【財務分析 Vol.48】 しまむらの「運命創出ビジネス」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)

今後は三部構成にて、内容展開していきます。

①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。

②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。

③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。

Vol.48 『しまむら』
理念:「商業を通じ消費生活と生活文化の向上に貢献することを基本とする。
常に最先端の商業、流通技術の運用によって高い生産性と適正な企業業績を維持する。
世界的視野と人間尊重の経営を基本とし、普遍的な信用、信頼性をもつ誠実な企業運営を続ける。」
ビジネスカテゴリー:小売

①しまむらのビジネスモデル

高校生くらいのときによくしまむらに行く友達がいて、そいつのあだ名が「しまむー」とかになっていたのを、ふと思い出しました。

私もお金がない学生時代(今もないが、、笑)さらにギラギラしていた学生時代は、「安くも、人と被らない」を目指して、しまむらに訪れていたことがありました。

そうです。この「安くも、人と被らない」これを実現する仕組みこそ、しまむらのビジネスモデルと言えるでしょう。

▶衣料品店の”当たり前”

割とどのお店を見てみても、衣料品の特徴は大別して「安くて豊富」か「高くて厳選」というイメージを抱きます。

例を出すならば、安くて豊富の「ユニクロ」とオシャレに厳選した「ZARA」。

他にもたくさんありますが、低価格を根差すのであれば、SPA方式など自社内での一気通貫が必要とされることが多く、その場合規模を活かした大量生産となりがちになる。

反対にセレクトショップは、複数のサプライヤーから仕入れることで、オシャレさやブランドイメージに特化した厳選商品を得られるが、高価格となる。

これが、”当たり前”なんですね。

▶『出会いに運命を』ビジネス

”当たり前”の中のどっちの入っても、巨大すぎる敵が多い。。。ユニクロやH&M、ZARAやビームスなど、、、。

ならば、お客様が楽しめる「体験」を付加価値として載せるのが、ビジネスモデルです。

その特徴は、同じ商品が同じ店に2つないことです。

要するに、買わなければそこでそれを手にする機会を失うということになります。

人間は得しますよ!!と言われるより、損しますよ!と言われる方が本能的にそれを避けようとする生き物なんですね。

『出会いに運命を』と命名しましょう。ふらっと買い物していいものがあったら自分のモノにできて被らない。これは楽しんで買い物が可能ですよね。

▶しまむら流「低価格×多品種」モデル

そんな体制を可能にしているモデルが二つ上げられます。

・サプライヤーからの買い切り

サプライヤーを挟むビジネス媒体では、サプライヤーから仕入れたものの返品するということも多くあります。

これも一種の”当たり前”ですね。

しかししまむらは完全買い切り、さらに現金払い!!としていることから、サプライヤーから好まれ、信用を生み、低価格での提供に応じてくれるんですね。
掛け取引が"当たり前"の中、あえて現金取引をおこなうことでビジネスにおいて最重要ともいえる"信頼"を獲得するという、おもしろい戦略ですね。

そして、その信頼から多くのサプライヤーとの取引を可能とするために同時に多品種の実現も可能としている。

”当たり前”の外からアプローチすることで、ビジネスモデルの幅を広げています。

・ドミナント戦略

「集中化」です。(こちらセブンでも取り上げていますので、よければ参照を)

しまむらの特徴は、ちょっと外れたところに集中して出す、といった感じです。それにより固定費削減などの効果をもたらせますね。

この集中化をしまむらがどのように活かしているかと言えば、販売データを活かした「助け合い」です。これもセブンのときに少し取り上げましたが、近くに集中して出すことで、商品補完が可能になります。

しまむらの場合は、これをうまく活用し、売れ行きの良い店舗に商品をスイッチするなどの施策をおこない、仕入れた商品のロスを徹底的に排除しています。


「体験」×「多品種」×「低価格」×「実現するための売る仕組み」

衣料品業界もまだまだブルーオーシャンを作れる可能性を秘めきっていますね。

②しまむらの財務分析

収益性 ★★★★
安全性 ★★★★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★

~Summary~

【財務体質めちゃくちゃ強い】 

⇒純資産比率90%以上

⇒流動比率600%以上

【ビジネスモデルの確立性】

⇒利益率3%~5%台(ユニクロなどに比べれば劣るが、結果指標としては素晴らしい)

⇒利益剰余金が稼げていることを示している。

⇒販管費比率はユニクロより良いため、工夫が結果に結びついている。

③今後の予測

たな卸日数の伸びや、売上の減少傾向から市場として落ち込んできていると推察できる。潤沢な資金の使い方が問われることだろう。

特に、「一店舗に同じ商品が二つとない」といった特徴を知っている消費者が少ないのではと思う。

「それを逃したらもう手に入らない」などのキャッチコピーを用いたマーケティング部分に力を入れることで、人の興味を惹きつけることにつながるように思える。

現在広告宣伝費は約3%程なので、ここに使ってみてもおもしろいと考えます。

有価証券投資が多いため、暴れていますね。笑

ポイントは一定額の営業活動からの収入があることですが、手元資金を持つのでなく、お金を回して増やしていこうって戦略ですね。

やはり増やしたお金の使いどころが、今後の大きなポイントとなることに間違いなさそうです。


過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!

参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz

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