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コミュニケーションにおける「例え話」のコツ

「山根さん、例え話のスキルってどうやって身につけるのでしょうか?」

そんな質問をメンバーからもらいました。
確かに、僕は例え話をすることが多いです。特に相手の知識レベルが高くないときに用いることが多いのですが、どのような言葉にどのような例えをしているのかを個人的にはそこまで整理したことがなく、せっかくですので、これを機に整理してみようかと思い、本ブログの執筆に至っています。
では、是非ご覧ください。


0. コミュニケーション力とは何か?

ポテンシャライトではコミュニケーション力を以下にて定義しています。

「端的に明瞭に伝えることができる力」

同じことを伝えるのに5秒で伝えることができる方と、30秒で伝えることができる方ですと、前者の方のほうがコミュニケーション力が高いとしています。この文章を見ると「そりゃそうだろう」と思われるかもしれないのですが、自分自身のコミュニケーションを切り取って見てみると、1つの簡単な事象を伝えるのに、1分という長い時間をかけていたりすることが散見されます。

ただ、ここで3つの課題が発生しました。
1つ目は、端的に明瞭に伝えることができているのですが、その話自体に魅力や希少価値を感じられない。
2つ目は、その話に魅力を感じることができたのですが、いまいちイメージ(情景)を思い浮かべることができない。
3つ目は、端的に明瞭に伝えることができたが、そもそもその言葉や文章の意味がいまいち伝わりきっていない。

これらの課題を感じることがありました。そこで、当社ではあらゆるアプローチをして、この課題を解決しようとしています。本ブログではこの3つの説明をいたしますが、主に3つ目に焦点を当てて説明を進めていきたいと思います。


1. 話に魅力や希少価値を入れること

まず前提として、「事実」と「魅力」の違いを理解することが重要です。

魅力とは:
「事実」を相対比較して、希少価値を上げた事項

皆さまが毎日のように取っているコミュニケーション、そしてプレゼンテーションは「事実」のみに留まっていることもあるかもしれません。本ブログは本項を詳しく説明する目的ではないため、詳細な説明は割愛いたしますが、以下に記載をするブログに細かく説明をしておりますので、是非ご覧ください。


2. 情景を思い浮かべられること

本ブログにてこれまで説明をいたしました、
・端的に明瞭に伝えることができる力
・話に魅力や希少価値を入れることができる力

この2点をこなすことができれば、非常に高いコミュニケーション力の持ち主になるかと思います。誤解が「ある」言い方をすると、この2点があれば正直そこまで言うことがありません。ただ、より高いコミュニケーション力を求めていくのであれば、本項の「情景」を謳うコミュニケーションのテクニックを得ていると、さらにその上のレベルに達することができます。

後述しますが、先日「面談/面接で脅威的な効果を発揮する「エピソードトーク」について」というブログを書きました。面談/面接において質疑応答は惹きつけの大チャンスなのにも関わらず、それを理解/実行できている方が少ないことを問題に感じ、書いたブログです。質疑応答を「回答する側」には以下のステップがあると思っています。

◆質疑応答のレベルのステップ
 - レベル1
  - 回答ができない
 - レベル2
  - 回答はできるが少々ズレている
 - レベル3
  - 十分な回答ができている
 - レベル4
  - 希少価値観点を入れつつ回答ができている
 - レベル5
  - 固有名詞、数値、比較観点を入れて回答ができている
 - レベル6
  - インサイト設計しながら回答ができている
 - レベル7
  - ストーリーで説明できている
 - レベル8
  - ドラマチックにストーリーで説明できている

