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年上に愚痴られる人間でありたい

疲れがたまっているはずの年末、
たくさん愚痴を聞いたのになぜか心は晴れ晴れしていた。
「言っても仕方ないけど、やっぱり言いたい」そんなことをわざわざ話せる人間だと思ってもらえたことが嬉しかったのかなあ。

先日、以前勤めていた会社でお世話になりまくった方と食事に行った時の話です。

その方は、前投稿したAさんと同じくらい
わたしが尊敬する女性

Aさんの素敵エピソードはこちら

今回お会いした方、仮にTさんとしておきます。

とにかく強い女性

このTさん、わたしの母親世代の年齢で
娘さんがちょうどわたしと同い年くらい。

どんな逆境でもちゃきちゃきと自分の仕事をこなし、
周りの状況も見る事が出来る方。
時には上の人へ代表して意見もぶつけてくれることもありました。

わたしの抱いていたTさんのイメージは
とにかく強く、たくましい。
とても頼りがいのある母のような存在でした。

そんなTさんと久々の再会。

相変わらずお元気そうな姿が
見られてすごく嬉しかったです。

会ってすぐ、ほんとに2秒後くらいで
会社の様子を話しはじめたTさん。

久々のマシンガントークは
「こういうのに困ってる」
「相変わらずあの人がねえ…」
というようなよくある会社の愚痴から。

ネガティブな話って
ちょっと嫌な気分になったりもするけど
Tさんから聞くと不思議とそんな風にも思わず。
逆に清々しいような気すらしてくる。

Tさんのお話の仕方がおもしろおかしくて、
楽しく聞けたというのもありますが。
「年上の女性に愚痴られるっていいものだなあ」と思ってしまいました。

一体何だろうこの気持ち。

わかってるうえでの愚痴だから

当たり前ですがTさんの方が経験豊富。
仕事でも家庭でも
色々な修羅場を乗り越えてきた方です。

わたしにアドバイスや解決を求めているわけではないことは明らか。

不満の原因に関しても
どうするべきか分かっているし、
憎くて仕方ないというようなものでもない。

その上で話をしているから
わたしも身構えずに聞けるし、
嫌な気持ちにもならなかったのだと思います。

会社を離れた今の立場だから、
引いた目線で話を聞けたのもあるのかな。

だれでも愚痴りたいことはある

全てが完璧な人ってたぶんいないから
みんな仕事だったり
家庭だったりそれぞれ色んな悩みがあって。
それをちょっと聞いてもらいたいなって
時はあると思うんです。

何かの本?で読んだ話ですが、
女性って答えは求めてないけど
1日のノルマのように話す分量が決まってて
誰かに発散しないと気が済まないとか。
(全ての女性に当てはまるとは限らないし、女性以外もあるかもしれないですね)

「話す事」が目的で話していることがあるんです。

相談したいのではなくて
ちょっとこぼしたいだけ。

それを受け止める相手として
話してくれてると思うとなんだか嬉しい。

オチがない、
ただ言いたいだけのこと
だけどちゃんと聞いてほしいことって
誰にでも話せるわけじゃない。

きっと、
よく旦那さんが奥さんの他愛もない話を
聞き流して怒られるというやつです。

旦那さんは奥さんのノルマ達成のためだと思って聞いてあげてください。
毎日は困るかもしれませんが。

女友達で集まるとみんなここぞとばかりに
割とどうでもいい不満話が繰り広げられます。
「女子会は悪口大会」みたいに揶揄されたりもするけど、大体は誰かを貶めるような話ではなくて「とりあえず話したい」こと。
誰にでもある、悩みごとです。

誰かを貶める悪口大会をしている人もいるのかもしれないけど、女子会全部がそうではないよ、という話。

女性が集まってぐちぐち言ってるの自体が嫌だと思っている人、すみませんが少しばかりは許してやってください。言わなきゃやってられないんです。あなたにも誰かに愚痴りたい時はあるはず。(きっと)

信頼している人に信頼されると嬉しい

もちろん不平不満の話だけではなく、
一通り愚痴が終わると
楽しい話をして盛り上がりました。

友達のような、
あるいは母と娘のような関係が
今も続けられていることが嬉しかったです。

実の母親も、
娘がわたし一人なので
会うたびに、日頃のノルマが達成されずに溜まりに溜まった分をぶつけてくるのですが
(別に深刻な話ではないし答えは求められてない)

やっぱり実の親子だと
こちらも少し聞いていてイライラしてしまったり、
話半分になったりします。
だってわたしも話したいことあるし。

やれやれ、と思いながらも同時に
母親に信頼されているという気持ちにもなる。
自分の弱さを明かして「女同士」として信頼して話してくれてるんだなーと。

毎日だと困りますけどね。

人間同士という考え方

Tさんの話に戻ると、
最近生まれたというお孫さんの話もしました。
(全くおばあちゃんに見えない…)

「やっぱお孫さんって可愛いですか?」
というわたしの質問に対して

「もちろん可愛いけど、孫って存在が可愛いというよりは血の繋がった人間として見てるから。
全然違う生き物だけど同じ人間だからね。孫というより人間って感じ。」

という独特の回答をしてくれたTさん。

孫だからどうこう、ではなくて
血の繋がった人間だという言葉が
なんとなく素敵だなと思いました。

子どもは守るべき存在ではあるけれど、
必要以上に可愛がったり支配したりするものではない。

関係性で人は相手を判断してしまうことがあるけれど、基本的は人間同士。
そういう考えだから、色んなものを受け止めて、受け入れてきたんだろうなあ。たまに愚痴をこぼしつつも。

なんだかすごく深くて大きなものを
教えていただいたような気持ちになったわたし。
しみじみとした酔いの残る中、
強くてたくましい女性の背中を見送りました。

Tさん、ありがとうございます。
また話したい事が溜まったら会いましょう。


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