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目指せ、ピラティス完熟王。


呼吸と筋肉、そして背骨に向き合う40分間。

そんなピラティスの時間は、もう私の生活に欠かせないものと化してしまったようです。




最近のレッスンで行なった、横を向いて腰で身体を支えて頭と手脚を上げるポーズがあります。


「このポーズの名前はバナナです。」

「ば、バナナ?ですか?」

「そうです。バナナ。」

「うっ、、バナナに、なりきる、、、」

「はい!バナナ、完熟王ですね。あはは。」


こちらは笑いたくても笑えない。何故なら私はこのポーズを保ってバナナになりきる必要があるから。力を抜いている場合じゃないんです。

完熟王、、完熟王に、俺はなる!

すぐそういうことが頭に浮かんでしまうのでつい口を開きたくなるけれど、開けば集中が途切れてしまうことは分かっています。

自分の腹斜筋を励ましながら、私は頭の中でだけ宣言して、完熟王バナナになりきり続けました。寒いよーと外を歩いてきたのが嘘のように、身体はじんわりと汗をかき始めていました。

息を吐いて、しずかに吸って、ながーくふかーく吐いて。もっと、もっと、吐ききって。

レッスンの導入では、まずゆっくりと呼吸を重ねることが多いです。考えてみれば、こんなにも自分の呼吸だけにフォーカスすることって、普段の生活ではありません。何かをしながら呼吸をしているのではなく、ただただ呼吸をする。それがとても気持ち良く、リラックスできる術なのだと知りました。

レッスン序盤では気持ち良いと感じられていたゆっくりとした呼吸は、ひたすら腹筋や下半身の筋肉を意識したポーズを続けるレッスン中盤から終盤にかけては、とても難しくてしんどいものとなります。

冒頭のバナナポーズもそうですが、それでももうひと呼吸頑張って、ゆっくりと元の姿勢に戻る。戻る時もゆっくり戻すのでまだしんどい。そうしてようやく地面に着いた身体全身を脱力させる。この瞬間の感覚で、仕事で使った脳の疲れが飛んでいく気がするのです。


パソコンと向かい合う仕事でかたまってしまっている首や背中を伸ばしたり、硬くなった背骨を柔らかく使えるようにしたり、そういった身体のメンテナンスとしても、私はピラティスが好きだなと思います。

そもそも背中をまるく使う、という意味が最初は分かりませんでした。けれど通う内に、背中をまるく使って背骨を一本ずつ剥がすように上体を起こしたり下げたりすることが出来るようになってきました。


ジムで筋トレは3日とて続かなかった私ですが、筋トレがあらゆることに良いと言われる理由が、ピラティスをするようになって自分なりに分かった気がするんです。

この、「ちょっとしんどい」を頑張ってみる、そして乗り越えるということを、脳ではなく身体で体験できることが、心に良いのかなーと。

更にこれはなかやまきんに君的に言うと、頑張るのか頑張らないのかどっちなんだい!?という自分との戦いで、比べる対象は他人でも周囲でもない。

そしてその頑張った小さな成功体験が積み重なっていくと、自分が確実に変わっていることに何処かで気付くのです。

私の場合はダイエットというより姿勢矯正目的で始めましたが、完全に腹筋がついてきたと思います。そして最近になって周りの人にも身体の変化を言ってもらえるようになりました。変化に気付けると、続けてきて良かった〜とも思えます。


この私がわざわざ出向く習い事を続けているということは奇跡に近いのですが。その理由は単純に、ピラティスが自分に合っているからなんだと思います。生活の一部と化しちゃったならこっちのもんです。

筋トレ、ヨガ、ランニング、水泳、球技など身体を動かす方法は様々ありますが、もちろん相性がありますよね。当たり前ですが、相性が合うものは、楽しい!!と感じて続けられるんですね。

自分の呼吸を感じて、身体と向き合う時間。頭の中を空っぽに出来る時間。これからもそんな時間が日々の生活の中に在るように、ピラティスを続けていきたいです。

少なくとも、完熟王になるまでは。

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