こちらのレベル7、レベル8に記載しましたが、「情景」「ドラマチック」というキーワードがあります。どんなに魅力的な話であっても、話の「内容」だけでは限界があります。「話し方」を追求することで、より魅力的に伝えることができます。そこで当社は「エピソードトーク」と読んでいるのですが、その名の通り 自分自身の話に「エピソード」を交えて説明することを意識するようにしています。
エピソードトークのイメージは「まるでドラマを見ているのかのような話」です。コミュニケーションにおいて端的に明瞭に話すことは大事です、その事実を魅力に変換させることも大事です。そして本項で説明をしているエピソードを加えることによって、さらに情景をイメージさせることができ、且つドラマチックに伝えることが可能になります。本内容は下記ブログにて詳しく説明をしておりますので、是非ご覧ください。


3. 言葉や文章が分かりづらい場合に「例え話」ができていること

誤解がないように申し上げますと、「例え話」は必須ではありません。例え話をすることなく老若男女どのような方にも理解してもらえるような話をすることができれば、全く問題ありません。

ただ、コミュニケーションは相手の「知識レベル」が重要です。
僕も今から、日本の森林伐採問題についてディスカッションしてください、と言われるとちょっと厳しいです。自分の意見くらいは言うことができるかもしれませんが、前提知識が薄いため、専門家の方々と対等にディスカッションをすることは難しいでしょう。そして、専門家の方々が発する言葉や話全体の理解をすることも難しい可能性が高いです。

・育成単層林施業
・皆伐
・天然更新
・路網

こちらは「森林伐採 専門用語」とGoogleで検索をしてヒットをした記事から拝借した専門用語です。ふむ…分からないですよね。
例えば、僕が森林伐採問題について専門家の方々とディスカッションをした際に、その専門家の方々が素晴らしいコミュニケーション力をお持ちの方であれば、この専門用語を「例え話」で言い換えていただけるかもしれません。一つ事例を見てみましょう。

皆伐(かいばつ):
森林を構成する林木の一定のまとまりを一度に全部伐採する方法。

と記載がありました。例えば、こんな言い換えができるかもしれません。
「例えば、与党と野党があって、野党の方全員をすべて入れ替えるようなことだよ」
「サッカーJリーグにおいて、西日本のチームをすべてJ2のチームと入れ替えるようなことだよ」
「3つの事業部があった場合、1つの事業部をM&Aで売却するようなことだよ」
すみません、僕はそもそも皆伐の意味を正確に把握しているわけではないので、こちらに記載した3つの言い換えが正確かどうかはちょっとアレなのですが、イメージを湧いていただくために記載しているとご理解ください。


4. 例え話の活用タイミング

僕も意識することなく偶発的に例え話をすることがあるのですが、どのようなタイミングで活用しているのかを記載したいと思います。

 4-1. 相手と知識レベルの差分があるとき

この知識レベルというのは業界知識/職種知識などになります。どうしても業界が異なると専門知識も異なってきます。ただ、業界が異なる方と一緒に働く/コミュニケーションを取ることも多いかと思います。その際に専門用語を連発してもコミュニケーションの精度が落ち続けるだけですよね。その場合は例え話がかなり有効になります。

当社では、自分しか分からない(=相手に伝わっていない)言葉を「自分語」と表現しています。自分語は「自分しか分からない言葉」と表現をしても良いのですが、どちらかというと「相手に伝わっていない」というほうが定義としては正確かもしれません。なぜならば、自分しか分からない言葉であっても専門知識がある方は理解してくれる可能性もあります。一方で相手の知識レベルには「変数」があります。そのため、相手の知識レベルによって、自分が発している言葉が「自分語」であるかどうかが決定します。

 4-2. 尺度を表現したいとき

日々のコミュニケーションにおいて、「尺度」ほど抽象度が高いものはありません。

「●●さん、すごいねー」
「え、大仏大きい」
「この橋、すごく長いねー」
「●●さん、成長したねー」
「アラスカ、遠いなー」
「いや、エンジニア採用難しい」
「営業職の採用は、エンジニア採用よりもちょっと難しい」

このような会話がよく発生していますよね。これらの「すごい」「大きい」「長い」「成長した」「速い」「難しい」という主に“形容詞/形容動詞“に分類される言葉は、「尺度」が存在することが多いです。
この尺度については具体的な「数値」で表現することもできます。例えば、

「え、大仏大きい」
というのは、
「え、大仏大きいね。これ12メートルほどの高さみたいだよ」

ほうほう。12メートルね。
皆さまお気づきかもしれないのですが、この12メートルをイメージできませんよね。よくテレビで「東京ドーム●個分です」と同じかもしれません(僕はいつもイメージが湧かないです)。
ただ、これだとどうでしょう?

