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モチベーションを作り出すたった3つのこと

まんトレ@心理学で人生を変える社長です!

仕事上、相談を受けることが多いですが、結構多い質問の一つが、

「社員のモチベーションをどうすれば上げられるのか?」

というものです。

モチベーションに関する研究は古くからなされていましたが、決定的といえるものも今一つありません。

組織として、こうすればこうなる的なものはなかなか難しいのです。

というのも、個々人の個性や価値観は異なるので一般化しにくいというのが一番なのですが、その中でも比較的わかりやすい考え方について今回取り上げてみたいと思います。

飢餓を克服した世代

命令で人が動く時代は終わった!?

人のモチベーションは、時代とともに変化してきました。

太古の人類は、生きるためには働かざるを得ませんでした。

狩猟であれ、農耕であれ、働かざるもの食うべからず。だったわけです。

この時代のモチベーションをダニエル・ピンクはその著書

「モチベーション3.0」において、「モチベーション1.0」と名付けました。

その後、とにかく身の安全はある程度確保でき、工業化が進み始めたとき、指示・命令で動く「モチベーション2.0」の時代がやってきました。

アメとムチとでも言いましょうか。

指示通り動くことで報酬が与えられた時代です。

今の営業などの評価もこの時代を踏襲しています。

ノルマが与えられ、ノルマが達成されなければ罰(叱られたり、報酬が下げられたり)を与えられる一方、ノルマを達成すれば褒美がもらえるというもの。

この事が生んだ弊害は、ノルマのための強引な営業や法律すれすれの活動などがあげられます。

ダニエル・ピンクは今やモチベーション3.0の時代に入っているといいます。

若者が仕事に熱が入らない理由

よく聞く話の一つに「最近の若者は仕事に身が入らない」という話があります。

例えば、せっかく入社した一流企業を3か月で退職してしまったとか。

一見、理解不能なこの行動は、このモチベーション理論に当てはめてみるとスッキリ理解できる可能性があります。

現在の40歳代以上の人たちにとって、仕事とは生きる手段でもありました。

就職先を辞めることは、人としての生活を営めなくなるリスクをはらんでいます。

実際のところ、仕事を辞めたとき一番気になるのが収入の部分じゃないかと思います。

しかし、今の若者はそんな事お構いなしです。

次の就職先がなくても、ポンッと会社を辞めてしまいます。

職がないことに対する不安が非常に少ないんですね。

40歳代以上の世代は、「職がないこと=収入がないこと」と考えます。

逆に言えば、食べていくために(生きていくために)仕事が必要なんです。

だから、会社に不平不満があろうとも会社に居座るわけです。

しかし、若い世代は職を失う事に対する恐怖が少ない。

だからいとも簡単に辞めることができてしまいます。

生きるための仕事なら我慢もするけれど・・・

40歳代の人たちは「生きるため」つまりモチベーション2.0はおろか、むしろモチベーション1.0で仕事にかかわっている可能性が高い。

というと言い過ぎでしょうか。

サザエさん症候群(日曜日の夜に、月曜日から始まる1週間を考えて憂鬱になる事)を患ってもなお、死なないために出社するわけです。

しかし若者たちは死ぬとか死なないとかいう次元ではないわけです。

40歳代が食べるために仕事をする一方、若者たちは、

自分たちが働く目的・意味

を考える必要が出てくるのです。

その結果が、ボランティアに精を出したり、趣味の活動に精を出したり、自分探しの旅に出る。

という行動を起こさせるのではないでしょうか。

これこそが、飢えを克服した初めての世代の憂鬱なのかもしれません。

モチベーションを構成する3要素

やらされ仕事への抵抗

40歳代以上にとって、上司の命令は絶対です。

だから、指示されれば「やるのが当たり前」と考えて、いやでも何でもやろうとします。

そういった世代に支えられている今の企業のマネジメントは、未だモチベーション2.0の世界を抜けられません。

そんな中でも、それではまずいかもしれない…

そう考え始めた、経営者やマネージャーが将来的な危機を感じ取って、新たなマネジメントを模索し始めているのでしょう。

それこそが、冒頭の、

「社員のモチベーションをどうすれば上げられるのか?」

という問いに集約されているのでしょう。
では、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

ダニエル・ピンクはこの三つの要素が必要だといいます。

1. 自主性
仕事に対するコントロール。何をやるか、いつやるかといったことをコントロール出来れば出来るほどモチベーションは上がります。

2. 成長
前に進んでいる感覚。上達を感じられれば、それだけモチベーションは上がります。

3. 目的
仕事の意義。自分にとって意味のあることだと思えれば、モチベーションは上がります。

社内で実現できること

この3要素を一般的な企業に置き換えたとき、どんな風に実現可能でしょうか。

まず、自主性については、やはり「任せる」というところが大きいでしょう。

最近のリーダー論に通じるところでもあると思いますが、失敗を許容しつつチャレンジをさせることといえそうです。

あれこれ、転ばぬ先の杖を手渡すような上司の場合、残念ながら社員の自主性ははぐくまれません。

二つ目の成長については、上司としてサポートできるシーンはたくさんあります。

それは、成長を実感できるような声かけを行う事です。

もちろん絶対的な成長があるのがベストですが、若い人たちにとって自分のことが認められている。受け入れられている。という実感は少なからずモチベーションの源泉となりえます。

そして三つめの目的。

会社が与える目標ではありません(笑)

自分自身がコミットできる、目的や意味づけですね。

そういう意味では、今やっている仕事が会社のどんな役に立っており、会社が社会にどんな役に立っているかを知ることが重要です。

これは一気にそれを認識するのは難しいことも多いので、継続的な議論が必要になることがあるかもしれません。

実は、これらがそろっているのがボランティア活動なんですね。

自主的にボランティアに飛び込み、そこで多くの人に感謝されることで成長の実感を得られ、人のために働くことそのものが目的なわけです。

この流れを営利企業に持ち込むには、ひと工夫必要な部分もありますが、不可能ではないと思っています。

「人の心」を学ばずに経営する事のリスク

さて、ここまで書かれたことの中には、「そんなの知ってるよ!」と思われる部分もあるでしょうが、

「え?そうなの?」と感じる部分もあるのではないでしょうか。

一つ、付け加えておくと営業などにおけるインセンティブは「なくなれば仕事をしない」人間を作る可能性が非常に高い、ということが様々な実験から明らかになっています。

○○件、新規契約を獲得すれば○○円の報奨金!なんてやると、中長期的に見てかなり危険な状態になります。

これは、労いという意味付けがなされれば良い効果があるのですが。

こういったほんのちょっとの違いで組織を働きたがらない集団にすることもあれば、活気にあふれた集団にすることもあります。

そう考えると、人の心の動きを学ばずして組織を動かそうなどとは怖くてできないくらいです。

どんな形であれ企業が人の集まりである以上、人の事を学ぶことを辞めないで頂きたいな。と思います。






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