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2024年2月を振り返る(2)

 日記を書き始めた。日々、感じたこと、考えたことをしたためていくのは面白い。
「なぜ文章を書こうとするのか」を真剣に考え抜いたすえに出た答え——数年後あるいは数十年後の自分に向けて現在の自分をありのままに記録しておくこと——を導きだすことができたから、私は日記を書き始めたんだと思う。

 いっけんエアチャイナのレビューを書いているように見える下の記事も、日記である。

 自分はずいぶん無理をしていたのだと思う。演劇公演が終わると、かなりの体重を落とすのはいつも通りのことだけれど、今回の無理のしかたはとくべつだった。今までに経験したことのない無理のしかただった。

 自分の作品を多くの人に気に入ってもらえるようにマスの視点からつくった作品だった。それを目指していた。私のこれまでの作品というのは、どちらかといえば、少数派の視点に立っているものがほとんどである。
 多数派に向けた作品をつくってみても、少数派の立場から作品をつくってみても(負荷の種類は違えど)自分はくよくよと悩むし、それなりに傷つくのだということがわかった。
 だったら、どうせ傷つくなら、自分がほんとうにつくりたいものをつくらなければ損だ、と考えた。マスを意識して作品をつくったところで自分の報酬が増えるわけじゃないのだから。

 処女作のタイトルはとても長かった。長過ぎるのでここには全部記すことができないが、タイトル中に「期待するから裏切られる」という文言が入っている。
 処女作を書いたとき、私は20歳だった。その頃から、人生に期待することをやめていた。期待していないから失望することもなかった。けれども、自分の周囲の人々は人生に期待している。
 私は、かれらの期待に巻きこまれるようにして人生に期待せざるを得ない状況へと詰め寄られていたのだろう。
 もういち度、原点に立ち返る必要がある。

 2月初旬からずっと新作の戯曲を書いていたんだけれど、下旬に差し掛かったところで書くのをやめてしまった。タイ旅行の準備やら転職に関連する事務作業やらに追われていたから。

 事務作業の大半を終えて、タイから帰ってきても、続きを書く気にはなれないでいる。
 書きたくなったら書くのだろう。
 けれども、自分がほんとうに書きたいものと異なるものを書くのはもうやめにしよう、と思ったのだ。

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