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バリアスデイライフの魅力と改善してほしい点

初期はApple Arcade専売製品であり、プレイできるプレイヤーがかなり制限されていたバリアスデイライフが数年たってやっと買い切り版になり……そろそろ自分の思う魅力など言語化してみたいなぁと思ったので、記事にしてみました。

※媒体ごとに違いのある点は含まずに記事作成しています。
※後から文章の修正や画像の追加を行うことがあります。
※メインシナリオのネタバレは含みません。



◯魅力的な点

まず、魅力だと感じた部分から行きます。

・「RPG世界の日常を体験する」というテーマへの徹底ぶり

 ここが一番凝っていて魅力があるところかなと思います。
 そもそもバリアスデイライフの基本の流れ(仕事でお金稼ぎ→娯楽施設や仲間との交流でリフレッシュ)が既に日常の体験になっているんですが、他の部分でもこの世界で「体験」させてもらえるところが多いんです。

 このゲームでは街の外で活動する「外征」によって新大陸アントエシアを制覇することが目標となっています。システム的にはこの外征を「クエスト」としてこなしていくことでストーリーが進んでいく仕組みです。

 外征は本作における冒険や戦闘部分となっているのですが、移動中は(チュートリアルクエストを除いて)常に最大HPが減っていく仕様であったり、それを食料で回復する必要があるもののカバンに入れられる物資の数は限られていたり、その中で魔物との戦闘を行わなければならなかったり……といったシステムが外征の厳しさを体験させてくれます。移動中も弱るところがちょっと俺屍っぽいかも。

そろそろボス戦前……という場面。忘れず「キャンプ」で食事と睡眠をとっておきたいですね。

 そんな厳しい外征をこなしていくと新都エレビアには様々な変化が現れます。「背景」が少しずつ変わったり、こなしたクエストによっては可能なコマンドや購入出来るアイテムも増えたりという形で人々の生活に影響を与えていく様子が分かります。

物語序盤のバックストリートはこんな状態ですが……。
外征が進んでいくとこの通り立派な建物に。

 またこのゲームでは、施設のコマンドによっては移植民達がしている「噂」を聞くことが出来るのですが、この「噂」の内容でも変化を感じられるようになっています。

 例えば、序盤は噂の種類自体が少なく、その中に「生活が苦しい」「仕事が疲れる」などの不満が含まれているため、これらを目にすることが多いてす。しかし外征が進んでいくと新しく見つかった地区の話をするようになったり、「武器の扱い」について話し合ったり、時には「恋バナ」までするようになるほど話題が増えていくため、序盤よりも不満の声を噂として聞くことが減っていきます。つまりプレイヤーが行った外征によって生活が豊かになったことで、不満以外の話題を上げられる余裕が生まれているんです。それをこういった形でも体験できているわけです。

サーカスを楽しんだ帰りに聞こえた噂。どこからそんな話になったのかを考えるのも面白いかも。

 ちなみに、この「噂」から出た話題は、各施設で行えるコマンドの「話す」で利用できます。「話す」は利用した話題によって外征がしやすくなったり、仕事の報酬が増やせたり様々な効果が得られるコマンドなのですが、話の内容自体も大変豊富。
 住人達と関わっていくことで良い情報を知って物事を有利に進めたり、そのNPCの意外な一面や過去を知ることができたりするこの感じも日常の一幕を感じさせます。


 余談になりますが、「話す」システムで知ることが出来る情報ってほんとに多岐にわたるんですよね。NPC自体の身の上話はもちろんメインキャラクターの掘り下げがされたり、「本国(移植民達が元々住んでいた帝国のこと)」の文化や生活の一端であったり、ストーリーの伏線になりうる情報だったり…と実に様々。ここで得られる情報量が半端じゃないので「話す」についてはまた別の記事でも作って語りたいですね。
語りました!ご興味あれば是非。


制限のないエレビアとは違って、本国では好きな仕事につくのも一苦労するようです。
「恋バナ」の話題を振ってこんな顔を見せてくれるキャラも。彼女の好きな相手は実は……。

 ちなみに「話す」の対象ではないNPC達も外征の進み具合によって台詞が変わります。そして新年には新年の挨拶をしてくれるなどの反応を見せてくれることも。細かい……。 

街中のNPC達に近づくとこんな感じで新年の挨拶をしてくれます。



・「ジョブ」の豊富さ


 バリアスデイライフでは20種類を越えるジョブがあるのですが、これがとにかく個性的。
 「戦士」「騎士」といった王道なジョブがある一方で「釣り人」「政治家」などの異色なものまであるという幅の広さは相当のもの。
 ジョブによっては「衣装はそのジョブの制服」であることもあるためか、デザイン自体も奇抜なものではなくゲーム内の日常を感じさせるものになっています。

