【財務分析Vol.1】 セブンイレブンの「小売り革命の裏側」

すすらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

財務諸表をみればその会社がわかる。

未来分析実践活用編
Vol.1 『株式会社セブン&アイ・ホールディングス』

ビジネスカテゴリー:小売業


▶コンビニエンスストア誕生の背景

コンビニは廃れつつあった酒屋さん、お米屋さん、乾物屋さんなどの業態転換をサポートすることで成長した。そしてこの形を開発したのがまさに日本のセブン-イレブン・ジャパンなのです。かの有名なドラッガーは日本のセブンイレブンは小売業にイノベーションをもたらしたと語ったほどです。このご時世当たり前にあるコンビニは、日本初オリジナルのイノベーションなのです。”今にない当たりまえ”の創出が、いつでも世界を変えていますね。

そんな小売業の革命児”セブンイレブン”についてみていきます。


▶コンビニエンスストアのビジネスモデル

コンビニの収益は商品が並べられている棚を貸す【棚貸し】と実際に商品が売れたときの【販売手数料】にてなりたっています。あの多種多様な商品群はモノを置かせてもらう権利を企業がお金を払って買っているんです。棚を買って全国規模で販売をする商品を『NB(ナショナル・ブランド)』と言います。

スーパーとかで買った方が断然安いのに、、。と思っても立地上少し遠回りをしなければいけない、とかレジにすごい並ぶとかが嫌という人が、その分の時間を買って、少しだけ高くても同じ物を手早く入手できる利点を選択します。まさに『便利』を売っているんですね。


▶セブンイレブンの戦略

①【フランチャイズ(FC)】×【ドミナント】

簡単にFCの仕組みを説明しておくと、加盟した法人や人に対して企業(今回はセブン)がブランド価値や事業ノウハウを使う権利を与え、受けた側はロイヤリティという形でお金を払う仕組みとなってます。

セブンイレブンではこのロイヤリティ額は売上規模に応じて約50%~80%内に定められております。

セブンイレブンはこのFCを積極的に活用しており、財務諸表にも表れています。

一番の収入源は関係会社株式による配当金となっていますが(こちらはBSの関係会社株式ご確認ください)、店舗セブンアンドアイ(単体)の収入は加盟店収入(FC活用)が大部分を占めていることがわかります。

またあんなに店舗あるのに一般管理費が低い理由に、店舗経営を加盟オーナーに任せることで店舗家賃等の固定費を引き下げる効果も生んでいます。

さらにその他コンビニエンスストアと比べ、その店舗数が圧倒的に一位を占めている特徴があります。よく街を歩いていてセブンめちゃあるなーと思われる方も多いと思います。これはある地域一気にたくさん出店し、その地域を独占しにかかっているんです。この戦略を【ドミナント戦略】といいます。ある地域に一気に出すことで得られる大きなメリットは以下三つ。

(1)流通コストの削減

(2)在庫スワップ

(3)認知度確率

地域に数多く出店することで、配送時一括してものを運ぶことができ(1)もし近くの店舗にて在庫がなくなった場合すぐに近隣店舗より補填が可能(2)また皆様が普段目にして感じている通り脳にセブンの存在感が刷り込まれます(3)

これをおこなうと地域シェアを一気に確保でき、ひいては競合店舗を撤退に追い込むまでに及びます。これも普段生活していて実感したことがある方もいるんじゃないでしょうか。セブンができたらファミマがつぶれた。。。みないな。

また流通コストをお抑えられる等の理由からこれもまた一般販管費削減に寄与しています。今後はこの認知を活かし広告宣伝費をも引き下げていくのではないかと推察されます。

※ドミナント戦略は下手すると、いきなりステーキのように売上の食い合いしてしまうので注意!!


②セブンのPB

セブンイレブンはPOSシステムやオーナー研修会の場にての情報交換などを通じ、消費者を研究し尽くしています。そのため自社にて商品企画・デザインをおこない、製造のみメーカーというモデルを取っています。これを上述した『NB(ナショナル・ブランド)』に対し『PB(プライベート・ブランド)』といいます。このPBの販売量が多いことから、セブンイレブンは各種メーカーに棚貸しへの条件を厳しくできる。PB売上と棚貸し料が高いことに起因し、店舗売上単価も他コンビニエンスストアより圧倒している。BSの純資産額を比べるとその積み重ねの差が良くわかる。

参考:財務諸表ハック

同じスケールにしていないのでわかりずらいかもしれませんが、桁が一つ違います。三店舗競合のように見えてますが、数値をみるとその圧倒さに気付くことができます。キャッシュフロー計算書をみても、投資活動へ積極的に使い、かつ財務活動に資金を調達するなど、攻めの様子をうかがえます。


~まとめ~

セブンイレブンはコンビニエンスの代表格である”便利さ”を武器にいまとなってはなくてはならない存在へと押し上げました。また棚貸しによるビジネスモデルを展開することで、どんなに不景気になろうが潰れない仕組みを確立しました。よって多くの加盟店オーナーの獲得につながり、そこから多くの収益をあげることに成功しています。

今後はこのドミナント戦略にて創り上げた流通網を活かした運送サービスやセブン銀行による金融業など、生活のすべてをセブンイレブン内で完結できるような施策をしている模様です。

財務の動きにも研究開発費などの費用が膨らんだり、そういった企業買収をおこなうことで投資キャッシュフローが大きなマイナスになったりすることが予想されます。過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考え、要因分析し将来の施策を考えると、その企業の動向をつかめるようになります。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

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