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新米A子、あこがれの今泉先生に会う。

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 「ポプラディア第三版」の生物項目の校正作業が終わり、校正シートのファイルを編集長に送りました。(写真のサメはA子の分身ザメです。)
 その直後、編集長からの驚きのメッセージが…

A子さん、校正作業おつかれさまです。
今度、「ポプラディア第三版」の監修のごあいさつで今泉先生のもとに伺いたいと思います。もしよければ生物ジャンル担当としてA子さんも一緒に行きませんか?お話を聞いているだけでも勉強になるのではないかと。聞きたいことがあったら質問してもいいし。

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 【あまりの出来事にアゴが外れる様子】

 ほ、ん、と、ですか!!!!!
今泉先生ってあの今泉忠明先生ですよね。夢でしょうか???
こんな新米を連れていくとは、編集長はなんて素晴らしいお方なのだ。
(ちなみに編集長は、個性派で面白い方なので、今度登場してもらいます。)
これだけでもポプラ社に入った甲斐があります。感動です!

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 【ひとまず、小躍り】

 在宅勤務中のA子は自室で立ち上がり、本当に小躍りしてから、早速返信しました。
「小学生のころからの憧れの先生です…!喜んで同行させていただきます!!!」

憧れの先生、今泉先生

 ご存じの方も多いと思いますが、改めて今泉先生がどんな方かご紹介させてください。

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 生態学・分類学の動物学者で、現在、動物科学研究所 所長、日本ネコ科動物研究所 所長、「ねこの博物館」 館長 在任。
 これまで文部省 (現・文部科学省) の国際生物計画 (IBP) 調査や環境庁(現・環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査など、様々な調査に参加。トウキョウトガリネズミの生態捕獲に世界で初めて成功。
 また、調査研究のみにとどまらず、「小学生がえらぶ!"こどもの本総選挙"」の1位に輝いた『おもしろい!進化のふしぎ  ざんねんないきもの事典』(高橋書店)をはじめ、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社) 、『どうぶつのかお ならべてみた!』(ポプラ社) など、動物に関する本を数多く監修 。
 さらに、『気がつけば動物学者三代』(講談社)、『ボクの先生は動物たち』(ハッピーオウル社)、『巣の大研究』(PHP研究所) など、著書は50冊以上!

……と、調査研究・執筆活動ともに、ものすごいお方なのです。

 今回、今泉先生に「ポプラディア第三版」の監修と「図書館マルシェ」(ポプラ社主催のオンライン選書イベント)でのトークショーをお願いし、恐れ多くもそのごあいさつに伺うことになりました。

 そして、A子が今泉先生を敬愛するようになったきっかけは、小学生時代にさかのぼります。。。

読書感想文が苦手でした

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【東海大学自然史博物館にて、小学4年生のA子。恐竜も好き。】

 わたしは図鑑も読み物も好きでしたが、読書感想文を大の苦手とする子どもでした。毎年、夏休みの第一週に本を読み終わるのに、最終日に泣きながら読書感想文を書いていました。
 「なんで本の感想を大人に見せなければならないの…わたしだけで楽しんじゃいけないの?」と。

 そんな小学4年生の夏休み。
 近所のイオンの大垣書店で、偶然見つけた凛々しく美しいエゾリスの表紙に惹かれて、『ボクの先生は動物たち』を買ってもらいました。
 この本は、今泉先生の幼少期の体験から動物学者になるまでの動物たちとのエピソードや、数々の動物調査の様子など、動物たちから今泉先生が学んだことを生き生きと綴った読み物です。
 わたしは家に帰ってすぐに夢中で読み、「動物学者ってこんなにかっこいいの!?この本の面白さを誰かに伝えたい!」と興奮し、初めて読書感想文が楽しく書けたのです。

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【今泉忠明 『ボクの先生は動物たち』(ハッピーオウル社) 】

 幼い頃から図鑑は大好きでしたが、その図鑑の先にいる研究者を意識したのは、この時が初めてだったかもしれません。
 A子が生まれてから毎日見ている富士山のふもとでの調査や、遥か彼方アメリカのイエローストーン国立公園での調査。動物の撮影のためにじっと待ち続ける姿や、地道に何度も標本の計測を行う姿。小学生のわたしには、本の中で語られるその全てが純粋にかっこいいと思いました。この本が研究者に憧れるきっかけになったのです。

 打ち合わせの前夜、『ボクの先生は動物たち』をしみじみと読み返しました。念のため、分身ザメも一眼レフも持って、さらに『ボクの先生は動物たち』と『ざんねんないきもの事典』も荷物に詰めました。

 小学生の頃のわたしに、あの今泉先生とお話できる日がくるなんて言ったらきっと信じられないでしょうね。


そして迎えた打ち合わせ当日

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【「カメラは苦手なんだよねぇ」と言いながら、朗らかな表情の今泉先生】

