380社のHR支援に入ってわかった 人事組織設計に取り組む「前」に必要なこと
「あれ、いくら人事組織系の業務に取り組んでも、会社は良くならないこともあり得るのではないか?」
こんなことをここ最近感じています。
誤解がないように申し上げると、人事組織系業務が悪いと言うわけでは一切ありません。むしろものすごく重要であり、間違いなく取り組むべきです。ただ、人事組織系業務に取り組むよりも重要なこと、言い換えると人事組織系業務に取り組む「前」に重要なことがあると個人的に思っています。
これがなければ、むしろ様々な「思想」や「制度」は、最大限の効果を発揮することが難しくなると感じています。その正体とは何なのか?個人的にはVUCAの時代においてマストで必要なことであると感じています。
では、ご覧ください!
0. 人事組織系業務とは
当社ポテンシャライトでは下記のように分類しています。
👆こちらは「採用/人事全般」の業務の流れだとご理解ください。
👆こちらは「採用マーケティング」「採用実務」「人事組織業務」で分類をしています。これは当社ポテンシャライトが人事組織系業務を分類して、優先順位順に並べた項目になります。過去にこんなブログを執筆しました。
「採用活動」と「人事組織系業務」を1本の線に繋ごう、という発信をしております。これについては今でもそう思っており、「採用」と「人事組織」の担当が分断されてしまい、入り口から出口まで1本の線につなぐことができていない企業がほとんどなのではないかと思います。当社ポテンシャライトでは、本項に記載した項目については、すべて支援内容として揃っておりまして、あらゆる支援をさせていただきました。
1. 人事組織系業務でカバーができないこと
いくらミッション/ビジョンを設計/浸透させても、
いくらバリュー/カルチャーを設計/浸透させても、
いくら入社オンボーディングに時間をかけても、
いくらマネージメント育成/研修を実施しても、
いくら人事制度を整えたとしても、
いくら福利厚生を充実させたとしても、
それでも尚、解決しない問題が存在していると感じています。これは「確実にそうであろう」と言うよりは「概ねそうであろう」という温度感として今の僕は感じています。
少し遠回りをして説明をして参ります。
1-1. カバーできないと思った背景
会社が成長するにあたり「組織作り」は非常に重要です。前項で記載した内容をパーフェクトに実施するためには、多大なる時間をかけなくてはなりませんが、設計することはもちろん可能です。ただ、いくら良い思想を掲げて、いくら良い制度を構築したとしても、就業満足度がマックスまで上がることはほぼありません。そして、お客様や自社における「退職理由」を聞いてみると、表層的な理由は存在するのですが、話を深掘りしてみると、ものすごく複雑に絡み合った退職に至った背景が存在してることを理解することもできます。
そして、そのほとんどが「誤解」が発端になっていたり、「事実」と「解釈」の差分が生んだ「勘違い」であったりすることもよく耳にします。「きちんと双方において、面と向かって、真っ正面で話し合っていたとしたら結論が変わっていた。」そんな事象もよく耳にしますし、僕も数多く体験しています。(ちなみに、誤解がないように申し上げると、本ブログの結論は「面と向かって真っ正面で会話しようぜ!」と言う精神的な話ではありません)。
どんなに良い思想を掲げても、どんなに良い制度を設計したとしても、「誤解」や「勘違い」はほぼ100%発生しますし、本ブログをご覧いただいている経営者の方々や、取締役/役員の方々、マネージャー以上の方々からすると、「誤解や勘違いは無いように、メンバーから相談をしてほしい」と思っていらっしゃるかもしれないのですが、僕ら(僕は経営者なので、僕らと呼びます)も、その「誤解」や「勘違い」をします。役職が高ければ「誤解」や「勘違い」が生まれないわけでは一切ありません。この理由は後述しますが、成人の発達段階が起因していたりします。
1-2. 同じ「事実」を見ているのに「解釈」が人それぞれ異なること
最近この類の発信を増やしていますが、僕としては直近で学んだことの中で最も大きな気づきでした。むしろこれを理解できないと仕事に限らず、プライベートにおいてもコミュニケーションが100%な状態で交わることは一生ないかと思います。なぜならば、僕ら人間は同じ「事実」を見ているのにもかかわらず、その「解釈」が大きく異なることは日常的に発生しているからです。
これは「必ず」発生していると言い切っても良いと思っています。何を申し上げたいかと言うと、いくら良い思想を掲げても、いくら良い制度を設計しても、会社と言うものすごく複雑な集合体である組織において、無数の「事実」が存在している中、その「事実」の解釈がずれていること、その根本的な理解がなければ、お互いのコミュニケーションは「間違い探し」のような場が創出されてしまう可能性があるのです。
僕らが学生時代に取り組んでいた「テスト」は、同じ事実を全員で個別に見て、正解を考えます。これは「事実」がずれないように設計されており、予め教えられた解き方をもとに正解を回答すると言うものです。ただ実社会は大きく異なります。そして、一部の事実を見て全てを理解したと思い込んだりすることは人間によくあります。
