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まじか!それアリなんだ…!~元・野生動物研究室の井口もびっくり、超パンクなアフリカ動物記 ②~

パンク動物記紹介記事①の続きです!
ぜひぜひ、①(リンクはこちら!)のほうからお読みいただけますと幸いです!

大切なのは「遊ぶ」こと!             -パンク町田さんの日課―

 何から答えましょうか??

 わたし、パンク動物記の冒頭がすーごい気になっていて。朝起きたら「ザブーン!」夜になれば「ウオォーウ!」…
100種を超えるいろんな動物たちのお世話をしている、というところです。
パンクさんって、日本ではどんな毎日を送ってらっしゃるんですか?

 ぼくね、みんなと毎日遊んでるだけなの。今も昔も変わらず、 飼っている動物たちと遊ぶってことを、毎日必ずやっているんです。

 ええと、遊ぶというと、「ボールとってこーい!」みたいな…。

 うん、それも1つですね。
遊ぶ、ていう意味はね、動物にいろいろ教えるっていうことなんです。遊ぶ、というより、ゲームをするっていう言い方のほうが分かりやすいかもしれませんね。
動物たちにとって、「何かを学んで実践する」ことは、本来、とっても大切なことなんですよ。

 ふむ…。何か1つ、ゲームの例を教えていただけますか??

 一番よくやるのは、餌をどこかに隠して、動物に探してもらう、ってやつです。これは動物園でも環境エンリッチメント(※動物福祉の観点で、動物がより健康的に過ごせるよう、飼育環境に対して行われる工夫のこと)としてよく実践されてることですね。

 そっか、野生だと、毎日自分で食べ物を調達しているんですもんね。

 そういうことですね。「あの動物が鳴いたら危険が迫っている
んだ」とか、「あそこの木にはいつも実がなっているな」とか、生きるために覚えていく必要がありますよね。
飼育下だと、そういう刺激がないんです。だから、こうやってゲームをするんです。

 毎日たくさんの動物相手にゲームをするのって、きっと想像する以上に大変だと思います…が、動物が健やかに暮らすためなら、なんでもやっちゃいますよね。

動物からの信頼を守る-動物園でリラックスしてもらうためにー

 動物を飼ってる施設はね、当たり前かもしれないけど、動物が大好きな人たちが働いてるんですね。もちろんぼくも含めて。
だからこそ、本当に大切に、動物を扱います。飼われてる動物はね、飼育員さんのことが大好きな場合がとても多いんです。

 たしかに、本の中には、パンク町田さんに心を許した動物たちがたくさん出てきますよね。

 ふふ。アフリカの動物でそれがわかりやすい子だと…例えばキリン。
キリンは、動物園にいると、野生の倍くらい生きるんですよ。

 倍ですか!ていうと、20年くらい…!

 日本では30年以上生きている子もいるんです。ぼくはこれがね、動物園で飼育されているとはいえ、どれだけ元気で健康に暮らしているかっている証拠だと思うんですよ。
安心して、リラックスしてくれているんですね。

 本の中にも、動物園のキリンは4時間くらい座って眠るとありましたね!野生では10分くらい、しかも立ったままでしか熟睡することはないっていう。

 なんなら飼育下のキリンが大の字で寝てるのを見たこともあります笑

 すごい分かりやすいリラックスエピソードですね笑

 もちろん、そういう動物ばかりじゃない、てことには当然注意する必要はありますけどね。
人間が飼育することで、寿命が縮む動物はいっぱいいる…それはたしかなんです。砂漠とか極地とか、そういう特殊な地域で生息する動物は特に。

 そういう動物に会いたかったら、こちらが出向くべきなんでしょうね。

 その通りです!!

キリン

【人も動物も、リラックスタイムはとっても大切!】

  もう一つ覚えておいてほしいことがあるんですが、一度人といて安心感を覚えてくれた動物に、絶対にやってはいけないことがあります。

 なんでしょう…、裏切ること、でしょうか。

 広い意味ではそうですね。人を頼って生きている飼育動物なのに、構ってあげず、寂しい思いをさせること、なんです。
信頼を、裏切ってはいけません。
寂しい気持ちにさせるというのは、餌をあげない、と同じくらい、やってはいけないことです。ものすごいストレスがかかることなんですよ。

 人がそばにいないと寂しいだろー!…っていうのは、人間側の驕りかと思っていました。

 たしかに、ひとりの時間を楽しめる動物もいますけどね。猛禽類とかがそうですよ。
あとは、普段群れで生活する動物や、夫婦で行動する動物をひとりにするのも、同じくとてもストレスをかけてしまう。大変良くないことですね。

 動物の性質に合わせて、丁寧にお世話する必要があるんですね。

パンク町田さんが、こどもたちに伝えたいこと

 パンク町田さんが、この本を読んでくれたこどもたちに、一番伝えたいことってなんでしょうか。

 「動物に歩み寄ろうと努力する」という経験をたくさんしてほしいですね。その経験から学んだことは、君にとって非常に大切な糧になりますよ、と言いたいです。

 詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。

 ぼくはこどもの頃、人との接し方に迷っていた時期があったんです。
仲良くなる方法、が、分からなかったのかもしれません。常に「ぼくが一番正しいんだ」って思っていたような気がします。それがある時、犬を飼って、ハッと気づいたんです。当たり前なことを言いますが、犬を飼うと、仲良くなるために一生懸命になるじゃないですか。我慢することだってたくさんある。

 早く学校から帰ってお世話しなくちゃ、とか、休日も早く起きて散歩に行かなくちゃ、とかですね。

 そうそう。なんていうか、「ぼくが一番正しいんだ」だけじゃどうにもならないですよね。笑

 たしかに、そうですね。笑

 そこなんです。相手と仲良くなるためには、「ぼくが正しい」とばかり思っていては相手の痛みや思いに何も気づけない。つまり「歩み寄り」が大切だってことがわかったんです。
こんな感じで、いろんな動物に歩み寄ろうとするたびに、それぞれが違った学びを僕にくれました。オオタカとかはyes か noかがすごくはっきりしていて、今でもとても勉強になります。

 いろんな動物と付き合うことで、いろんな人との付き合い方を知ることにも繋がるんですね。

 「いろんな動物と」ってところがポイントですね。犬は犬のこと、オオタカはオオタカのことしか教えてくれませんから。

 名言です…本当そうですよね。

みんなとパンクさん

【こどものみなさん。ぜひ、いろんな動物と接してみてね!】


 残念ながら、もうお時間が…!!
パンクさん、今日は、お忙しいところたくさんのことを教えてくださり、本当にありがとうございました!!

 いえいえ。今度また、ぼくの運営する施設にいらしてくださいね。
こちらこそ、ありがとうございました!

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本の中の、パワフルなアフリカのパンク町田さんも、直接お会いした、穏やかで優しい日本のパンク町田さんも、すごく色々なことを教えてくださいました。

いつでも動物最優先の姿勢に、脱帽です。


『パンク動物記 アフリカの最強動物』。
ぜひ、お手に取っていただけますと幸いです。

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パンク町田さんプロフィール

1968年 東京生まれ。
NPO法人生物行動進化研究センター 理事長
アジア動物医療研究センター センター長
特定非営利活動法人日本福祉愛犬協会(KCJ) 理事
日本鷹匠協会鷹匠、日本鷹狩協会鷹師、翼司流鷹司、鷹道考究会理事、日本流鷹匠術鷹匠頭。

昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家であり、動物作家。
野生動物の生態を探るため世界中に探索へ行った経験を持ち、3000種以上の飼育技術と治療の習得を生かした執筆はベストセラーを生み出す原動力となっている。

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