 各ジョブのアビリティも仕事を行なって獲得する物なのですが、この際のエピソードも各ジョブの「日常」を感じさせてくれるものに仕上がっています。作品テーマに良く添っている…。


 主人公はこれらの仕事に仲間から誘われることで新しいジョブを獲得出来ます。その前に仲間キャラが元々ついているジョブに加えて新しくジョブを得ていくのですが、その際の多くの理由がキャラの日常の一部であったり、生き方を象徴していたりするのがとても良いのです。
 仲間キャラクター達が新しく獲得するジョブは簡単には予想がつかない。けれどもとてもそのキャラらしい。ほんといいバランスです。




・個性豊かな仲間達


 元気いっぱいで明るく可愛らしい「給仕」、女性好きだけど憎めないところのあるオシャレな「仕立て屋」、面倒見が良くちょいワルで酒好きの「修道士」、好奇心旺盛でトラブルメーカーな「学者」などキャラクター達はみんな様々な個性を持っており大変魅力的。

 また仕事中のエピソードやクエスト前のストーリーなどキャラクター同士の掛け合いも多く、非常に賑やかです。楽しい。キャラの扱いも「このキャラだけやたら影薄すぎない?」といったことも無いので大変安心。

誕生日にはそのキャラのために仲間達が集まることも。仲が良い。
時には各アビリティのエピソード内で仲間の悩みを解決しようとしたりもします

 さらに、メインストーリー以外でも彼らとお出かけしたり、一緒に催し事に参加したりして新密度を上げると彼らのことをより深く知ることが出来るようになっています。これまでどんな日々を過ごしていたか、新都での日常に何を思っているか、など様々なことが分かるのですが、これがどのキャラも丁寧。凄く良い……。

 前述した通り仲間達みんな個性的なので、どのキャラも仲良くなるのが楽しいです。「個性的」では済まされないような一面を持つキャラもいたりしますが……。 

プレイヤーには決して予想できない発言が飛び出すことも。いやこれは予想できないでしょう。

ちなみに、Apple Arcade配信初期には一部キャラクターについて公式アカウント上でこのような紹介ツイートがあったりもしました。
下記のような情報が他に載っているところと言えば、他はファミ通ぐらいなので結構レア。




・戦闘システム「3つのCHA」


 バリアスデイライフの戦闘では独自のシステムとして「Change」「Chain」「Chance」という「3つのCHA」があります。ざっくりいうと状態異常を変化させた回数が多いほどトドメの一撃が強くなるシステムです。


 なんというか、状態異常を付与して戦略を有利にするのではなくて何度も変化させて回数を稼ぐことで威力が大きくなるって時点でもう面白くないですか?私だけですかね……。状態異常を付与するとなると、通常はそれを持続させるか、もしくは状態異常が利いているうちに倒すかとかそっちになると思うんです。でもそうじゃなくてむしろ積極的に変化させるというのが珍しくて面白いなぁと思います。
 実際に「3つのCHA」を利用するとダメージが数倍にもはね上がっていくのは見ていて爽快ですしね。手強い敵が「3つのCHA」を利用してきた時の緊張感も凄いですが……。

 またCHANCEになる条件も「水浸しの時に雷を魔法を使う」とか「火だるま状態の敵に風属性の魔法で攻撃する」とかそういう感じなのも良いんですよね。理由が分かる感じ、といいますか(一部よく分からないのもありますが)。
 ただ、慣れてくると流れが固定化してしまうところはありますね。

相手が水浸しなので「雷の魔法」がCHANCE状態に。雷はとても強いので個人的にはおすすめです。
 



・音楽


「外へ征く君よ」はゴーレム戦で流れるBGM。大変良い曲なので聴いてほしいです。

 椎名豪さん(鬼滅の刃とか担当してる方ですね)手掛けるBGMが大変良いです。特に「外へ征く君よ」がとても好き。ああでも砂漠地区の戦闘BGMとかも好き、荒野地区もいい……。