1-3. 自分では気づけていない「本当の自分」が存在していること
皆さんは「自分自身」のことを正確に理解しておりますでしょうか? 1年前にこの質問を僕が投げかけられていたとしたら「はい!」と元気よく回答していたかと思います。なぜならば、自分自身のことはよく理解していたつもりだったからです。
ただ、「自分自身の深い理解」と比較すると、1年前の僕の状態では全くもってレベルが低い自分自身の理解にとどまっていたんだと感じています。詳しくは後述します。何を申し上げたいかと言うと、自分自身の深い理解をしていない状態で、自分のことを表現したりプレゼンテーションをする。これは表層的な自分のアウトプットに過ぎません。その表層的な自分と勤めている企業/相手とのマッチングにおいて、僕らは日々の生活が構築されています。
そのため、自分自身の深い理解をした上で、相手に自分のことを伝えるべきでしょうし、それは理解する側においても良いことになると思っています。
3つの背景を記載しましたが、これ以外にも多数お話ししたいことはあります。繰り返し申し上げますが、人事組織系の業務については、ものすごく重要度が高い事は理解しつつ、それよりも重要なこと、それよりも「前」に抑えておくべきことの内容を記載しています。
2. 人事を統括するメンバーにおける人間の器について
人間の「器」について。と言われても、ピンと来ない方が多いかと思います。むしろ僕も「ピンとき始めている」という状態です。ただ、この人間の「器」が大きいメンバーが、その企業の人事部門の統括をする必要があるのではないかと個人的には思っています。
最近ものすごく大きな気づきを得た話があるので、その話を加えながら説明を進めたいと思います。
2-1. 「水平的成長」と「垂直的成長」について
こちらに記載している通り、人間の「器」は、「垂直的成長」であると思っています。社会において「成長」とは「水平的成長」を指すことが多く、且つそのように解釈していらっしゃる方がほとんどなのではないでしょうか。かく言う僕も20代の頃まではそのように解釈をしていました。自己成長=業務スキル/人間力を上げ続けること、そのように思っており、とにかく没頭して業務スキル/人間力の自己研鑽を行っていました。1つ誤解がないように申し上げると、ここで言う「人間力」の一部が「垂直的成長」に含まれていると思っています。
詳しくは下記のブログをご覧いただければと思うのですが、「成人発達理論」の中で、垂直的成長を5つの段階で分類したのが上の図になります。
第4段階まで到達する割合は20%程度と言われております。また、第5段階まで到達する割合は1%と言われています。そのため、「垂直的成長」をする事は、限りなく難易度が高いことがわかります。
なぜ成人発達理論における垂直的成長の段階の話をしたかと言うと、VUCAの時代において、これまでの組織のあり方、そして個人のあり方が通用しなくなっていると感じるからです。
2-2. VUCAの時代に僕らはどのような影響があるのか?
結論から申し上げると、
僕ら人間の「認知」と「能力」を超えた問題が起こり続ける
これがVUCAの時代の最たる特徴であると思っています。本ブログでは細かい説明は割愛いたしますが、これからは社会において「無秩序」な問題が起こり続けます。「無秩序」と言うのは秩序ではない、つまり一定のルールやパターンには当てはまらないことを指します。つまり「正解」が存在しない中で、正解にクイックにたどり着くためのアクションを強いられる世の中で生活していかなければなりません。何を申し上げたいかと言うと、
自分自身のエゴだけでは生きていけないでしょうし、
八方美人のように周りに流されるだけでもいけないでしょうし、
自分自身の価値観を貫き通し続けるのも難しいでしょうし、
そのような時代になってきていると理解したほうが良いと思います。上記の3つの箇条書きについては、成人発達理論の第2段階/第3段階/第4段階の特徴になります。僕ら社会人は、個人としても組織としてもこれまでのあり方をラーニングして、次のステップへ進まなくてはならないタイミングに差し掛かっていると個人的には思っています。
そして企業のHRのトップである人事統括のポジションの方は、VUCAの時代において、「垂直的成長」が成されている必要性が高まっているなと感じています。そして、人事組織を整えると同時に、組織の在り方についても諸々考えるタイミングな気がしています。
最後に
僕自身はベンチャー企業さまのHR支援に多数入らさせていただいた上で本ブログを書いております。そして、自社に起きた変化にできる限り真摯に向き合えればと思い、今回のような結論に至っています。本ブログでお伝えしたいことは下記ブログの内容なのですが、
僕らも取り組み始めたフェーズなのですが、ご興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。
では!
皆さんいかがでしたでしょうか。
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
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