採用難易度が非常に高いポジションが盛りだくさんです。

「採用難易度が高い」と表現いたしましたが、その場合「スカウト対象となる求職者さまの数が少ない」、これを深く理解しておかなくてはなりません。
例えば、年収800万円程度のリードエンジニアを採用したい場合、Wantedlyであればスカウト送信ができる人数は150名ほどが目安になります(あくまでも主観で記載しておりますのでご了承ください)。この目安については、Wantedly上で「転職意向がある」にチェックをつけている方、つまりただ登録をしているだけでスカウト返信が見込めない方は除外した件数になります。

話を戻します。
「先立って、取り急ぎスカウトメールを送る」というアクションについては、前述したWantedlyのリードエンジニアクラスにおいては、控えていただきたいアクションです。難易度が高いポジションであればあるほど、求職者さまの数は「有限」だとご理解いただければ幸いです。


3.「スカウトメールをお送りできる対象者がいません」という話

当社が採用支援に入らさせていただく際に、各媒体における「枯渇状況」を必ず聞くようにしております。「枯渇」とは、スカウト対象職種の必須要件にマッチした候補者さまが媒体に存在していないことを指します。もう少し補足をすると、「Hotな求職者さま」と当社では表現しますが、直近で、媒体にログインをしている、スカウト返信可能性がある候補者さま、という前提であることをご理解ください。

話を戻して、
当社が支援に入らせていただく際に、対象となる媒体において、ほぼスカウト送信をしきっていることがあります。さらに、ログイン後1ヵ月、ログイン後2ヶ月など、直近ログインをしていない候補者さまに対してもスカウトを乱発されてしまっている場合もあります。この状態の場合、支援することはもちろん可能ですが、すでにデータベースの大半を触られている中でのスカウト活動になりますので、当社の動き方もガラッと変えざるを得ない形になります。


4. では、どうすれば良いのか?

繰り返しになりますが、本ブログのメインテーマは、

「先立ってスカウトメールを送るのか?魅力を明文化してから送るのか?」

です。
そのテーマの中で「対象職種の必須要件」「データベース内の候補者さまの人数」などが重要であることをお伝えいたしました。
「で、どうすれば良いの?」
というご質問をいただいてしまいそうなのですが、下記を検討いただけると幸いです。

 4-1. 求める人物像が御社を選ぶ必然性を考える

まずはこれからスタートです。
おそらく多くの方が採用活動を実施する際に、「自社」が採用したい人物像を念頭に必須要件の設定をするかと思います。これは全く問題ないのですが、皆さまが設定した必須要件に当てはまる方が、御社を選ぶ必然性はあるのか?これを自問自答してみてください。その答えがゼロである場合は、採用することがほぼ難しいでしょう。1つだけあったとしても厳しい戦い、2つでも少ない、3つ以上あれば転職する必然性になり得る可能性があります。

必然性とは、何を切り口に設定すれば良いのか?という問いについては、当社が定義している魅力項目である「6P+SCMGODB」に沿って考えてみていただいても良いかと思います。

 

 4-2.「職種」ごとの魅力を設計する

「御社」で働く魅力と、「御社の〇〇職」で働く魅力とは、角度が異なるはずです。前者については「職種横断の魅力」と当社では呼んでおりますが、御社に存在するありとあらゆる職種に共通した魅力です。そのため「汎用性」はありますが、スカウトメールの対象職種に対してドンピシャで響く魅力ではないことも多いです。
そのため、「御社の〇〇職」で働く魅力を設計するのは、割と必須なアクションです。職種に絞った魅力については当社のノウハウであるTIMが活用できると思います。

 

 4-3.「ターゲット」ごとの魅力を設計する

前項では「職種」の話をしましたが、その募集職種に対して、幾つかの「ターゲット」が存在しているかと思います。

例えば、「営業職」のポジションにおいては、

 - 人材業界で営業経験がある方
 - BtoCの営業経験がある方
 - 不動産業界で営業経験がある方

この3つのターゲットが存在していた場合、それぞれのターゲットに対しての適切な魅力は異なるはずです。なぜならば、これまでの経験内容も異なりますし、転職動機も異なるからです。
そのため、同じ「募集職種」であっても、「ターゲット」が異なるのであれば、異なる魅力になるわけです。ここまで拘ることができていると成果が出ることも多くなります。

 4-4.「事実」ではなく「魅力」であること

これは採用市場でよく発生していることですが、皆さまが「魅力」として発信している内容は「事実」に過ぎないことがあります。
「魅力」は、「事実に希少価値観点を加えた事象」です。そのため、御社が発信している魅力に希少価値観点がなかったり、他企業様が同じような打ち出しをしていては、それは魅力ではなく「事実」になります。そのため、前述をした「職種」や「ターゲット」にカスタマイズした魅力を作成したと思っていたとしても、それが「事実」に過ぎないようであれば、効果が薄いことをご理解ください。

 4-5. その「魅力」の「重要性」を説く

仮に「魅力」の作成ができたとして、そこには1つ落とし穴があります。
目の前にいる候補者さまが、「その魅力自体に興味が薄い」可能性があります。「興味が薄い」と記載してしまいましたが、その候補者さまにとって、その魅力の「重要度」が高くないこともあり得ます。

少し話が飛躍しますが、候補者さまが転職活動で重要視する項目は、その候補者さまが人生において経験/蓄積してきた価値観が起因しています。そのため、目の前にいる候補者さまが、御社が最も自信のある「魅力」に響いてくださるかというと、イコールではありません。これは致し方なく発生する事象です。
そのため、御社が発信する「魅力」が「あなたにとって重要であること」を発信する必要があります。その発信ができるようであれば、候補者さまにとって魅力が伝わりやすくなります。これはテクニックとして覚えておいていただければと思います。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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