 ともかく良曲揃いなのですが、このゲームの音楽で特に凄いのは「バリエーションへのこだわり」だと思います。

 主人公含む移植民達が暮らす新都エレビアにももちろん専用BGMがあるのですが、なんと春夏秋冬で曲が違います。凄い。また新都エレビアは大きく「メインストリート」「港エリア」「雑踏小道」「バックストリート」「ロッテルム宮殿」の5つの場所に分かれているのですが、なんと場所ごとにBGMアレンジが変わるというこだわりっぷり。ここだけで既に4×5=20曲ある。多い……。

 さらにこのゲームでは仲間キャラクターと協力して必殺技が出せるシステムがあるのですが、必殺技使用時に流れるBGMがキャラごとに違います。これだけでも嬉しいのになんと仲良くなるほど曲が豪華になるというこだわりよう。

仲間と協力して繰り出す「必殺技」!仲良くなるほど豪華になるBGMにテンションが上がりますね

 上記のようなバリエーションの豊富さから、配信されているサウンドトラックに収録された曲数はなんと全部で111曲という大ボリュームぶり。多い。なのに未だに物理のサウンドトラックがないなんてどういうことなの……。



・イラストの豊富さ


鏡の前で「スマイル!」大変可愛らしいイラスト。

 とにかく多い。このゲームではアビリティが100種以上あるのですが、これらは全て該当する仕事をこなすことで覚えていくことが出来ます。そしてその仕事一つ一つにイラストが用意されているんです。つまり既に100種以上ある。やっぱ多い。イラスト自体も可愛らしかったり勇ましかったりと、仕事の雰囲気に合わせた内容で見ていて飽きません。

大蛇に勇敢に立ち向かう騎士アデレード。勇ましい。
時には他の仲間がイラスト内に登場していることも。

 またキャラクターごとに催し事も用意されているのですが、それもキャラ固有のイラストになっています。イラストだとやたら面白くなるメルハード好き。

真面目なジルダが準備に取り組む一枚。真剣な表情です。
一方クールなメルハードはまさかのこの顔。思わず笑顔になってしまったプレイヤーは多いはず。

 なおこのゲームではキャラクターと一定以上仲良くなるとそのキャラ専用のエンディングも追加される仕組みなのですが、なんとそこではフルカラーのイラストが用意されています。ちなみに仲間キャラは全員で9人。ほんとに多い。

 浅野チーム作品で、ゲーム内でこんなにたくさんイラストが見られる作品そうそう無いと思います(トライアングルストラテジーの立ち絵の多さも凄かったですが)。褒め言葉として言いますが力の入れ方がおかしい。そしてこの膨大なイラストを全て収録しているアートブックが早期購入特典でしか手に入らないのも本当におかしい。いつでも買えるようにして欲しい、もったいなさすぎる……。



・浅野チームらしいシナリオ


何をもって「浅野チームらしい」とするかを語るとネタバレになってしまうので、この記事では内容を割愛します。出来れば実際に遊んで知って欲しいので。



・「オクトパストラベラー」を連想させる要素の多さ


「大人向け物語三部作」とされる3作品。左から「旅情編」「日常編」「戦場編」となっています。

 実はオクトパストラベラー(旅情編)、バリアスデイライフ(日常編)、トライアングルストラテジー(戦場編)の3種は浅野チーム作品内で「大人向け物語三部作」であるとされています。はっきり言及しているのが早期購入特典のアートブックだけという状態なので、知っている人は限られているわけですが……。(トライアングルストラテジー発売前にも仄めかす発言自体はあった)


ネタバレも含まれますが、他の共通点については下記の記事でまとめています


 上記作品の中でもオクトパストラベラーを連想させる要素がかなり多く、同作を遊んでいると「これあれじゃん!」となれるものが本当に多いです。そもそもメインキャラクターの1人の名前が「エルフリック」ですからね。

新都エレビアの領主である彼。オクトラ、トラスト既プレイヤーなら驚くこと間違いなし。

 他にもあんな技やこんなジョブ(とアビリティ)、そんな敵やこんな単語がどんどん出てきます。既プレイヤーに嬉しいおまけ要素ですね……。

「学者」でジョブ特性が「予習」。オクトラ世界の誰かさんを連想した人は何人いるでしょうね。
魔物達の中に見覚えのある姿が。他にもあんな敵こんな敵も出てきますが、ここでは割愛します。
「飲食街」は小ネタの宝庫、他にも色々あるので是非見てほしいです。





