見出し画像

マジでいらねえのに、僕の大親友が毎年のように、ある写真を送ってくるようになった。


朝っぱらから
鼻を勢いよくかむ音が
何度も何度も
職場内に響きわたる…


ふーーーんッ!!!!


フーーーンっ!!!!


ふーーーんッ!!!!
 


「どうしたん???風邪?」


セイジツ君
「いや、ちゃいます!アレルギーです!!」



「ふーん。ま、最近ずっと
 連勤みたいやし
 身体気つけやー」


セイジツ君
「はい!でもアレルギーなんで
 大丈夫です!!」
  

それからしばらくして…
  


ふーーーんッ!!!!


フーーーンっ!!!!


ふっふーーーんッ!!!!
  


美奈代
「どうしたん???セイジツ君!
 大丈夫?風邪?」


セイジツ君
「いや、ちゃうねん!
 これアレルギーやねーん!」


美奈代
「へー。なんか大変そうやね…
 かわいそうに、大事にしてね!」


セイジツ君
「ありがとうーーー」
  


またしばらくして…
  


ふふーーーんッ!!!!


フフフーーーンっ!!!!


ふっふーーーんッ!!!!
  


おっさん
「どうしたん?セイジツ!
 風邪か?」


セイジツ君
「いや、ちゃうねん!
 これアレルギーやねーん!
 今日だけで、何回言わせんねん!
 三回目やぞッ笑」


おっさん
「しらんやん!笑
 何回目なんかなんて…笑
 
 風邪ちゃうん?
 今日ずっとフンフン言ってるで…」


セイジツ君
「みんなにも、風邪って言われるんです笑」


おっさん
「まあせやろな笑
 多分朝より、顔赤なってるで!
 それ多分風邪ちゃうか…」


セイジツ君
「風邪…なんですかねー????
 ……。ちがうわっ!!笑」


そこへ、僕がやってきて言う。



「セイジツ君、風邪治ったん???」


セイジツ君
「アレルギーですって…苦笑」


頑なに風邪だと認めないセイジツ君…


そこへ、美奈代もやってきた。


美奈代
「セイジツ君…風邪の調子どう~???」


セイジツ君
「だから…
 アレルギーなんやってばーーーー笑」
   
  

その日の夕方。
セイジツ君が僕に近づいてきた。


セイジツ君
「あのぉ~ですねぇ~
 ちょっとお時間いいですか?苦笑」



「お。なに?どうしたん?
 体調悪いんか?」


セイジツ君
「いやぁ~アレルギーなんですけど…
 風邪になってしまったら
 ”この後”困るんで…
 らむとさんの持ってる風邪薬
 もらえません?笑」



「それは、全然ええけど…
 最近ずっと仕事仕事仕事やん。
 もう後やっといたるから
 帰りよー笑」


セイジツ君
「いや。それは大丈夫です。
 アレルギーなんで!!
 最後までいます!」



「ほほ笑
 アレルギーねぇ~笑
 はいはい。
 ロッカーにあるから勝手に取って
 飲んどきー!
 ちゃんと、何錠か見るんやでー
 多分3錠やわ!」


セイジツ君
「ありがとうございますーーー!!」


ロッカーに向かい
風邪薬を手にしたセイジツ君。


それを飲もうとした瞬間に
おっさんと目が合う…


おっさん
「やっぱ風邪なんやん…笑」


セイジツ君
「ちゃいますから!!!
 アレルギーですから!!!!笑」


おっさん
「へぇ~~~~~~笑」


その日を境にセイジツ君は
一週間余り
仕事を休んでいて
職場に姿を見せていなかった…
   
  
そんなある日
休憩室で談笑していた僕たち。


会話が、とうとう最近見ない
セイジツ君の話になった。



「最近セイジツ君来てるー?
 会った?」


おっさん
「全然会ってないなー
 あの風邪ひいてた日からちゃうか?
 来てないの。
 もともと、休み提出してたみたいやけどなー」



「あーそうなんやー。
 もともと、休みの予定やったんや!
 それで、連勤しまくってたんかなー?
 あいつ大丈夫かな?笑」


美奈代
「ほんまやなー。。。
 心配やなーセイジツ君…
 大丈夫かなー?」


その会話の後
僕はセイジツ君のスケジュールを確認すると
どうやら明日まで休みのようだった。
  



(大丈夫なんかいな…あいつ。
 あっ!!アイツのフェイスブック見たら
 現状わかるかも???)
  

けれど、セイジツ君は
元々、SNSを更新しないタイプである
しても、プロフィール画像を変更するくらい。


だからやっぱり
フェイスブックを確認しても
更新されていなかった。


単純に心配だった。
みんなも心配していた。
しばらく考え込む…
  


そして
僕はひらめいた。
  


(そうだ!あいつの彼女の
 フェイスブックを見てみたら
 何かわかるかもしれない!!!)


僕は、セイジツ君のページから
彼女のページに飛んだ。


ページが読み込まれた。


その瞬間に…


1週間ぶりのセイジツ君と再会した。
更新は
風邪症状の後の日付だった…


彼は、満面の笑みだった…


しっかりカメラ目線だった…


被りもんもしていた…


楽しそうだった…


船のハンドルを
なんちゃって♪操縦していた…


僕らが心配をしていた人は
元気にディズニーシーを
彼女と満喫していたみたいだ…
  
   
話を少し戻そう。

セイジツ君は僕から
風邪薬をもらうとき
言っていた。


セイジツ君
「いやぁ~アレルギーなんですけど…
 風邪になってしまったら
 ”この後”困るんで…
 らむとさんの持ってる風邪薬
 もらえません?笑」

風邪になってしまったら
 


”この後”困るんで…
   


”この後”困るんで…
  

困るんで…
  


困るでしょうね!!!笑
  


どうやら、本当にあの時
しんどそうにしていたけれど
みんなのお節介だったみたい。


彼はアレルギーだった。笑
ピンピンしていた。笑


なんだか
船のハンドルを
なんちゃって♪
操縦している写真に
再び目をやると…
イライラしてきた…笑


でから、僕は
おっさんや美奈代に
セイジツ君
元気みたいだよってだけ伝えた。


みんな安心していた。
  

次の日、久しぶりに
セイジツ君が出勤してきた。
手ぶらで。
  

「ディズニーシーのおみあげは?笑」


セイジツ君
「な…なんで
 知ってるんですかーーーーーーッ??笑」



「なんでやろな?笑」


セイジツ君
 「おみやげなんですけど…
  みんなに行くこと
  言ってなかったので…
  な…な…ないです苦笑」



「なんでやねん笑
 被りもんあるやん!」


セイジツ君
「あ!あれいります?笑
 らむとさんだけにあげましょか?笑」



「お前ってやつわ…笑」
  


それからしばらくして
彼のLINEのプロフィール画像が
変わっていた。
  

船のハンドルを
なんちゃって
操縦している写真だった…


やっぱり
イラっとしたけど…
 

その当時の彼女が
彼の嫁さんになってるから
嫁さんに免じて
許してあげることにした笑
  

また次回。

無料で先読みしていただけます。
次の話へはコチラから ↓↓↓↓




(๑╹ω╹๑ )