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僕が地域おこし協力隊を辞めたわけ⑧

はじめに

この記事は、北海道が好きすぎて移住し、道内のとある自治体で地域おこし協力隊として採用されたものの、たった半年で辞めた僕の体験談です。

この記事が、現役協力隊の方これから応募を検討している方、また、募集する自治体地域の方にとって少しでも参考になれば幸いです。

前回は、田舎あるあるな自治体ホームページの話と観光サイト作りのお仕事編でした。

さて今回は、みんな大好きお金の話に入ります。地域おこし協力隊の懐事情です。どうぞ!

本編に入る前に、自治体には僕自身に対する悪意等は一切ないということと、役場の方々も良い人ばかりであったこと。そして、あくまでもこれがこの地方自治体にとっての普通であるということを明記しておきます。
そして苦しい生活を続ける中、町民の皆さんとフォローアップに来てくださったAさんには本当に助けていただきました。この場で心からお礼申し上げます。

地域おこし協力隊の給料は安い?

協力隊について調べたことがある方は「地域おこしは給料が安い!」という記事を見たことがあるのではないでしょうか

国から自治体に特別交付税として支給されるのが隊員一人当たり最大440万円(2021年現在)で、そのうち報償費が240万、活動費などに200万という内訳になっています。ちなみに協力隊の家賃補助などの手当てはこの活動費から支出されるようです。

以前は最大400万円、報償費200万でしたが、2019年の地方公務員法の改正に伴い、会計年度任用職員扱いとなったためボーナス分が追加されたイメージでいいと思います。

僕が調べた限り、月給は最低でも16.6万円か17.7万円というところが多く、自治体により+αがあったり、家賃補助をはじめとする様々な手当てを含め、実際の月収は20〜24万円という方が多いようです。

ちなみにここまで書いたのは役場との雇用関係がある場合です。

地域おこし協力隊にはこの他に役場との雇用関係がない場合があります。
いわゆるフリーミッション型というもので、こちらの場合、隊員は個人事業主として、役場から業務委託される形をとります。

この場合は健康保険料や年金が100%自分持ちになり、ボーナスもありませんが、副業の規程や役場の時間に縛られないため、任期後や任期中に平行して起業を目指す隊員はこちらの形で雇用されることが多いです。

さて、ここまで出てきた給与金額について、ちょっと考察してみましょう。


給与から自治体を考察する

協力隊の給与を調べていると、いくつかのパターンがあることがわかります。その違いや金額の根拠は何なのでしょうか。国からの支給額の変遷をもとに考察してみます。あくまで僕の想像なので正解とは限りませんと逃げ道を用意しておく(笑)

協力隊の給与でよく見るのは、16.6万円17.7万円18.4万円20万円以上という4つのパターンです。

月給16.6万円の場合

月給16.6万円は、協力隊制度の初期頃から受け入れを行っている自治体に多い印象があります。

以前の支給額は、報償費として200万円で、ボーナスなどはありませんでした。この200万円を1年12ヶ月で割ると、16.666・・・となります。

このことから給与が16.6万円の自治体は、以前の制度の惰性で給与を決定していると考えられます。ただ、現在の報償費は240万円なので、その差額分手当てが厚かったりボーナスが多い可能性があります。

月給17.7万円の場合

最近はほとんどの自治体がこの17.7万円を採用しています。

現在の報償費は240万円になっています。これを単純に12ヶ月で割ると20万円になるのですが、これだとボーナス分が自治体負担になってしまいます。協力隊のボーナスを大体1.5ヶ月として、その分を足した13.5ヶ月240万円を割ると17.777・・・となります。

このことから17.7万円の自治体からは、絶対に自治体負担にしないという強い意志が感じられます(笑)という冗談は置いといて、どの自治体にも言えますが、給与以外にもきちんとした手当てがあるかどうかしっかりと確認した方が良さそうです。

他よりちょっと高い月給18.4万円の場合

稀にみます。あれ?ここ他よりちょっと高いじゃん。というケース。

240万円を月給18.4万円で割ると13ヶ月(12ヶ月+ボーナス1ヶ月)

実は17.7万円とほぼ同じです。月収が7千円高いかわり、ボーナスが1ヶ月というパターン。年収にするとほとんど差はありません。ただ、ボーナスが1ヶ月以上あれば他よりも高待遇と言えます。ただ、月収が高い分、控除も高くなります。目先の数字に騙されないようにしてくださいね。

月収20万円以上の場合

最近、結構あります。ただ、これに関しては専門的な資格や免許を必要とする場合がほとんどです。

地域おこし協力隊の報償費は原則240万円ですが、その専門性や活動地域の地理的条件によって最大290万円まで報償費とすることが認められています。その場合、活動費は最大150万円となります。(一人当たり最大440万円は変わらない)

専門的な資格を持っているのなら、結構良い求人も見つかるかもしれません。

以上の給与の考え方はあくまで僕の想像なので正しいかどうかはわかりません。いずれにしても月収が20万円あれば、全く問題なく生活できるように思えます。会計年度任用職員の場合、ボーナスもありますしね。


僕の家計を公開します!

