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テレビに出てる研究者界隈(茂◯等)の実際の研究戦闘力とは?H indexについて語る!

こんにちは、現役ポスドクの毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎のアカデミア研究の体験を元に、偏見に基づいた知見を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。いちポスドクの意見、感想だと思って下さい。そもそもポスドクはなんぞやと思う方はこちらの記事もご覧いただけると幸いです。

皆さんはテレビやYoutubeなどで、学者、研究者と称する方々をよく目にすると思います。彼らはメディアにで、どこどこ大学の教授などの肩書きで好き放題言っていますが、果たして彼らは研究者としてはちゃんと働いているのでしょうか?という研究者の仕事とはそもそも何だと思いますか?

研究者の仕事とは

研究者の仕事は意外と様々なものがあります。特に大学に所属する研究者は、研究の他に学生の「教育」も大事な仕事となります。また本を書いて、科学に詳しくない方々に最新の研究内容や学術的に難しい事象をわかりやすく「啓蒙」することも非常に重要な仕事かと思います。
ただし研究者の一番大事な仕事は、これまで誰も見つけてこなかった事象を発見し、得た結果を論文としてまとめ、発表することに尽きます。何せ「研究者」ですから。

では研究、論文とはどのようなものでしょうか?研究とは、今まで出た論文群(先行論文)から、『新しい「仮説を立て」て、それから実験を行い、「結果を得」、その「結果を考察」し、そこから新しい「仮説をたて」、「結果を得」、「結果を考察」以下略』という作業の繰り返しです。論文はその作業群のをまとめたものです。

なので論文には、「この先行論文から着想を得ました、また参考にしました」と書く必要があるので、本文にそのことを記します。その事を「論文を引用する」と言います。そこで自分の名前が載った論文が引用されると研究者として1ポイントゲットです。

良い論文とは、たくさん引用される論文のことを指すというと分かりやすいです。

ただ実際にはそう一筋縄ではいかず、そもそもマニアックな研究分野な場合、その分野の研究をしている人が少ないため、その研究分野では非常に重要な発見をしたとしても被引用数は少なくなります。

例えば、癌や免疫系の研究をおこなっている人は大量にいるので、それだけ論文数も多く、被引用数も多くなる傾向にあるのですが、虫や植物の研究は癌に比べると、被引用数は全体的に低いです。最近だと新型コロナウイルスの研究は論文数も多く、被引用数が稼ぎやすいなどトレンドもあります。
 

Scopusの紹介


各々の研究者がどんな論文を発表していて、またそれらの論文がどれだけ引用されているかを調べることは非常に簡単にできます。

そこで今回はScopus<https://www.scopus.com/home.uri>というサイトの使い方を共有できればと思います。と言っても使い方はめちゃくちゃ簡単です。ただ注意点がありまして、このサイトは少なくとも自然科学系の雑誌は大半を網羅しているはずですが、文系領域の論文は網羅していない可能性があります。また同姓同名の研究者が2人以上いる場合は、彼ら彼女らの業績が一緒になることがあるので注意しましょう。

ではGoogleで”Scopus”と検索します。もしくは上に示しましたリンクに飛んでください。すると日本語のサイトが出てくるので、ここで著者プロファイル(無料)を選択します。あとは著者の姓と名前をローマ字で記入するだけです。ここも注意が必要で、例えば佐藤をSatoと記載している人と、Satouと記載する人もいます。


Scopusのサイトに入ったら著者プロファイルをの項目を選んでください。


気になる研究者の姓名をローマ字で記入してください。所属機関は記載しなくてもいいです。


ではここでiPS細胞の作成法を開発してノーベル賞を受賞した山中伸弥(Yamanaka Shinya)先生を調べてみます。すると5人のYamanaka Shinyaが出てきました。日本にはノーベル賞を受賞したYamanaka Shinya以外にも4人のYamanaka Shinyaがいるそうです。彼らは絶対にノーベル賞を取ってない方のYamanaka Shinyaとしていじられたことがあるでしょう。

ただしここでも注意が必要で、山中先生は現在京都大学に在籍していますが、以前に他の研究機関に所属していた場合、京都大学のYamanaka Shinyaと別の機関のYamanaka Shinyaは同一人物であるにも関わらず、二人の別人として登録されている可能性もあります。
本題に戻りますが、山中先生は現在京都大学在籍中なので、一番上のYamanaka Shinyaを調べてみます。

最近は活動が減っていますが、化物の数値ですね。

全部無料なので色々いじってみてほしいのですが、ここでみていただきたいのは上部にある被引用数と文献数、h-indexになります。被引用数は、先ほど説明したように引用された回数を指します。んーこれは化け物。
文献数は自分の名前が載っている論文の数を指します。
上図下部では、各年の被引用数は折れ線グラフ、発表した論文数は棒グラフで確認することができます。ノーベル賞を受賞するに至った根拠論文は2006年に発表されているので、そこからの被引用数(折れ線グラフ)と論文数(棒グラフ)の上昇がとんでもないです。ただし最近は発表論文数が減ってきていると思います。おそらく偉くなりすぎて研究に時間があまり割けないのでしょうか?まだ61歳らしいので退官前にもう一華咲かせてほしいですね(謎の上から目線)。 


H-indexとは?


さて今回説明したかったのはh-indexです。これが研究者の戦闘力を指す指標だと個人的には考えています。

h-indexとは
n本の論文がn回以上引用されたこと
を示します。
 
ややこしいので例を出しながら、解説したいと思います。
一本の論文が一回引用されるとその研究者のh-indexは1です。では一本の論文が1000回引用されたとしたらh-indexはいくつになるでしょうか?

