ポプラ社一般書通信

ポプラ社で「一般書」と呼ばれるジャンルの本をつくっている人たちです。「本の作り手たちが…

ポプラ社一般書通信

ポプラ社で「一般書」と呼ばれるジャンルの本をつくっている人たちです。「本の作り手たちが、読者の皆さまに、直接自分のコンテンツを本気で売り込む場」として、思いのこもった記事を、ゆっくり、丁寧に発信していきます。http://www.webasta.jp/

マガジン

  • 学校図書館に届けたい 読み物のカタチ

    • 5本

    児童書読み物から一般文芸まで、10代に届けたいさまざまな「読み物」について、ご紹介します!

  • 次に読む本、これいかが?

    ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介する音声コーナーです。ラジオ感覚でお楽しみください

  • 私が読んだポプラ社の小説

    noteクリエイターのみなさんが上げてくださっている「ポプラ社の小説の感想文」をまとめるためのマガジンです。

  • 迷える編集長のモリは「これからの本」を考える旅に出た

    編集長のモリが「これからの本」を考えるために、いろんな人と本の話をするコーナーです

  • かっこわるい編集後記

    編集者たちが、かっこわるいところも見せながら担当本の裏側と想いを語ります。

記事一覧

『コンビニたそがれ堂 夜想曲』 村山早紀さんの著者校を前に思ったこと

村山早紀さんから『コンビニたそがれ堂 夜想曲』の著者校正のゲラ(印刷前のチェック用の紙束)がもどってきた日のこと。会社の席はフリーアドレスで、その日はアルバイト…

うまい文章じゃなくて、本気の文章を読みたい。【あばれる君の初エッセイ編集後記】

小説や漫画に出てくる魅力を感じてしまうキャラクターっていますよね。挙げればキリなんてないんですが、ぼくが前から好きなのはこのふたりです。 『タンタンの冒険旅行』…

次に読む本、これいかが? #4

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ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』です。 ラジオ…

次に読む本、これいかが? #3

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ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、峰守ひろかずさんの『少年泉鏡花の明治奇談録 城…

本を読む時間をご褒美だと感じる瞬間には、ビールが合う~銀河高原ビール飯田さんインタビュー

突然ですが、本がなかなか売れません。 正確に言うと、売れている本はたくさんあります。電子書籍の広がりによって右肩下がりだった出版市場も2019年から少し上向きになっ…

次に読む本、これいかが? #2

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ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、綾崎隼さんの『死にたがりの君に贈る物語』です。 …

担当作のことが好きすぎて、好きなポイントを書き出したら52個ありました

担当作のことが大好きすぎて、オススメポイントを一つに絞れません。どうしよう。 そんな編集者と思えぬことを言いだした軟弱者は、この私・森です。どうもこんにちは。 …

次に読む本、これいかが? #1

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ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、山本幸久さんの『花屋さんが言うことには』です。 …

『季刊アスタ』を紹介させてください!

こんにちは。文芸編集部の三枝と申します。 以前、『お探し物は図書室まで』刊行の際に、noteにお邪魔させていただき、それ以来の登場となります。 実は2023年 の夏から、…

編集部厳選の「本の福袋」をつくっちゃいました2023(限定100個!)

こんにちは。一般書通信の管理人こと森です。 おそろしいことに、今年が終わろうとしています。 「2023年、終わっちゃったのかな?」「ばか野郎、まだ始まっちゃいねーよ…

本を作って、自分の人生も、読者の人生も良くなっていく。こんな素敵なことってありますか?

■「自分がいちばん自分を理解している」それはほんとうか? 「自分がいちばん自分のことを理解している」。そんなふうに思っていた時期がありました。「辻さんって○○な…

栞を好きすぎるあまり、5種類のおみくじ栞を作って本に入れちゃった話

みなさん、栞は好きですか? そうです。本に挟むためのアレです。 単行本はスピン(本についてる紐みたいなもの)があったりするので、読書を中断する時も困りません。し…

文学フリマ東京37にブース参加します!(お品書き紹介)

あっという間に11月ですね。 秋といえば、読書の秋。 そして読書好きが集まる秋の祭典といえば。そう、文学フリマです。 というわけで、今回も出ます! 文学フリマ東京! …

「私ってなにも知らないな」と痛感した本づくりの話。

2023年10月、『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』という新書が刊行されました。著者は、池上彰さん。 本書は、インド、中国、ロシアなど、それぞれの国家の歴史をひも…

知られざる「海外版」の装丁を見るのがおもしろいという話

さて、問題です。 この写真の本たちは、いったい何の本かわかるでしょうか?  なんだか見覚えがあるものもあれば、見たことのないものもあり…… ……… …… … はい。…

本の「テーマ」に悩んだ結果、オマエあんま調子のんなよ、と自分で自分を戒めた話

本には「テーマ」があります。 例えばエッセイなら、食、育児、恋愛、闘病記、読書……さまざまです。参考までにぼくがこれまで編集担当をした本を見てみます。 益田ミリ…

