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非営業マンが営業本を読んでみた。


ゲイドルのぽたろうです。
営業職の男性に憧れる。

イメージ先行で申し訳ないのですが、販売職ではなく営業職というところミソで、気になって営業の意味を調べてみました。

営業(えいぎょう)とは、営利を目的として業務を行うことをいう。
(ウィキペディアより引用)

物凄くざっくりしている。ちなみに企業の意味はというと。

企業(きぎょう、英: business)とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。
(ウィキペディアより引用)

企業にとって営業はなくてはならない職務のようです。
勝手な印象ですが、商品企画とかマーケティングという職種は人気があるのに対して、営業の方が絶対数が多そうなのに人気がなさげなのはどうしてだろうということをずっと思っていました。(私も営業職ではありませんが)

そういうもやもやのなかで読んだ本のご紹介をします。
「営業は科学できるし、その大部分は言語化できる」と豪語する冨田和成氏の書籍『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』です。直球のタイトルが潔い。そして興味をそそる副題。

冨田氏は序章で日本の営業がアップデートすべきこととして、以下の5つを挙げています。

【日本の営業がアップデートすべきこと】
1.「個人任せ」から「組織的な改善」へ
2.「機転勝負」から「型化」へ
3.「画一的アプローチ」から「最適化されたアプローチ」へ
4.「御用聞き営業」から「仮説営業」へ
5.「セールス重視」から「マーケティング重視」へ
(Amazonの出版社より欄から引用)

営業といえば義理と人情の世界、個人で数字を上げていく世界といった古臭い固定概念がのっけから崩されました。

そして、セールス重視よりマーケティング重視。
一般的に我々が想像する顧客と(主に対面で)折衝する営業というのが、俗に言うセールス(フロント営業)、そこに至る前のリスト選定やアプローチ(DM、広告、セミナー)などを行うのがみんな大好きマーケティング(インサイドセールス)ということらしい。

冨田氏が野村證券伝説の営業マンとして、どうして上記のような事柄を重視する(ようになった)のか、実話をベースに語られており、試行錯誤の跡が垣間見れて説得力がある。
冨田氏は書籍のなかで営業に必要なのは、以下の4つの力と定義する。

営業をアップデートするために必要な力
 【仮説思考力】
 ・圧倒的なスピード感で成果を出せる「仮説営業」とは?
 【因数分解力】
 ・思考を整理し、課題の見落としを防ぐ
 【確率論的思考法】
 ・営業プロセスを数字で把握する
 【PDCAを回し続ける力】
 ・営業におけるPDCAとは
(Amazonの出版社より欄から引用)

そして、マーケティングプロセスからセールスプロセスの過程ごとにポイントを説明する。
具体例として出てくる証券営業の話が、知らない世界なので楽しめた。

いまやネットで情報はいくらでも拾える時代。
相手(顧客)のことを最低限調べないのは失礼にあたる、といった当たり前だけどハッとさせられる言葉もあり、営業職に限らず効果はある。
プレゼンをする機会も営業職に限ったことではないが、それまでのプロセス(段取り)で決まるとか、プレゼン一発勝負みたいなダメ営業だったり、場合によっては自分にも跳ね返ってきて、痛いところをつかれた。

きちんと数値だったり目標を管理して、世に言うところのPDCAサイクルを回し、インプットとアウトプットを軌道修正しながらも繰り返せている人はどれくらいいるだろうか。自分はできているだろうか。

また、モチベーションの維持やマネージャーとして組織を率いていくためにはどうすればいいかと言ったことが書かれていて、図表がシンプルでわかりやすかった。いくら素晴らしいことが書かれていたとしても、読者が理解できて実行に移せなければ意味がない。その辺のバランスも優れていた。

個人的に勉強になったのは、商談を決定ずけるニーズ喚起の4大要素。
気になったかたは一読してみてください。

①必然性
②効用
③実現可能性
④緊急性
(第3章「セールスプロセス」より引用)

閑話休題。
前から疑問に思っていたことがある。

大学では経営学部や商学部などで、経営(マネジメント)やマーケティング、会計といった科目は教えるのに、営業はなぜ教えないのだろうか。
文系学部を卒業すると、多くの企業では営業職に配属されるのに。

マネジメントも重要だとは思うが、自営業を除いて社長や役員になる人はそんなに多くないだろうし、部長や課長といった役職も昔のように長年勤めていれさえすればみんながなれる職位ではなくなってきている。

専門学校では簿記やPCスキル(Office)といった実学重視ではあるが、営業は教えていないような気がする。営業がセクシーな職業と呼ばれてもいい。

本書のなかでは、マーケティングは「手続きが明文化されている」「組織的改善がしやすい」といった特徴に対して、セールスは「手続きが明文化されていない」「個人任せ」といった特徴が記述されていた。
冨田氏も触れているが、マーケティングの世界では効率化が進み、IT技術の活用で営業の総数は減っていくだろうと予測される。

でも、営業はなくならない。
未来の営業職はコーディネーター的存在になる、という一文がぐっときた。

営業学部とか販売学部とかあってもいいのにね。
営業もスペシャリストだと思う。営業職ではないが、フロントで顧客と折衝している私にとって、大変有意義な読書体験でした。

(追記)読書しているときのメモが出てきたので、こっそり更新してみる。

マーケティングは縁の下の力持ち。今後の鍵はインサイドセールスにある。数打てば当たるとか人海戦術といった従来の営業は力を弱めていく。

サービスを売る以上、効率重視。
データに基づいて営業をすれば結果として人件費が抑えられ利益率も上がる、そして営業のストレスも緩和出来るという副次的効果も。
システム化する現代。泥臭さとかリアリティもまた対人営業の魅力になっていくのではないだろうか。

武器は多い方がいい。
相手に合わせた戦略を。大学ではマーケティングだけでなくセリングも教えてほしいです。フロント営業こそ企業にとって華だと思う。

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断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。