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会社と労働者は恋愛関係!?

サラリーマン金太郎という漫画をご存知でしょうか?
本宮ひろ志さん作の人気マンガで、ドラマにもなりましたね。
暴走族の頭をしていた矢島金太郎が、ひょんなことから大手ゼネコンにサラリーマンとして入社し、通常のサラリーマンでは考えられない仕事ぶりで活躍します。
その中の一節、金太郎が晴れて社員と認められて入社式に参加したときの言葉に、「私は会社と恋愛したい」という発言がありました。

この考え、いいなと個人的に思っています。
日本の企業の多くの使用者(会社)と労働者(特に正社員)の関係性は、
「親子」がもっとも近い感覚なのではないかと思います。
終身雇用制度が一般的な日本では、新卒で一度会社に入れば、会社としては定年までは面倒を見る義務が生まれています。
業績が順調な限りにおいては、正社員をクビにすることは、その人がよっぽど悪いことをしない限り、到底不可能です。

日本は解雇が厳しいというのは、日本で経営をなされている方なら誰もが感じていることだと思います。整理解雇(リストラ)において、日本では経営継続が困難な状況を示す必要がありますが、ヨーロッパなど海外諸国では、戦略の変更で当該部署がなくなるというようなことでも「正当な理由」と認められます。「ジョブ型雇用」が一般的で、会社の中で同じジョブがなくなれば解雇は当然ということです。アメリカはもっとドライのようです(ドラマでしか知らないので実情ご存じの方がいれば教えてほしいです。)
日本の場合、部署が無くなろうが、他の部署で雇用が可能ならば、それは正当な理由とはなりません。基本的に何があろうと正社員の雇用を守ることが日本の経営者には法的に求められていると言えるでしょう。まさに親子関係の「親」に近い感覚だと思います。

この日本特有の雇用型は、バブル期の日本を成長させた原動力でした。
しかし、それはGDPが安定的に成長し続けていた当時ではよかったのですが、バブルが弾け、成長が鈍化した中で、会社経営にかなりの足かせになっています。有期労働(契約社員)や派遣・請負の活用が進むのは、正社員じゃリスクが高すぎるからです。

厚生労働省は無期雇用の推進を進めています。キャリアアップ助成金という補助まで出しています。その方がその人にとっては雇用安定につながるのはもちろんなのですが、社会全体にとってはいいことだとは思えません。
また、「子(労働者)」にとっても、人生100年といわれる時代に60歳定年というのも、本当にありがたいことなのだろうか?と考えてしまいます。たぶん60歳定年でも「働かなくてはいけない」人はたくさんいると思います。私は今40歳を過ぎたところですが、20年後は60歳過ぎてもピンピンしている気がしますし、70歳くらいでも先の人生をまだ考えている気がします。

そこで今後の会社と労働者のあり方は「親子型」ではなく、「恋愛型」にシフトしていくべきではないだろうかと思うのです。恋愛型という形にして、お互い嫌なら終了すれば良いと思うのです。
具体的には・・・

  • 長期雇用前提であれば契約期間は特に定めず、定年も廃止

  • その代わりに、解雇にも法規制はなくす。2ヶ月前予告で理由なく解雇可能。

  • 退職金制度も廃止、基本は前払い(退職金一時金制度って定年まで働かないと会社都合の金額は貰えない…って)

  • 賞与も基本は前払い。本当にいいことがあれば支給。(このコロナで味わった方もおられると思いますが、業績悪化でゼロになる。通常時は数カ月分出たりするのはちょっと差が大きすぎ)

突拍子もない案と思われる方もおられるかもしれませんが、そのくらい大胆にやっていかないと、将来の日本の成長が見えてこないと思います。
炎上覚悟ですが、春闘とかやっている暇あったら働こうよ。会社が嫌なら辞めればいいじゃん。会社はいくらでもあるよ。と思います。
ただ、正社員の解雇規制があるため、転職はまだ容易ではないのが現状です。選ばなければかなりありますけどね。この規制がなければ、もちろんクビになっちゃう人も出ると思いますが、その分求人も一気に増えるはず。そもそもこれからどんどん人不足になるので、求人はほっといても増えていくと思います。増えていかなければそれこそ日本終了です。

親子関係って子が未成熟なうちはとても機能しますが、子が大人になれば離れるべきです。そういう意味では、最近いろんな方が提唱されている40歳定年制も悪くないと思いますね。

長くなりましたのでこの辺で。

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