「アナと雪の女王」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート10】
映画「雪とアナの女王」の1シーンです。エルサが作った雪の怪獣(マシュマロウ)にアナとクリストフは追いかけられます。そして、崖まで追い詰められ絶対絶対のピンチに陥ります。
① Hopefully. (そう願う)
セリフでは、”... it'll be like landing on a pillow. Hopefully.”「.... 枕に落ちる感じさ。そう願う」と、崖から落ちた時に、下はクッションのように働く深雪だから多分大丈夫だろうと希望的観測で Hopefully が使われています。
この Hopefully を取り上げたのは、置かれる位置(前か後ろ)によって伝わるニュアンスが異なるからです。
Hopefully を前に置くと、
“Hopefully it'll be like landing on a pillow.”「うまくいけば、枕の上に着地するだろうね」=「枕の上に着地するような感じになるといいね」
と初めから話者(クリストフ)はそうなることを願っています。
でも、映画のセリフのように
“it'll be like landing on a pillow. Hopefully.” と後ろに置かれると「枕に落ちる感じさ。そう願うよ」と、「そうであって欲しいけど無理かなあ」といった悲観的なニュアンスが伴う文になります。
Hopefully は副詞なので基本は、文の中で置かれる位置の自由度は高いですが、ニュアンスの違いが生まれることはあります。これも英語の面白いところですね。
② Okay, Anna. On three.「行くぞ。3つ数えて」
「3つ数えたら(…する)」の “On three” です。On the count of three が省略された形で、”One, two, three” と3つ数えたら皆が一斉に何かを行う時に使います。
このシーンでは、3つ数えたらクリストフとアナが崖の下に飛び降りるという設定で、On three が使われています。
“If I say, “1, 2, 3”” や “If I count to three” といっても同じですが、On three がとても簡潔な言い回しだと思います。
あまり知られていない表現ですが、覚えておくと使える表現の一つです。
③ I was born ready! Yes!「やるぞ!」
この表現はユニークで大好きな英語ですね。
“I was born.” は「私は生まれた」ですが、後ろに形容詞がきて、「生まれつき〇〇だ」という意味になります。
ready「準備ができた」なので、I was born ready, で「生まれつき準備ができている」が直訳ですが、「準備にかけては生まれつき私はすごい」=「いつでも準備万端だ」という意味になります。
ちょっと大袈裟な言い方ですが、「いつでも声をかけてね。準備できてるから」という決意が伝わってきますよね。
I was born ... は次のようにいろんな語をともなうことができる汎用性の高い表現です。
He was born talented.「生まれつき才能がある」=「才能に恵まれている」
I was born curious.「生まれつき好奇心がある」=「好奇心旺盛である」
I was born creative.「生まれつき創造的である」=「創造性に溢れている」
「生まれつき〇〇だ」は “She’s a born 〇〇.” と言い方もあります。
She’s a born leader.「生まれながらリーダーの素質がある」
No one is a born genius.「生まれながらの天才はいない」
④ We totally lost Marshmallow back there.「マシュマロウはいないよ」
これを取り上げたのは、lost「失った」は “I lost my wallet.”「財布をなくした」のように物が来る場合が多いと思ったからです。
後ろに(人)が来ると「…を見失った」「…がいなくなった」という意味になります。このセリフでは、”We totally lost ...” なので「完全に…を見失った」となります。
ただ、We lost our kid. は、「子供を亡くした」という意味にもなるので、文脈が大切になってきます。
No one is a born genius, and what counts is an effort we make. Why not enjoy studying English!
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