見出し画像

読書記録「世界史は化学でできている」

「世界史は化学でできている/絶対面白い化学入門」
タイトルに惹かれ、図書館で借りた一冊。
何を隠そう高校時代、世界史は大得意だったが、化学は大の苦手だったのだ。ただ読んでみて化学が好きになったかというとそうでもない。中性子とイオンが出てきたあたりでやはりつまづいた。昔からこのあたりでどうもつまづく。

物語的な流れのなかで世界史と化学を叙述するのかと思ったが、割とそれぞれの章はぶつ切りである。陶器、薬、石油、金属などそれぞれの項目についての事象を淡々と述べている。文字で書いた資料集といった感じだろうか。

既知の事柄も多かったが、やはりまだまだ世界には知らないことが多いと知る。マイトナー博士はもっと知られてもいいのではないか。
面白かったのが、理科教育の大切さを訴えるために、ある高校生が「水」をあえて「DHMO」という名前にし、街頭でその使用を禁止する署名を求めたところ、通行人のほとんどが署名をしたという話だ。
多分その場にいたら私も署名をする。
ネットやSNSで様々な情報が氾濫するなかで、理科教育の重要性は増しているはず。私も学び直そうと思っている。

全体的にこの本に対し、若干物足りなさを私は感じたが、あくまでも「入門」なのでここから何かを調べようとする入り口にするにはいいのかもしれない。
一点、残念ながらジャガイモのところでルイ14世とルイ16世が混同されていた。改訂を願いたい。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?