一本の論文が1000回引用されることはすごいことですが、このままではh-indexは1のままです。10本の論文でそれぞれ10回以上引用されるとh-indexは10となります。総被引用数は合計100となりますが、h-indexで比べてみると、前者より後者の方が高評価ということになります。
上記の例は極端ですが、h-indexは研究者の価値(戦闘力)の指標の一つして考えられています。

上記の例ではさすがに1000回引用された論文を1本持っている研究者は価値が高いと思いますが、現時点ではこの研究者は完全に一発屋です。
逆に100本論文を持っていたとしても、それぞれ引用数が0か1だった場合、h-indexは1となります。

被引用数が少ない論文をたくさん持っていても、引用されていないのであれば、それらの論文にはあまり価値がないと判断され、h-indexの数値は上がりません。

昔は論文を何本だすかが研究者の価値を決めるのに重要なファクターのひとつでしたが、それだと価値のない質の悪い論文を連発する研究者もえらいことになります。そのことを除外できるh-indexは、それなりに引用される論文を多く出してなければ上昇しません。H-indexという値にも問題があるものの、ある程度研究者の価値(戦闘力)を決める数値と考えて良いでしょう。山中先生の場合、105回以上引用された論文を105本持っているのでh-indexは105で、これも立派な化け物です。

茂◯健一郎のh-indexは


次にテレビを賑わせている茂◯健一郎(Mogi Kenichiro)大先生に関して調べてみます。彼はたくさんの書籍を持ち、テレビでも脳科学者として偉そうに色々と語っていますが、研究者として彼はどれくらいの価値があるでしょう。下の結果を見る前にぜひご自身で確認してみてください。

衝撃の結果はこちら、、、(閲覧注意?)
 

 





同姓同名のMogi Kenichiroの可能性もあるので注意

はいh-indexは1です。大学生レベルです。論文を4本出していますが、全く引用されてないですね。アカデミアの研究者としては、最低レベルです。クソ雑魚です。このMogi Kenichiro氏は理研所属時に論文を出しており、茂◯先生の経歴をwikipediaで確認すると理研にも所属していたみたいなので、本人だと思いますが違う可能性もあるのでご注意を。Wikiの研究内容と照らしても本人である可能性が非常に高いです。というか話はそれますが、4本の論文を全て著者一人で書いてることが驚きです。当時の指導教官は何をしていたのでしょうか。ちょっとこれは、、、(絶句)。あんまり深堀するのはやめときましょうね。

次に成田悠輔(Narita Yusuke)先生は、、、h-index: 8です。論文内容は彼が言っている内容と同様なので、このNarita Yusukeはおそらく本人(イエール大学の成田悠輔がそんな何人もいてたまるか)です。彼は経済学者なので、生命科学と一緒くたにはできませんが、まあまあ論文は出していそうです。イエール大学の助教は、日本の助教とはレベチなので普通に尊敬してます(それに関してもまた語れればと思います)。

生命科学の世界目線で見るとあんまり引用されてないように感じます。が彼の経歴は華麗です。



最後に落合陽一(Ochiai Yoichi)先生は、、、論文は181本出していますが、h-indexは16にとどまっています。彼は工学分野の研究者なので成田先生と同様生命科学系とは一緒には考えられませんが、生命科学研究者からすると、論文はよく発表しているが、あまり引用されてないように感じます。彼はまだ若いので、これから引用数はどんどん伸びていくのでしょう。また論文の引用数より特許等に重きを置いてるのかもしれません。彼は芸術等にも興味があり、マルチな才能を発揮しているので彼の価値こそh-indexでは測れないかもしれません。ただクリスマスツリーのデコレーションはちょっと。。。

脅威の論文数ですが、h-indexはそこそこです。生命科学系の教授は30位はあるように感じます。


いかがでしたでしょうか?この結果はあくまで目安です。これは茂木健一郎の結果ではなく、Mogi Kenichiroの結果であることを踏まえてください(別人の可能性あり)。また先にも述べましたが、これは全雑誌を網羅しているわけではないので過小評価している可能性もあります。ご注意してくだい。

これからテレビ等で研究者、学者を名乗る人たちが出てきたら、Scopusでh-indexを調べてみることをお勧めします。それでその人が本物なのか、それともテレビ用の人なのか判断できると思います。私の知る限り生命科学系の若手は10程度あればそこそこ、教授レベルはよっぽど若手でなければ30程度はあると思います。ちなみに私の戦闘力(h-index)は10を超えています、ふっふっふ。
 

後書き


今回も大げさに書いたので、みる人が見たら怒られると思います。実際には研究者の価値は数値化できません。茂木健一郎氏は新しい知見を得るという意味では現役研究者失格ですが、本を出して学術的な事をわかりやすく説明しているならそれは科学に貢献していると言えます。彼の本は読んだことありませんが。また研究者として狭い研究業界でブイブイ言わせたとしても、日本の中で茂木先生の知名度に敵う研究者などいません。なので違う角度から見ると、茂木先生は日本を代表する研究者です(断言)。
またh-indexにもカラクリがあって、これは、そもそも論文は何かということを解説しないと説明できません。なので次回は「論文とはそもそも何か?」というところを語っていきたいと思います。できれば週一で更新していきたいと思います。いいね、フォローしていただきますとモチベになります。コメントもいただけると次回以降取り上げる可能性もあるので、お待ちしております。


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