◯好き嫌いが分かれるなと思った点

次は好みが分かれそうな部分となります。と言ってもこの記事では1つだけなのですが、これが結構評価に影響しているようです。


・育成システム


今日は曜日ボーナスでMP9倍!この仕事しよう!!というのを楽しめるなら問題なし。ですが……。

 バリアスデイライフは日常×冒険RPGと銘打たれているようことからRPGに分類されていますが、実際のところはほんとんどシミュレーションです。
 特に仕事による育成が大部分を占めており、日々の仕事で経験値とお金を稼ぎながら時には娯楽を楽しみ時には仲間との交流を楽しむ様はまさしく"日常の体験"と言えます。

 今日は「MP」に9倍ボーナスつくからこの仕事やって……ああ体力が減ってきたからこの施設で休んで……いやあのキャラと食堂に行くのもアリかも……そろそろイベントあるから今のうちに噂の効果使って……という具合に日々やりくりしていくゲーム性が好きな人はハマると思います。モンスターファームっぽさがあると考えるとイメージしやすいかも。

 ようは「コツコツ積み重ねる作業ゲー」なので、作業ゲー自体が苦手な人には向かないゲームです。バリアスデイライフの評価が分かれている一番の原因がおそらくこれ。
「RPGをやろうとしたらほとんど作業ゲーだった」という感覚になりやすい
のも評価の分かれやすさに拍車をかけているように思います。
仕様的にオクトパストラベラーやブレイブリーデフォルトに比べるとややライト層向けの仕上がりになっているのも「思ったのと違う」感が出やすい原因かも。

 作業ゲーが好きじゃない方だと「同じことの繰り返しで飽きる」といった感想になりがちです。まあそうなりますよね……。逆にこの手のゲームシステムが好きな人だと「仕事が楽しすぎて外征が進められない」という声が上がったりすることも。ついつい仕事しちゃったりするんですよね、分かります。

 ゲーム性に対する好みはどうしようもないものだと思います。オクトパストラベラーでは特徴の1つである「フィールドコマンド(NPCに干渉出来るシステム)」で「めんどくさいシステム」という声が上がったことがあるくらいですし。凄く良いシステムなのに……。





◯改善して欲しい点

 最後に改善してほしいところをば。壊滅的、というよりはもうちょっとこうしてくれれば!というのが多いように思います。 


・外征システム


 このゲームにおける戦闘部分ですね。
 敵と遭遇したときの選択肢が「倒す」か「撤退」するだけな点が地味に辛い。しかも撤退するとそのクエスト自体をやめることになり、最初からやり直すことになるので……。
 クエストをやり直すこと自体は設定的に正しいので気にしてませんが、出来ればボス戦以外ではその戦闘だけ戦わずにやり過ごして進む方法が欲しかったですね。
 また最初は全然良いのですが、終盤になると敵が出現するポイントも体力も増えます。特に体力が問題で、雑魚敵の体力もゲーム内で与えられる最大ダメージ9999を普通に越えてきます。3つのCHAなどシステムの特性をしっかり把握していればそれでも数ターンで終わりますが……。「進みたいなら倒すしかない」システムと合わさると流石にちょっと。



・アイテム収集系クエスト


 外征クエストの中には「◯◯◯を3つ獲得」などの収集クエストがあります。内容自体は他のゲームでも見るような条件なのですが、問題なのは下記仕様関連との噛み合いの悪さなんですよね……。

 ①該当アイテムを特定のモンスターが持っていることがあるが、「特定のモンスターを選んで戦闘する」ことができない
 ②敵が出現する機会を意図的に増減させることが出来ない
 ③外征時の移動は自動であり、クエストは踏破率が100%になった時点で終了する
 ④クエスト失敗時にアイテムの獲得状況は引き継がれないため、次同じクエストを行う場合は最初からやり直し

 これらが組合わさるとどうなるかと言うと「戦闘回数に限りがあるものの、その中で戦いたいモンスターだけと戦闘することはできず、失敗したら次は最初からやり直し」という具合になります。もうちょっとどうにかしてほしい。
 とはいえこれらのクエストは序盤では体感ではっきり分かるレベルでクリア条件となるアイテムが落ちやすくなっていますし、中盤になると「運び屋」というジョブの「集荷(敵からアイテムを獲得出来るアビリティ)」も使用可能になるので考えられてはいます。集めなきゃいけない個数も3つと少ないのは救い。ただこの「集荷」を獲得していない時期や便利さに気付かなかった場合はこの手のクエストにほとんど運で挑むことになるのでしんどい。