「え、大仏大きいね。これ12メートルほどの高さみたいだよ。ビルでいうと3階くらいだね」

誰しも見たことがあるであろう「ビル」で表現してみました。少し分かりやすくなりましたよね。
話を戻すと「形容詞/形容動詞」に分類される言葉にて「尺度」を表現する際に、例え話が有効的であることを認識しておいていただければ幸いです。


5. 例え話の活用Tips

では、どのような活用Tips(ノウハウ)があるかを説明していきます。

 5-1. 相手がわかりやすい事例で表現をする

例えば、僕はサッカーをやっていました。そして当社メンバーの2割程度のメンバーはサッカー経験者です。
そのため、サッカーで例え話をするのは彼らにはすごく伝わりやすいです。

「ドゥンガくらいのリーダーだよ」
「Jリーグのチームがバルセロナに3回連続勝つくらいすごいよ」
「三笘を1対1で止めるくらい大変だよ」

こういった表現をするとすぐにイメージが湧きます。
一方で、サッカー経験者でなければそもそも分からないような話が多いですよね。そのため、「相手」がどのような趣味/バックグラウンドがあるのかに合わせて例え話をすると伝わりやすいと思っています。

 5-2. 万人が分かりやすい事例で表現をする

上記5-1で「相手」を起点にした話をしましたが、目の前にいる相手がどのような趣味/バックグラウンドがあるのか分かりませんよね。そのため、例え話をする際は「万人」に分かりやすい表現をするほうが確実に伝わりやすくなります。ただ、万人に分かりやすい話とは何なんだろう?という課題に直面しました。少し考えてみたところ答えが出てきました。以下をご覧ください。

 - 今からあなたが100メートル走の世界記録作るくらいすごい
 - 宝くじで1億円当たるくらいすごい
 - 自分が独立(起業)して上場企業を作ることくらいすごい
 - 東京大学に合格するくらいすごい
 - 40人のクラスの中で、社会のテストの点数で1位を取るくらいすごい
 - 1週間コンビニに行かないで生活するくらいすごい
 - 練習なしでフルマラソンを走るくらいすごい
 - 丸2日寝ないくらいすごい

こちら「万人」に分かりやすいかどうか、という詳しいディスカッションはさておいて、サッカーの事例と比較するとより万人に分かりやすいような事例を記載しました。そこで頭が整理できてきたのですが、

 - スポーツ
 - 大学受験
 - 宝くじ
 - 両親

このあたりは、ある程度の「万人」が理解しやすい話かと思っています。大学受験をしていない方も東大に入ることの難易度はわかるでしょうし、「宝くじ」をやったことがない方も、宝くじで1億円が当たるすごさは何となくイメージが湧くかもしれません。
そのため、何か例え話をする場合はできる限り「万人」がわかる話を、また相手のバックグラウンドが分かっている場合は相手が分かりやすい事例で話すと良いと思いました。

 5-3. 細かいTips

でも、例え話をするときに、その場でパッと表現できるかどうか分かりませんよね。
その場合は、いくつか自分の「ルール」を決めておくと楽です。ルールとは何か?

◆自分が例え話をするときのルール
 - 大学受験でまず表現してみよう
 - 学校のテストで表現してみよう
 - 知名度が高いスポーツで表現してみよう
 - 世界各国を話に使ってみよう
 - ドラえもん、スラムダンクなど国民的漫画で表現してみよう

などを決めておくと事例が思いつきやすくなるので、おすすめです。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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