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科研費「請負人」ではないけれど。(1/4)--「予備校」でもない でもやはり朗報は嬉しい

 当方は科研費など競争資金申請書の書き方をアドバイスしているので、「科研費獲得『請負人』なんですね」などと言われたことが、これまで何度かありました。科研費始め競争資金は、取れてナンボの世界ですから、そのように名乗れるとコピーとしては受けて商売上は訴求力が高まるかもしれないのですが、「請負人」のたぐいは名乗っておりませんし、採択をお約束するものでもありません。

 同様によく訊かれることとして、当プロジェクトで関わった科研費の採択率はどうなのかと尋ねられることもありますが、私どもでは関わった申請の採択率については公表しておりません。

 仮に公表したところで、その「成果」に対して、私共どもがお手伝いした文章が、どの程度寄与しているのかを評価するすべがないからです。日々、実験を積み重ねている研究者の方なら、エビデンスを評価するための情報が不足していることはよくお分かりいただけるのではないでしょうか。「採択率●%!」と謳ったところで、予備校が「東大合格者●人!」とするのと同様に扱えないのは明らかだからです。

 とはいえ、このたび採択が発表された2000年度の科研費においてはお陰様で、弊社クライアントの複数の先生も申請が採択されました。採択につながったのは研究計画が優れていたのであって、文書はそれを適切に伝える役割を果たしたに過ぎないのですが、当方としてもやはり嬉しいです。筆者の先生方が、当方からのさまざまな指摘や質問に対し、根気強く対応されたことは言うまでもありません。

 「請負人」でないのなら、何者なのか。私どもは、「伴走者」であると考えています。申請者の方が書いたものを客観的な目で読み、伝わりづらいと考えられる部分を指摘すると同時に改善点を提案します。質問もたくさん投げかけます。それらをもとに、筆者の方はせっせと書き直しつつ、研究内容に対する思考も深めながら文書を完成させていくことになります。これが、プロジェクト名の由来です。

 次項でさらに詳しく述べていきたいと思います。

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