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2024年2月を振り返る

 2024年2月は12回noteを更新した。

 1月28日に作・演出をした演劇公演『「またまた」やって生まれる「たまたま」』を終え、自分が今後どんな作品をつくるべきか、つくりたいかを考えるために、芸術や創作に対する自分の考えかたを、月の前半では書いて、まとめていた。

『私の芸術の原点』では「風景のような演劇をつくりたい」という永らくの構想を思い起こした。

『「またまた」やって生まれる「たまたま」』ではインタビューから演劇をつくるという性質上、言葉に集中をせざるを得なかったが、私が本来やりたいことは「風景」の造形であるということに、あらためて気がつく。

 私が目指す舞台芸術はモネに近く、ダムタイプに近く、ゴダールに近く、太田省吾にも近いのだということを再確認する。

 ここまでが自分の作家性の話。

 しかし、演劇というのは作家性だけで運営することは難しい。演出家は人を巻きこむための口実をつくらないといけない。
 そう、口実である。作家ひとりの作品を、メンバー全員の作品にするために、この作品をつくりあげることにどんな社会的意義があるのかを語らなくてはならない。

 けれども、社会的意義がある作品が面白いかと訊かれれば、かならずしもそうとは言えないだろう。
 だから、作家と演出家を兼ねる者は自分の内側で別個の人格を2つ飼いならさないといけない。それができないと芸術と興行を両立することはできない。
 2つの人格が同じ方角を向くことはあまりに少ない。2つの人格はいつも違う方角を指さして、
「あちらへ行くべきだ」
 と言う。私は困惑する。どちらかの言うことを聞かないと前に進むことはできない。
 私は、2つの人格をもつ主人として、2つの人格のそれぞれの主張に折り合いをつけてやる。作家と演出家を兼ねる者にはそういう能力が必要とされる。

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