俳句のいさらゐ・物語仕様 ✧☽✧「松尾芭蕉/影法師①」
🎬 以下の文は、「俳句のゐさらい 松尾芭蕉『続猿蓑』より。「埋火 ( うずみび ) や壁には客の影法師」と「同 松尾芭蕉『奥の細道』その六。「世の人の見付ぬ花や軒の栗」の記事をもとに、読み物として仕立て直したものです。
元禄五年霜月 (十一月 ) 某日の午後、芭蕉は深川の庵を出て、川岸近くを一本の木切れが、己の歩みとちょうど同じ速さで流れてゆくさまを、我が孤影を映しているかとも感じながら清洲橋を渡り、水天宮の参道へとさしかかった。すでに今日の雇仕事を終えたと見える大