【財務分析 Vol.43】 ZOZOの「”不”転換ビジネス」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

従来の"当たりまえ"を破壊し、新しい"当たりまえ"を作った会社を、メインモデルとして取り上げていきたいと思います。(すべてでない)
テーマは"Think Different"です。(Apple)

今後は三部構成にて、内容展開していきます。

①ビジネスモデルを見て、その会社の裏側を理解する。

②結果の数字はどのような形になっているかを把握する。

③未来はどのようになっていくだろう、と予測してみる。


Vol.43 『ZOZO』
理念:「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。Be unique. Be equal.」
ビジネスカテゴリー:小売り

①ZOZO = アパレル × EC

話題性がすごいあるので、多くの人が解説なり意見なりされているのを目にしますが、ここでも取り上げてみたく思います。

アパレル業界は、インターネット事業での成功は「不可能」というのが共通認識しての”当たり前”でした。私の推察ですが、実際に見て着てみないと、素材感やサイズ感がわからないからといった理由があるからだと思います。

でも実際に店舗に買いに行くと、店員さんが鼻にかけた声で「いらっしゃいませ⤴」って近づいてきて、色々喋りかけてくるわけですね。。。

ゆっくり見て、困った時には自ら助けを求む派の私からすると、店舗で買うのはちょっとハードルが上がりますし、正直めんどくさいとこともあります。

ここに”不”があったわけですね。

そう思っている人が多いなら、それを解消できる仕組みを作ってしまえば、ビジネスとして成り立つわけです。

そしてその「不可能だ」という”当たり前”を疑い、実現したのが『ZOZO』です。

▶街づくり

そういったものが欲しいと思っている人がいる(需要がある)ならば、それを提供できる場所を創り上げればいいわけですね。食材が欲しいなと思ったときにスーパーに買い出しに行くのと原理は同じです。

そんなファッションアイテムが揃い気軽に見ていける”街”をネット上に作ることをプラットフォームなんて言ったりします。

なので、名前は「ZOZO ”TOWN”」(推察なので、本当の理由あったら教えてください。。。。)

楽天市場も同じ考え方やスキームですね。(こちらは三木谷さんの本読んだのであってます。笑)

▶出店者の”不”を解消する逆手の仕組み

ただ街を作っても出店者がいなければ、シャッター外さながら。。。(三木谷さんの本を読んだのは結構前なので記憶曖昧ですが、楽天市場の想起はシャッター街から始まったとかだった気がしてます。)

ならば集めなけらばならない。だけど「不可能」の”当たり前”が蔓延る中それを実行するのは難しい。


そこでZOZOがフォーカスし、この”不”を逆手にとって利用しました。

〇”不所持”・・・ネットで売れた場合、購入者へその商品を送り届けなければいけません。しかし多くの会社はその物流システムを持っていない。

⇒楽天もやっていないこのサービスを取り入れることで、高付加価値としての見せ方ができる。

〇”不効率”・・・梱包や商品の保管などに多くの手間を取られることは不効率でやりたくない。

⇒物流システムに併せて、一貫したサービス展開することで、やりたくないことまでやる。ならば頼んでもらえるというところに繋がる。そして商品が衣類であるがため、保管を請け負うことも可能。ここで重要なのが、保管を請け負うだけで、ZOZOの在庫リスクとはならないこと

〇”不”安・・・「ECは不可能」この”当たり前”の渦から抜けなければならない。サイズや配送手際などの懸念点なども依然残る。

⇒多くの出店者を募り、実装することで需要を認知させる。そこでプラス商品へのイメージをしやすいように常にモデルと撮影できる状態を維持。また物流システムは即日配送できるような仕組み作りを構築。

サイズ感については、「ZOZO SUIT」とかありましたね(うまくいったのかよく知らないけれど、、、。)


こうして”不”を取り除き、かつどこまでをやり、どうやるかの仕組みを構築し提供することで、むしろ高付加価値の”当たり前”を作り出すことができるわけですね。

”ブルーオーシャン”は存在しない。創り出す。

その良い例かと思います。


②ZOZOの財務分析

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収益性 ★★★★★
安全性 ★★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★★

利益を上げながらも、財務体質の形が悪くなっているように見えます。この動きは、株主価値の向上施策を決めたと推察できます。利益剰余金を見れば、この高収益のモデルをここ4,5年続けてきたことがわかり、その還元を株主にしよう、ということですね。

純資産の減少がなんで?と思うところだと思うので、決算短信を覗いてみると、「自己株式の取得」が計上されているとわかります。自己株式を取得すると、世に出回る株の数が減るので、必然的に一株当たりの価値が上がるってロジックです。

この比較をおこなうことで、投資をおこないながら拡大してきた様子を捉えることができます。

しかし、気になる点が二つ。

”流動資産の増加”と、”利益率の減少”。

流動資産の中には商品や製品などの科目が10倍になっています。利益率の悪化はこれと繋がっていそうですね。

「プラットフォームがPBを作り、市場の価値を下げた。」など評されることの発端が数字にも表れているようです。

コンビニのPBと違い、その目的やニーズを誤ると、逆にマウント取られてしまうこともあるいう点で、セブンイレブンの例と併せて見てみるとおもしろいと思います。

③未来の数字を作ってみる

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ヤフーの傘下に入ったことなどで話題を集めていますが、シナジー効果あると思います。基盤ビジネスモデルが強いこともありますので、堅調に強い経営の展開を継続できることが見込まれます。

所有から使用の時代へと変わりつつある中、出店ブランド会社と提携してレンタルサービスをサブスクリプションモデルで展開してもおもしろそうですし、バーチャルのネットコミュニティのようなものを開設して、ファッションショーみたいなことをしても、おもしろいかもしれません。

ZOZO SUITは一体どうなったのだろうか。。(詳しい方教えてください。笑)





過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考えみると、その企業や経営者の意思が垣間見れます。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考
財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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