アイテム収集の強い味方「集荷」。このように対策が取れないわけではないのですが……。


 クエストによっては「馬を入手するとクリア不能なのでは?」という声が上がったこともあります。該当クエスト「透明で綺麗なもの」は実際は全然クリア可能なんですけど、タイミングとかもろもろの理由で難易度上がっちゃってるのは確かですね……。



・ジョブ性能のバランス


 予想のつかなさとキャラらしさのバランスはいいのですが、性能面ではちょっと悪いかなと思います。
 あまりにも使いどころが限られているアビリティが多いジョブがある一方で、どのアビリティもすごく使い勝手が良過ぎるというジョブも存在する格差があるので……。

 主人公の場合はどのジョブにも変更できるので別に良いのですが、仲間キャラは1人につき3種類の固定ジョブと決まっているため、ジョブの使い勝手がキャラの使い勝手に繋がってしまうのもちょっと良くない。まあ「この組み合わせじゃないとクリア出来ないのでは!?」となりそうなレベルではないので平気ですが。ゲームクリア後に解禁される高難易度クエスト以外は……。



・シナリオの見返し機能がない


 メインシナリオ、仕事エピソード、親密上昇時のイベントなどなど、これら全てにバックログ機能はあるものの見返し機能は全くないのです。なので基本的にもう一度そのエピソードを見たい場合はそのイベント前にセーブしてデータをとっておくか、ゲームを1からやり直すかしかないです。
動画撮っておくかスクショ撮るかでも見られますが、数がすごいことになってしまうので大変。
エピソードの数が豊富かつ見応えがあるものばかりなのでかなりもったいない。欲しかった……見返し機能……。



・移動がやや面倒


 新都エレビアでは5つの場所に様々な施設が点在しています。ただ場所が5つにも分かれているぶん、その中の施設のどれかにまで移動するのがちょっと手間なんですよね……。
 まあシナリオ最序盤(草原地区の蛮族討伐の完了)まで行けば、ゲーム開始時点ではグレーアウトしているコマンド「エレビア移動(選択するだけでその場所に瞬時に移動できる機能)」が解禁されるのでずっと街をぐるぐる走り続けなきゃいけないなんてことは無いのでそこはさほど問題でもないです。

 では何を改善してほしいかというと、気に入った場所の登録機能がないところですね。このゲームのパターン的に慣れてくると「自分のお気に入りの場所によく通う」ことが増えることを考えるとそんな機能があっても良かったのかなぁと思います。まあ気にならない人は気にならない程度だと思いますし、あれば嬉しかったなぐらいの問題かなと思います。個人的には。

 余談ですが、「お気に入りの場所に通うようになる」というのは「日常」って感じがして良いですね。



・シナリオの一部


 全体的には丁寧にシナリオが組んである印象なのですが、一部に関してはもうちょっと描写や説明が必要なんじゃないの?という感じなのが惜しいです。宮殿説得時の敵の扱いとか。
 シナリオ内の要素の組み合わせ方だとか進め方だとかは考えられていると思うし好きなんですけど、ちょっと詰めが甘いところがあるんですよね……。とはいえ物語全体が大きく破綻しているとかでは全然ないので、ほんとに"惜しい"の一言。



・高難易度クエストの「SCENARIO」表記


 些細な部分ですが、さすがにいただけないので……。
 バリアスデイライフでは物語の進行に必須のクエストは「SCENARIO」と表記されます。それ自体は良いのですが、問題はストーリークリア後に解禁される高難易度クエストには物語も何もないのにこの表記なんですよね……。

 クエスト自体が大したことなければまだ良いですが、このクエストは全キャラのレベルを最大の99まであげていても普通に撤退することがあり得るという高難易度ぶりを誇っています。
 そのため「SCENARIO」表記から「クリアしたら追加ストーリーが見られるのでは?」と期待して挑戦したプレイヤーはあの恐ろしく難易度が高いクエストをやっとの思いでクリアしても物語なんて何もない事実にぶちあたるというあんまりな事態になってしまいます。

 あのクエストの本来の立ち位置は腕試ししたいプレイヤーだけがやればいいクエストだったと思うのですが、表記一つでこの有り様なのでもう少し気を付けてほしかったです……。



 育成システムやまだ荒削りな戦闘システムから好みが分かれやすいゲームとは思いますが、バリエーション豊富なBGMや「日常の体験」に特化した作り込みによって出来上がった「地に足をつけた」世界観に興味がある人は是非公式サイトや公式動画を見てみて欲しいです。



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