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1万円で世界を走ってみたら意外とイケた

車やバイク、自転車に乗る人は誰しもが考えたことがあるであろう願望

「絶景の中を走りたい」

私自身、この願望を叶えるべく、日本全国を走り回った結果、一つの答えにたどり着いた。

「もっと楽に走りたい」

目的地までの移動にかかわる費用や時間、身体的疲労・ハンガーノック、悪天候、路面コンディション、機材損傷・紛失、プライベートの変化(結婚・出産・引越し)と、ありとあらゆるトラブルや苦労、環境の変化を経た結果たどり着いた、避けては通れない、二律背反の真理である。

そもそもこれらのリスクを含めて楽しんでいるということもあるのだが、もうちょっとなんとかならんのかという希望と、この10年で国内で行ってみたいスポットは大方行きつくした感があったので、いつか海外を走ってみたいという新たな野望が、今回の『1万円(低予算)で世界を走る』ことを考えたきっかけだった。


①「世界」へ行く方法

このご時世、こちらから世界に赴く必要なんてない。そう。youtubeがあるじゃない。

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「車載動画」で検索すればノルウェーのフィヨルドを眺める道路から日本の酷道まですぐにヒットする。気になる動画を選べば一瞬で「世界」を見ることができる。

②「世界」で走る方法

当然、見えるようになった「世界」を走れるようにしなければ意味がない。そこで今回用意したのがこの2点。

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1.スマホをセットして使うタイプのVRゴーグル(¥500/ダイソー)

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2.自転車の後輪に取り付けて、室内でのトレーニングを可能にするサイクルトレーナー(¥6,950/謎メーカー)

いたって単純で、VRゴーグルで誰かが撮った車載動画見ながらサイ来るトレーナーで走ればもうそれは世界を走ってることになるよね理論である。

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セットしてみる。床傷つき防止のヨガマットと、走行時に出るタイヤカス受けを追加でセット。クリートは持ってないのでとりあえず室内スポーツシューズを使用。
負荷変更はできるが、基本コンセプトは楽に走ることなので、漕ぎやすさを維持できるところで固定。

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唯一の問題点はタイヤカスが出ることである。30分ほど漕いで細かいカスを確認したので、トレーニング用タイヤへの変更や、場所・掃除に注意が必要である。

続いてVRゴーグルにセットするスマホの設定。

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youtubeはVR再生モードがついており、通常の動画であれば映画館のような見え方をする。
2D動画をただVRゴーグルで見てるだけにように思えるが、意外と他の視覚情報が遮られるので、没入感は高い。実際に走ってても、周りをきょろきょろすることはないので、個人的には十分すぎる。
VRゴーグルを通してみると、スクショ以上に映像が大きく見えるので、あまり気にならなかった。

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360°カメラで撮影された動画の場合、以下のような見え方をする。
こちらは首振りに対応して360°の様子が見えるので、さらに没入感が高まる。まさにNYの道路のど真ん中にいる気分だ。

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これで世界を走る準備は整った。

VRゴーグルを装着し、自転車にまたがる。
おぉ!思った以上にこれは走ってる感じがするぞ!
一定の画質があるなら、2D動画でも全く問題ないレベルだ。
定速で走る動画が多いから、一定の負荷・ケイデンスで走る体の感覚にも違和感がない。

目的地までの費用:¥7,450(車体・スマホ除く)初期費用のみ
目的地までの所要時間:0分
身体的疲労:なし
ハンガーノック:心配なし
天候:最高
路面コンディション:心配なし
機材損傷・紛失:心配なし
プライベートの変化(結婚・出産・引越し):子守中でも可

なんということだ。
すべての懸念をクリアしてしまった・・・。

てはじめにスイスのOberalp Passを16分走ってみる。
峠道だから本当なら相当のアップダウンがあるはずなのに、まったく辛くない。
なにより絶景なので走っていて飽きない。
室温20℃で16分漕いでじんわり汗をかき始めるくらいなので、エクササイズにもちょうどいいかもしれない。

youtubeは再生時間の速度変更ができるので、自分の走りたいスピード(時間)に調整できるのもうれしい。

とりあえずしばらく続きそうな自粛期間、私はこいつで世界中を旅することにする。



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