現役高校生・大学生が「ねじ」製作の"ウラガワ"を徹底調査!Part.02 “ウラガワ”の工夫
こんにちは!Potentialのまりこです!!
今回は、「ねじ」製作の"ウラガワ"を徹底調査するべくPotentialの代表のるなと共に「金剛鋲螺株式会社」様の本社に直接訪問してきました!前回の事前ディスカッションで話し合った質問も聞きながら、深掘りしていきます!✨
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Potentialのメンバー内で行った事前ディスカッションの記事です。
是非ご覧ください。
企業情報
金剛鋲螺(こんごうびょうら)株式会社様は高い品質と豊富な品揃えを誇り、数多くのねじ製品を作っている会社です。
六角ボルトを中心に、座金組み込み六角ボルトや特殊冷間圧迫部品、切削加工部品も取り扱っています。「以和為貴」(和を以って貴しとなす)を社是に置き、Instagramやnoteなどのツールを使った発信にも力を入れています。
創業 1946年5月1日
創立 1956年10月29日
本社
〒577-0016
大阪府東大阪市長田西3丁目5番1号
営業部 TEL (06)6744-3255
総務部 TEL (06)6744-3257
FAX (06)6744-2188
詳しくはこちら
金剛鋲螺株式会社様HP⏬
http://www.kongobyora.co.jp
現地でインタビュー!
7月22日土曜日、「金剛鋲螺株式会社」様の会議室をお借りして、常務取締役の辻本様からお話を伺いました。
辻本様のインタビュー記事です⬆️
会社名に込めた意味
「金剛」という文字は我が社の創業者3人の出身地が関係しています。
創業者の3人は奈良県五條市の出身で、五條市と大阪府の境にある“金剛山“から名称の一部をお借りして今の会社名にしました。また、「鋲螺」というのはねじ類の総称で、創立当初から「ねじ」を製作していたため採用しました。大阪府内には「鋲螺」や「螺子」という文字を使っているねじ製造業が多いんです。
まずは小さく始める
ーーSlackなどのチャットツールを駆使しているとnoteで拝見しましたが、ITツールを使う時に意識していることはありますか。
いきなり全社に展開しないで、最小限のコストかつ小さく始めるということは意識しています。
例えば、slackの話がありましたが、今はMicrosoft Teamsを使っています。当初はslackの無料版からスタートしましたが、使える機能に制限があったことや、一定期間の履歴しか残らなくなったことが変更の理由です。ITツールに関してはまずは小さく初めて、効果が出たら全体に広める。その際に、無料版から有料版に切り替えるのであれば、きちんと費用対効果を説明して、承認をもらうことが多いです。
チャットツールを導入したきっかけは、お客様からの受電共有です。というのも、入社当時の弊社は、不在者宛にお客様から連絡があれば、手書きのメモを不在者の机に置くという運用でした。
しかし、それだと会社に帰ってきた時に初めてお客様からの受電を知ることになり、お客様への折り返し連絡が遅れます。
私は前職がIT企業で、その当時からチャットツールを使っていたため、この問題を解決する手段としてslack(無料版)を導入しました。
最初は営業部の実務者数名でスタートしましたが、使っていくうちに便利さが噂で広がり、他部署でも活用していくようになりました。
小さく始めること以外で気をつけていることは、便利だからといって次から次へと新しいITツールを増やさないことです。弊社は正社員の平均年齢が35歳と比較的若いため、ITツールに慣れるのが早いですが、ITツールが増えると混乱するという意見もあります。ですので、新しいITツールの導入検討時は、既に使っているITツールと集約できないかの観点も意識しています。
ちなみに弊社は、社長が新しいチャレンジに積極的なタイプなので、新しいITツールを試しやすい環境だと思います。
noteで若者を巻きこむ
ーーなるほど。そうすることで働きやすくなるんですね。貴社はnoteを活用していらっしゃいますが、どのような目的で使ってらっしゃるのですか?