さて、住所を移し、働き始めてから1ヶ月弱。初の給料日を迎えました。

僕の給料は17.7万円。これに家賃補助を足した金額から、年金や住民税といった控除がバリゴリ引かれてゆくわけです。

それでは、実際にご覧頂きましょう。協力隊時の平均的な月収支です!

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月の手取りは15.6万円。一方支出は16.1万円。合計マイナス5千円。
暖かい季節ならギリギリでしょうか。出費の内訳を簡単に説明します。

ガソリン代が高いのは毎週末、趣味である写真撮影のために道内を走り回っていたため。ストレス発散のガス抜きも兼ねているので、これだけは譲れません。その時の食費は奮発して1日1000円ちょっと

その代わり、平日は1日300円。地域のスーパーは目が飛び出るほど高いので、買い物は週に一度隣町で。野菜は2週間に一度、直売所でまとめ買い。お米は故郷の両親が仕送りしてくれていました。ありがたいことに地域の方に食材を頂いたこともありました。

光熱費はかなり節約して、電気3000円水道2000円。高いのは灯油とガスで、冬場は軽く9000円オーバーでした。古い住宅で断熱性能が低かったのも影響しているかもしれません。正職員なら冬期手当てがつくそうです。羨ましい。

Wi-Fiを契約していたのだから、スマホ料金は見直すべきだったと思います。今からでも遅くないので、見直そうと思います。

スマホの他にも、「こんなんじゃ甘すぎる!もっと節約できるだろ!」と思われる出費もあるかも知れません。「生活できないなら趣味なんて持つな!辞めてしまえ!」という意見もあるかも知れません。

しかし、僕にはこれが精一杯でした。

そして、月々の固定費以外の出費が以下の通りです。

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引越し費用には購入した家具家電にレンタルしたトラック代とガソリン代、手伝ってくれた友人のバイト代も含みます。その自治体から出ていく分も合わせると11.5万円。
勤務開始前で手当てがつかない家賃が日割で合計8200円ほど。
最初の月にあった青年部の飲み会、自分の歓迎も兼ねてくださっていたので参加しましたが、一度でひと月の食費(平日)が飛ぶためそれきりでした。
お次は部署の歓迎会。自分の歓迎会に金出したのは初めてでした笑。まあこれは別にいいんですけどね。4000円。
役場の駐車場で何かを踏んだらしく、パンクしました。片道一時間半のディーラーでちゃんと修理。5000円
仕事で毎日カメラを使っていたので、センサーに大きなゴミが入りました。片道一時間半のキタムラで清掃修理。これも5000円。
2年に一度の車検代。仮に5万とすると月々当たり約2100円。半年だと12500円
最後の医療費は、以前書いた灯油事件の際の診療代です。

以上を合計すると、毎月の支出の他に15.1万円の出費がありました。これは期末手当で何とか賄える額ではありますが、おそらく1年働いても収支はマイナスです。2年でプラマイゼロでしょうか。

少なくとも貯金は絶対にできません。

つまり、この自治体で働いている以上、生活費だけで月々マイナス

もし車が故障したり、病気や怪我をすると生活が立ち行かなくなることがわかりました。

初任給を頂いた後、このままでは生活していけないことを改めて認識しました。そして、上司に相談することを決めるのですが、、、続きはまた次回!


まとめと次回予告

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
今回は、超リアルな僕の懐事情を大公開しましたが如何だったでしょうか。

さて、それでは今回のまとめです。

・協力隊の給料は安い?自治体により様々だが、基本的に安い。
・月給を見れば、何となくその自治体が見えてくる。
・僕の収支は大赤字。ボーナスは補填で消える計算。

さて、今のところ次回をもって「僕が地域おこし協力隊を辞めたわけシリーズ」は完結となる(予定)です。笑

最終回となる次回は、前半は辞職を決意するまでの流れ、後半では「協力隊へ応募を検討している方」や「自治体」への提言という形で、これまでを振り返って書いてみたいと思います。

お楽しみに〜


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