採用広報が上手い人ほどやっている「インサイト」の使い方
「この採用広報の記事って、何を伝えたい記事なんだっけ?」
「そもそも、この記事ってウチが採用したいターゲットユーザーが響く内容なのか?」
と思われたことはないでしょうか?
2017年頃から各社採用広報を始められ、皆さん時間さえあれば記事作成はできるレベルには到達したのではないでしょうか?ただ、採用広報を「戦略的」に設計できている企業様はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
こちらは当社が先日アウトプットした採用マーケティングの最新ノウハウです。「誰に」「何を」「いつ」「どのように」「どこで」を意識しましょうね、という内容になります。
本ブログは「誰に」「何を」をより精度高く設計するためのノウハウを書いています。この内容をきちんと理解しさえすれば採用広報のレベルも上がるかと思いますので楽しんでみていただければなと思っています。
0. 採用広報を実施する上で見落としがちな「インサイト」について
皆さん「インサイト」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
本ブログでは詳細は割愛しますが「潜在ニーズ」とやや意味合いは似ています。
本題に戻します。
前提として採用広報は、ユーザーが強い「動機」を持たずに見ることが多いです。FacebookやTwitterのタイムラインに採用広報の記事が流れてきて、なんとなくクリックし、そして開いた記事をなんとなく読む。そしてニーズにマッチしなければすぐに離脱する。ニーズにマッチしていれば最後まで読む。
こんな感じかと思います。では、上記で言う「ニーズにマッチする/マッチしない」とはどういった状態でしょうか?みなさん、イメージしてみてください。
👆 これらの共通していることは「人を心を動かす隠れた心理」かと思います。つまり「インサイト」です。
採用広報は「無動機」で見ることが多く、且つ人の心を動かさないとならない。つまり、インサイトを擽(くすぐ)るような内容でないとならないと思っています。
ただ、みなさん採用広報の記事を執筆する前に「インサイト」は設定していますでしょうか?おそらくしていないでしょうし、むしろ「インサイトってどう設計すれば良いの?」という状態かと思います。それを本ブログで解決していければと思っています。
1. 「職種別」にインサイトを分けることができるのでは?
インサイト = 人を動かす隠れた心理 と定義した際に、「職種別」にインサイトは間違いなく異なりますよね。ということで職種別に設定していきましょう。
1-1. インサイトの対象職種を確定
まず、ポテンシャライトで採用支援をする際のメイン職種を書き出してみました。また、各職種を細分化もしてみます。
例えば、サーバーサイドエンジニアであれば、SIエンジニア、SESエンジニア、Web受託開発エンジニアなど同じ職種でも細かく分類することによってインサイトは異なります。各職種において具体的なペルソナを設定すればするほど、インサイトは明瞭になってきます。
1-2. 各職種別にインサイトを書いてみた。
下記ご覧ください。
上記はサーバーサイドの事例ですが、さらに3分類してインサイトを書いてみました。良い感じにまとまってきたな…と思ったのですが、んん?ちょっと待てよ?
👆 上記したインサイトって分類できないか…?と思い始めたのです。
例えば、
あれ、これってもしかして…
インサイトは4P+αに分かれるのではないか…?と思い始めたのです
1-3. インサイトは4P+αで分類できる
取りこぼしがあることに気付き、上中:就活時期、田儀:転職時期のインサイトを書き出してみました。2人が書き出したインサイトの一例を下記してみます。
これらのインサイトを見た際に、分類できることが明瞭になりました。例えば、
上記の通り分類ができ、且つポテンシャライトが採用広報などで打ち出している4P以外にも、market側面のポイントもあることに気付きました。
例えでお伝えすると、「ビジョンに共感でき、職務内容も希望通り、メンバーも相性が良く、福利厚生も整っている。ただ、これから衰退するであろう業界である」に今転職するかと言われると悩まれると思います。
(味があって好きですが!)
1-4. 4P+αの使い方
「インサイトは4P+αで整理することができる」ここまでご理解いただけたかと思います。ただ、インサイトをまとめる際に4P+αの全てを書き出すのは大変な作業だと思います。
インサイトを設定する際に「強度」で分けられないものかと思い、考えてみました。すると下記2つに分類することができたのです。
つまり、4P+α の全て項目に対してインサイト設定はしなくて良いかと思います。インサイト強度が「強」なのか「弱」なのかを見極めて設定することが好ましいという結論になりました。
1-5. (補足)4P+αは「誰が」アウトプットをするのか?