 緊張しながら当日を迎え、ついにあこがれの今泉先生にお会いすることができました!!!打ち合わせでは、動物にまつわる様々なお話を伺いしましたが、なにより先生の熱を感じたのは、やはり調査研究のお話でした。
 今泉先生は著書で度々、「やはり調査研究が楽しい」ということを綴られており、今回の打ち合わせでその意味を実感しました。研究者に憧れたわたしの小学生時代を思い出し、とても嬉しく感じました。
 僭越ながら、A子も自己紹介させていただきましたが、分類学を専攻していたことと元サメ飼育係ということに驚いていらっしゃいました。
(そして、読書感想文のお話をお伝えしたところ、照れ臭そうに「あの本を読んだの…!めずらしいねぇ…どうもありがとうございます。」とおっしゃっていました。本当に謙虚なお人柄でした。)

 ここで、その打ち合わせの様子を少しだけお伝えしたいと思います。

 早速、先生に現在どんな調査を行っているかお聞きしたところ、富士山のふもとで行っているドライブレコーダーを使用した動物調査について、生き生きとお話してくださりました。
 運転中の映像や音声を記録し、事故の真相解明によく使われる、あのドライブレコーダーです。こんな身近なもので調査ができるのかと驚きました…!

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【ドライブレコーダー】

 この調査では、富士山の車道を走りながら、映った動物を地点ごとに記録していくそうです。(ちなみに、ドライブレコーダーの各地点の登録名が動物の名前になっているのだとか。そんなマップ見てみたい…!)
 暗闇対応のドライブレコーダーを設置し、昼夜問わずニホンカモシカなどの野生動物の撮影を行っていらっしゃるそうです。その撮影記録をもとに、富士山に生息する動物の分布を明らかにしていきたいとのことでした。
 なんと、「図書館マルシェ」のトークショーでは、実際にこの調査の映像を見せていただけるとのことで、非常に楽しみです!当日は映像を見ながら調査についてお話しいただきたいと思います。

 もちろん、監修というお仕事についてもお話を伺いました。
 現在、先生が監修なさった『ざんねんないきもの事典』シリーズが大ヒットしていますが、この監修作業は特に大変だったとのことです。
 「子どもたちが興味をもてるような楽しい見出しをつけたい、でも、きちんとした事実を伝えなくてはならない。」その表現の塩梅が難しかったそうです。また、ご専門の哺乳類だけでなく、様々な生物の論文を調べる作業がとても大変だったとのことでした…。
 そして、今回の「ポプラディア第三版」の各項目についても、「本文で定義や分類など基礎情報をしっかり入れつつ、子どもたちが思わず「へ~~!」と驚くような、興味を引き出す情報を入れたい」という方向性を今泉先生と編集部で確かめました。

 先生の幼少期のお話やフィールドワークのお話、生物の分類のお話などまだまだ伺いたかったのですが、打ち合わせでは時間が足りませんでした。
 そして、一眼レフも持参して準備万端だったにも関わらず、先生への憧れと緊張のあまり、「noteの記事にさせてください!」「お写真を撮らせてください!」と言い出すことができませんでした…。無念!!!

思い悩むこと数日…

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【思い悩むあまり、わが家のハムスターのチョンチョコ丸に相談する】

 「打ち合わせの写真もなく、先生にあらかじめ記事にしたいと伝えられなかったのに、noteの編集日記に書いていいものだろうか…」と悩んでおりましたが、編集部に後押しされ、「この出来事こそ、人生に何度とないA子的ビッグニュース!これは編集日記に書くしかない!」と覚悟を決めました。そして、改めて先生にご連絡し、大変ありがたいことにご快諾してくださったので、この記事を公開することになりました!
(幸い、先生のお写真は、打ち合わせ時に撮影した「図書館マルシェ」CM用動画から切り出せました。)

 今回はご挨拶のみでしたが、また改めて「ポプラディア第三版」の監修や動物学者というお仕事について、今泉先生にインタビューをさせていただきたいと思います。

 そして、メディア露出が恥ずかしいので、分身ザメを用意したにも関わらず…「今泉先生のお話の聞き手を務めることができるなら、こんなに光栄なことはない…!」ということで、わたしA子が8月29日開催の「図書館マルシェ」で、今泉先生トークショーの聞き手役をさせていただくことになりました!今から緊張でふるえておりますが、精一杯務めさせていただきます。
 ここに書ききれない動物と本のお話は、トークショーでたっぷり伺いたいと思います。まだまだ参加申し込み受付中です!ぜひご参加ください。
「図書館マルシェ」の詳細は、こちらを覗いてみてください。


おわりに 

 話下手なのに、好きなものについて語るとついつい長くなってしまいますね…この日記を書きながら、子どもの頃に読んだ本の一冊一冊が今のわたしに通じているということをしみじみと感じました。
 A子の偏愛に溢れた回になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!次回もどうぞお楽しみに~~~

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★今泉先生ご出演の図書館マルシェの後日談の記事を公開中です!こちらもあわせてどうぞ~



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