主に採用広報の目的で使っています。
基本的に弊社ではnoteで「応募数の増加」を目指すというよりも、会社説明会に参加いただいた採用候補者の方に「もっと知ってもらうこと」を目指しています。なので、説明会参加後の御礼メールには、その人が興味ありそうなnoteの記事を3つくらい選んでリンクを送っています。HPや求人票だけでは伝えきれないこともあるので、そこをnoteで補足しています。
noteで発信を始めた最初の1年は効果を感じることはありませんでした。しかし、2年目以降は徐々に効果を感じています。今年で3年目になりますが、説明会参加者の面接希望は増えています。
2024年4月入社の大卒内定者は現時点で二人いますが、そのうちの一人はnoteを見て興味を持ってくれた東北地方の学生さんです。
Instagramを仕事のやりがいに
ーーInstagram では、貴社のねじが使われている物の写真が並んでいて、
身の回りにこんなにも貴社のねじが使われているということに驚きました。
僕らが作っているのは「ねじ」という部品じゃないですか。やっぱり身近ではないので、ねじ製造の技術力をアピールしても、学生や一般の方には伝わらないんです。だから、Instagramでの発信を始めました。
Instagramを始めるにあたっては、何を発信したら面白いかを若手社員数名と私とで話しました。
その時、各自がプライベートで見つけた弊社の六角ボルトを投稿すれば面白いのでは、というアイデアが生まれたんです。
弊社では代理店を経由してねじを販売しているので、実際作ったねじがどこで使われているのかを知りません。だから、私達にとっても面白い企画です。
実際に社員の1人は、子供の野球の練習に付き添っていた時に、防球ネットに弊社の六角ボルトが使われているのを見つけ、仕事のモチベーションが上がったそうです。
あと、プライベートで見つけた六角ボルトの写真を提供してくれた社員には、1件あたり300円の褒賞金をお支払いしています。なかなか普段の生活からアンテナを張っておくのは難しいので、1つのきっかけになればと思っています。
写真提供は毎月4、5件くらいです。自分達でも企画を始めてから、こんな場所で使われてるんだと知ることができました。
見つけ方は簡単です。JIS規格の六角ボルトには、頭部の上面に製造業者の識別マークを表示するルールがあります。このため、弊社は「KN」と表示しており、それの有無で判断しています。ですので、Instagramで紹介している製品は、すべてKNマークの六角ボルトです。
社内で一番盛り上がったのは活用事例は、USJで使われていたと聞いた時です。また、東京ディズニーシーやスターバックスコーヒーで使われていたのも驚きでした。見つけた社員もすごいですが(笑)
金剛鋲螺株式会社様のInstagram のURLです。⬇️
https://instagram.com/kongobyora?igshid=MzRlODBiNWFlZA==
コミュニケーションをとり、モチベーションを上げる
ーー社員さんのモチベーションが高い印象ですが、社員さんのモチベーションも保つために意識していることはありますか。
僕達の仕事は1つの部署だけで完結する仕事はありません。各部署が連携して、製品をお客様に届ける。だから、部署横断のコミュニケーションが必要です。また、各工程のチーム内コミュニケーションも必要になります。
これらを高めるために弊社では社員旅行や懇親会を行っていましたが、新型コロナウイルスが流行りだしてからはそれらができなくなりました。
その代替手段として、2021年1月に始めたのが社内報です。同年3月には奈良工場の完成も控えていたため、拠点間のコミュニケーションを活発にする狙いもありました。
社内報は毎月発行しています。紙面はA3サイズの両面で、表面が社員にスポットライトを当てたインタビュー企画、裏面が時期に応じた特集企画の構成です。インタビュー企画の内容は採用でも使えるため、noteに転載しています。
また最近は、管理職とメンバーの懇親会費用も一人当たり月3000円まで、会社で補助してます。弊社の管理職は子育て世代が多く、お財布事情が厳しいため、なかなかメンバーを食事に誘えない、といった声があったからです。この制度を活用することで、管理職とメンバー間の飲食を通じたコミュニケーションを促しています。夜が厳しい場合は、ランチでの利用も可能です。
他にも、弊社では改善提案制度を積極的に行っています。この制度は、改善につながるちょっとした工夫やアイデアを、誰でも自由に会社へ提案できる制度です。例えば、現場の機械の間に廃材を使って足場を作ったり、製品が詰まりやすい箇所に板を追加工するなど、年間200件近くの提出があります。提出された提案内容は毎月評価を行い、等級ごとに応じて会社から褒賞金を贈っています。
提案制度自体は1998年からありましたが、年間で4~5件程度しか提出がなかったため、2020年に制度を大きく見直しました。具体的には、審査頻度の増加や上司承認が必要だった提出方法の変更、提案の採用・不採用に関わらず褒賞金支給などです。
この取り組みをnoteで発信したところ、改善活動の専門誌に掲載していただけました。
ウラカタの仕事の醍醐味とは
日常生活で自分達が作った商品を見たときがモチベーションが上がる
私たちは年間4億本のねじを生産しており、多い月は4000万本を生産しています。
仕事のモチベーションは人それぞれですが、社員の多くは日常生活で自分たちのねじを目にした時にやりがいを感じることが多いようです。
だから、六角ボルトが使われている完成品を見つけると、どのメーカーの製品か絶対確認しますね。例えば、車両の展示品をみても、全体を眺めるのではなく、土台に使われているねじを真っ先に確認すると思います。職業病みたいなものかもしれません(笑)
僕自身も金剛鋲螺に入社するまでねじは気にも留めていませんでしたが、入社後は意識変わりました。
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