4P+αでのインサイト設定の理解は進んできたかと思いますが、今回の目的はより深く「刺す」です。
そのため「誰が」伝えるのかは重要になるので、各項目は誰が伝える(アウトプット)と良いのかを下記にまとめてみました。
各項目を「社長or役員」「社員(各職種)」「人事」の3者において何れがアウトプットをすると良いのかをまとめた図です。且つ3段階で評価してみました(数値が大きいほうが優先度が高い)。
社長or役員がアウトプットをする内容はインサイト設定をして打ち出す内容ではないのではないかと思います(もちろん設定しても良いですが)。一方で社員や人事が打ち出すべき内容はインサイト設定が重要なのでは?と思っています。これがわかったのも収穫でした。
1-6. (補足)「+α」の項目でインサイトを考えてみた
前段と少し矛盾をしてしまうかもしれませんが、4P+αの中で「+α」に分類される部分をさらに細分化してインサイト設定をしてみました。下記ご覧ください。
例えば最上段の「phase」について。目の前にいる候補者がシリーズAの企業に在籍しているのか、メガベンチャーに在籍しているのかで、大きくインサイトは異なるかと思います。例えば、
このようにインサイトは整理できるかと思います。
同じように「market」「philosophy」「culture」もパターンをいくつか分けてインサイトを設計してみました。下記のようなイメージです。
様々なインサイトを整理すると、このインサイトが軸となって「魅力」が設計できるのだなと改めて気づきがあった瞬間でした。
1-7. (補足) この分類で魅力も設計できるのでは?
上記の分類手法で「魅力」も設計できるのでは、と思い作ってみました。
上記はシード期で勤めている候補者の「インサイト」と「魅力」になります。少しわかりにくいため説明すると、
つまり、前者のインサイトは「候補者」に帰属しています。後者の魅力は「企業」に帰属している内容です(伝わりますか…?)
2. 主要職種の「profession」のインサイト設計
前置きは長くなりましたが、インサイト設定において4P+αで分類できることはご理解いただけたかと思います。またそんな中で、やはり「profession」が重要だと結論を出しました。
量が多いので、一部だけ記載します。
これを全職種において設定できたのでノウハウとしては有意義なものが生まれました。
3. 結論わかったこと + 完成したもの
3-1. わかったこと(5つ)
1. 転職/採用時の候補者インサイトは4P+αで分類可能
2. インサイトを考慮すべき/考慮しなくて良い4P+αで分類できる
3. インサイトを考慮すべき4P+αは下記4つがメイン
- profession (インサイトに合ったメッセージング)
- person (インサイトに合ったインタビュワーにする)
- market (ワクワクするような伝え方もできる)
- phase (どのフェーズ在籍者なのかで変えることも可能)
4. インサイトを考慮しなくて良い4P+αは下記3つ
- philosophy (企業が思ったことをアウトプットすれば良い)
- privilege (福利厚生/人事制度は決まっていることなので)
- culture (カルチャーを表現難度は高いが、思ったことを伝える)
5. 「誰が」「何を」アウトプットするか
3-2. 完成したもの(3つ)
1. 全職種共通のインサイト(フェーズインサイト)
2. 全職種共通の魅力
3. 主要職種のprofessionのインサイト(ジョブインサイト)
4. 2つのインサイト、魅力の集活用法(4パターン)
設定してあるペルソナに対して、深く「刺す」ための活用方法4パターンをご紹介します。
4-1. 採用ブランディング時
「フェーズインサイト」「全職種共通の魅力」を活用
- 価値観/人間力までのペルソナ設計でOK
- 業務スキルは職種次第のため割愛
- ただ、どの業界かまで含めてもOK
4-2. 採用広報時
「ジョブインサイト」を活用
設定したペルソナの
- 業務スキル(職種/経験年数)は?
- どの業界にいる?
4-3. 求人票作成時
「ジョブインサイト」「フェーズインサイト」のどちらも活用
設定したペルソナの
- 価値観/人間力/業務スキルは?
- どの業界にいる人?
4-4. スカウトメール
「ジョブインサイト」「フェーズインサイト」のどちらも活用
設定したペルソナの
- 送付する相手の希望によってどちらのインサイトにするか分ける
- 希望の記載がない方にも個別メッセージとして送ることが可能
- 送付する相手の希望によってどちらに寄せるかを分ける
以上になります!
長文にもかかわらず、ご覧頂きありがとうございました!
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