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必見!AIでビジネスしたい会社は失敗する前に読んだほうがよい!~AIに取り組む上で直面する壁をフィクションで表現しました~

ども、Leo(@LeoPorters)です。

前回は「AIに取り組む上で直面する壁は何?!」を書かせていただきました。 ただ、文字数の制限でどうしても一般論がメインとなりましたので、 今日はもう少し詳細に踏み込みたいと思います。

では、前回は「データの量と質を確保できないとAIって難しいよ~」という話でしたが、 今日は、データの量と質はある程度担保できた前提にしましょう。

分かりやすくするため、以下の人物に登場していただきます。
株式会社P:人材紹介業行っている会社、人材派遣もこの数年力入れています。
IT促進室担当:Lさん
事業責任者:Kさん
AIベンダー:O社

※まじで本当にフィクションの人物たちですから、Pはどの会社とか、Lはだれなのか、連想はやめてくれ~
そして(※)を使って、僕のツッコミをいれております。笑

背景:P社は人材紹介を長年やられており、さらに事業成長させるため、経営層はLさんに「ITを活用してさらに現場の効率を上げ、売上130%成長させましょう」というミッションを与えました。
Lさんは、すぐ今注目されているAIを活用できないかと思い、AIベンダーのO社に相談しました。

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 シーン1:コスト編

Lさん:AI活用をしたマッチングのアプリ自社のシステムに搭載したいです。 できますか?そしておいくらかかりそうですか。
O社担当:ぜひぜひ、一緒にやりましょう!うちは人材系のAIでは初めてですが、医療領域やマーカー領域で成功事例がありましたので、ご安心ください! 
(※業界全然違うじゃん、安心って何を?)
コスト
ですが、まず要件定義からスタートさせていただきますので、明確の見積もりはその後になりますが、今までの経験で行きますと、だいたい以下のような想定です。

→要件定義(0.5人月)
→データチューニング(0.5~1人月)
→AIアルゴリズム構築(1人月)
→お客様より結果フィードバック(0人月)
→PDCA回して修正していく(1人月想定)
→本番実装(別途見積)

Lさん:お!早ければ2.5人月ぐらいで結果見れるんですね。早いですね。
1人月単価はいくらですか。
O社担当:今は市場相場は400万円/人月こえておりますが、御社特別価格で人月350万円でやらせていただきます。 
(AIエンジニアは確かにバブっているので、高いですね・・)
Lさん:・・そうですか・・じゃ少なくても900万ぐらいかかりそうですね。分かりました。やりましょう。

シーン2:本番実装難編

O社担当:精度はさらに向上させていく余地はありますが、70%正しいレコメンドは出来ると数字データは示しておりますので、一旦現場に使っていただき、反応を見ていただけますか?
Lさん:了解です!早速使ってみてもらいましょう。本番データを入れて結果を現場に見せたいのですがデータはどうすれば連携できますか?
O社担当:すみません。データ連携は最初の要件に入っていないので、CSVを吐き出してAIのモデルにインポートしていただけますか?
Lさん:・・・データ更新する場合は?
O社担当:更新する場合もCSVですね。データ連携も可能ですので、追加でご提案させていただきます。 少しコストかかってしまいますが・・
Lさん:・・・
O社担当:データ量が多い場合、学習結果出るまで、一日以上かかる場合があります。
Lさん:・・・

※ポイント1:
どんどん当初の予算が膨れ上がっていきますよ!最初から本番とつなぐ場合のフローを入れて考えるべきでした。
※ポイント2:
データを入れてAIが結果を出すのは、データ量によって時間がかかります。よほどコストかけて作らないと、リアルタイムのレコメンドはなかなか難しいのが現実。
どこまでリアルタイム性を求めるのか、許容範囲はどのぐらいの時間なのか、あらかじめ要件定義の時に認識して開発会社と合意するのがいいと思います。

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シーン3:現場体験の課題①

Kさん:早速現場に使わせてみたけど、精度に疑問があるとの声が多かったですね。
Lさん:具体的にいただけますか?
Kさん:例えば、求人番号No.232の求人内容にフィットした求職者一覧ですけど、転職回数が3回超えている方が入っていますよ。
Lさん:転職回数をフィルターで制限すれば解決できますね。改善します。
Kさん:それだけじゃないです。例えば、No.278の求人の職種と求職者の希望職種と合わない、そして希望勤務地も、希望年収も、現住所もかけたいな、学歴も大事、資格もいれてほしい、あとは今のステータス とかとか (※おいおい、このままいくと、年齢とか性別とかも言いたいくなるでしょ。いい加減にしろ)
Lさん:(若干めんどくさくなってきた)じゃ全部フィルターをかけるようにします。それでいいですか。
Kさん:まあ、とりあえずやってみるしかないですね、今のマッチングだと、合わない人が出てくるので使えません。

シーン4:現場体験の課題②

Lさん:前回言っていたフィルターを全部かけました。もう一回見てください。
Kさん:見ましたけど、レコメンドの数がものすごく少なくて、ほとんど使えないですね。1件2件しかなかったり、0件のものも多く出ています。結果使えないですね。
Lさん:えー?フィルターあんなにかけたら、1件2件になるのが普通じゃないですか。
Kさん:そっか、でもフィルター全部かけちゃうなら、そもそもAIって何をするの?
Lさん:・・それは・・ (※いい質問だ、僕も答えられない)
Kさん:とにかく可能性がもっと欲しいです。でも条件が合わないと紹介できないので、それも考慮してほしいです。もう少し調整していただけますか。
Lさん:もう予算全部使っちゃったので、今年は難しいですね・・
Kさん:そうですか、じゃ一旦通常の検索にして、来年プロジェクト再開できたら連絡してください。
Lさん:・・・  (※今年の評価は決定だな)

ポイント3:
現場が要望する"AI"と本当のAIと、異なる場合が多くあります。
AIを活用すると、条件検索では見つからない人材を発掘できることがいいところなのに、AI結果をさらに絞り込みすぎると、意味がなくなってしまいます。可能性と条件検索は期待度によって矛盾するという事実の認識が必要なのです。

しかも、現場はなぜか分からないけど、AIに対する評価はものすごく厳しいですね。自分の仕事が取られちゃうかもという危機感もあるのかな?

皆さん、いかがでしょうか。自社でもこんなこと起きたことありませんか?

まだまだツッコミたいところですが、今日は一旦ここまで。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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PORTERSは、世界中の人材の最適なマッチングを生み出す製品やサービスを提供し、人材ビジネスの発展と拡大に貢献しています。

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#コラム #ビジネス        #マーケティング    #AI   #人材ビジネス

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