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大人の夏休みスペシャル! こどもの本とあそぶ休日 ~2日目 40鉢を越えるアサガオを栽培中の編集者が選んだのはコレ!『ぜんぶわかる!アサガオ』~

大人にとっても楽しい夏休み。でも、暑すぎて退屈していませんか? そんなときはこどもの本で、夏休みを積極的に面白くしませんか? 
「こどもの本」といっても侮るなかれ。大人も夢中になること間違いなしの本を3人の編集者たちが選びました。「大人の夏休みスペシャル!」と題して3日間連続で紹介していきます! 絵本や読み物、遊びの本まで、いろんなタイプを取り揃えましたよ。

今日の1冊を選んだのは、なんと今年は40鉢のアサガオを栽培中の編集者!そしてもちろん選んだのはコレ!

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アサガオのひみつ全開! 
『しぜんのひみつ写真館4 ぜんぶわかる!アサガオ』

夏の植物といえば、アサガオ!
でも、夏休みの宿題を思い出し、げんなりする方も多いのでは?
実はアサガオはホットな植物。日本への渡来は約1200前ながら、江戸時代には大ブームを巻き起こし、今ではゲノム解読されています。黄色いアサガオもできていますし、種は宇宙に行っているんです。
アサガオ愛のつまった本で、新しいアサガオの姿を見てみませんか?

『しぜんのひみつ写真館4 ぜんぶわかる!アサガオ』
( 渡辺弘晴/著 仁田坂英二/監修 )

びっくり!の変化アサガオ

 アサガオは世界中にありますが、日本では特にさまざまな品種がつくりだされ、1000をこえるといわれます。
 そのなかでも、アサガオのように見えないくらい花や葉が変化したものを変化アサガオとよびます。変化アサガオは、突然あらわれた変わりもののアサガオから、遺伝のしくみを利用してつくられたもの。江戸時代に生まれ、受け継がれてきたものです。

葉や花の表裏がなくなり、巻いたり強くそったりしてふしぎな形をつくる「獅子しし」。
牡丹ぼたんの性質で花びらがふえている。葉は強く内側にかかえこむ「握爪龍にぎりつめりゅう
葉も花びらも柳の葉のように細く、おしべとめしべが花びらになった「やなぎ牡丹ぼたん」。
花びらがふえてさまざまに乱れる「乱菊らんぎく
星のような形の花、「桔梗ききょう」。
スプレーをかけたようなもようは「吹掛ふっかけ」とよばれます
花びらが切れ、筒が折り返す「車咲くるまざき
花びらが深く切れ込む「石畳いしだたみ
何本ものつるがくっついて1本になる「帯化たいか」。「石化せっか」ともいいます。
平たいリボンのようなところから葉がでています。

 変化アサガオは、葉もおもしろいのです。

名前に注目。見慣れているのはどれでしょう?
雨龍あまりょう」「飛龍ひりゅう」などの名前はかっこいい。

 アサガオを見る目が変わりませんか?

アサガオで遊ぶ!

 アサガオの花の色は、アルカリ性だと青く、酸性だと赤くなる「アントシアニン」という色素。アサガオは、咲くときだけ花の細胞をアルカリ性にし、花を青くします。

青いアサガオに酢とアンモニア水をスプレーでシュッ!
赤くなっているのが酢をかけたもの。青くなっているのがアンモニア水をかけたもの。
アサガオは酸性雨にも反応します

 色水の作り方、覚えていますか?

冷凍しておいた赤や赤紫のアサガオの花と水を袋にいれました。水が多いと色水が薄くなるので、水は少しずつ。手でもむと濃い色がでてきました
袋の端を切ります
こうすると、手や服をよごさずに色水を集めることができます。
いちばん右がつくった色水。
左から、酢、レモンのしぼり汁、じゅうそう、アンモニア水、漂白剤を入れました。

 子どもたちに人気があったのはこれ。
「のうみそだ~」とさけんでいました。

根がでたところで種皮をはずしたもの。子葉がしわしわにおりたたまれています

楽しみ方いろいろ

 身近にアサガオがあったら、ぜひ、観察してください。
 咲いていくところを写真にとるだけでもおもしろいですし、

花びらが明るさを感じているなんて!

夜の写真も面白い。

12時すぎ。つぼみがほどけてきたところ
水にうかべると、涼し気
つるの動きをうまく使うとすてきに飾れます

ペットボトルで水栽培すると、根がでてきます。

「スカーレットオハラ」という名のアサガオ。
「西洋アサガオ」と言われることもありますが、日本のアサガオです

 獅子や柳などの変化アサガオで変化がでるのは、10粒の種子を蒔いて1~2個。それでも「今年はどんなアサガオがでてくるかな~」と思うと、栽培をやめられません。変化アサガオを育てて8年。水やりは大変なのですが、「変わりものを愛する気持ち」が、大変さに勝っているのかもしれません。
 今年は本で、来年は育てて、アサガオを楽しみませんか?

今年のアサガオたち。紫の花が多くなってしまいました・・・。

(文/小原解子)