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『コンビニたそがれ堂 夜想曲』 村山早紀さんの著者校を前に思ったこと

村山早紀さんから『コンビニたそがれ堂 夜想曲』の著者校正のゲラ(印刷前のチェック用の紙束)がもどってきた日のこと。会社の席はフリーアドレスで、その日はアルバイトのOさんの隣に座った。わたしは話のつづきを聞きたくて、「すこし時間をもらえる?」と彼女に声をかけた。「話のつづき」というのはちょっと前に、Oさんが子どもの頃から村山早紀さんの本が好きだったことを知り、どんなふうに出会い、読んできたのかを詳しく聞いてみたくなったのだ。 彼女が村山作品と出会ったのは、小学校の5年生の頃だ

うまい文章じゃなくて、本気の文章を読みたい。【あばれる君の初エッセイ編集後記】

小説や漫画に出てくる魅力を感じてしまうキャラクターっていますよね。挙げればキリなんてないんですが、ぼくが前から好きなのはこのふたりです。 『タンタンの冒険旅行』(エルジェ)のハドック船長 『弟子』(中島敦)の子路 この人たちはちょっと粗削りで騒がしいところもあるけれど、誠実でまっすぐです。打算や、損得勘定みたいなことで動かない。芯があって、自分の信じた行動をやり遂げます。かっこいいと思います。 文章に対しても好みは変わりません。誠実で嘘のない文章が好きです。読者を感動さ

次に読む本、これいかが? #4

ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』です。 ラジオ感覚でお楽しみください。 (▼書誌リンク) https://amzn.asia/d/cLglLde (▼バックナンバー ※spotifyに飛びます) https://open.spotify.com/show/6mAj67lmzXILsPOmVd5shu?si=df2a317e27094e01

次に読む本、これいかが? #3

ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、峰守ひろかずさんの『少年泉鏡花の明治奇談録 城下のあやかし』です。 ラジオ感覚でお楽しみください。 (▼書誌リンク) https://amzn.asia/d/3yIQTcw (▼バックナンバー ※spotifyに飛びます) https://open.spotify.com/show/6mAj67lmzXILsPOmVd5shu?si=df2a317e27094e01

本を読む時間をご褒美だと感じる瞬間には、ビールが合う~銀河高原ビール飯田さんインタビュー

突然ですが、本がなかなか売れません。 正確に言うと、売れている本はたくさんあります。電子書籍の広がりによって右肩下がりだった出版市場も2019年から少し上向きになっています。 しかし、10年・20年前から比較すると市場は小さくなっていますし、本を売ってくれる本屋さんの数も、この20年で半数近くに減少しています。 なにより僕自身が一人の文芸編集者として、本を売るのが年々難しくなっているなあと痛感しています。 もちろん、いたずらに暗い話をしたいわけではありません。 作家さんと

次に読む本、これいかが? #2

ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、綾崎隼さんの『死にたがりの君に贈る物語』です。 ラジオ感覚でお楽しみください。 (▼書誌リンク) https://amzn.asia/d/2zUnQL9 (▼バックナンバー ※spotifyに飛びます) https://open.spotify.com/show/6mAj67lmzXILsPOmVd5shu?si=df2a317e27094e01

担当作のことが好きすぎて、好きなポイントを書き出したら52個ありました

担当作のことが大好きすぎて、オススメポイントを一つに絞れません。どうしよう。 そんな編集者と思えぬことを言いだした軟弱者は、この私・森です。どうもこんにちは。 しかし本当なのだから、しかたありません。 本を作る際に、訴求ポイントは一つか二つに絞るべきだと言われます。あそこも良いし、ここも良いし……と言われても、「結局どこがいいの?」ってなりますよね。 なので、「号泣!」とか「どんでん返しがすごい!」とか、本のオススメポイントを絞って広告などで打ち出していきます。 ちなみに

次に読む本、これいかが? #1

ステキな声のパーソナリティ・クマシロさんが、「次に読む本」にぴったりな一冊を紹介するコーナー。 今回紹介する本は、山本幸久さんの『花屋さんが言うことには』です。 担当編集の森がゲスト参加しています。 ラジオ感覚でお楽しみください。 (▼書誌リンク) https://amzn.asia/d/gqEmqGl (▼バックナンバー ※spotifyに飛びます) https://open.spotify.com/show/6mAj67lmzXILsPOmVd5shu?si=df2a317e27094e01

『季刊アスタ』を紹介させてください!

こんにちは。文芸編集部の三枝と申します。 以前、『お探し物は図書室まで』刊行の際に、noteにお邪魔させていただき、それ以来の登場となります。 実は2023年 の夏から、季刊アスタという雑誌の編集長を務めておりまして、この度は、季刊アスタを紹介したく筆を執らせていただきました。 とその前に…… 先日、季刊アスタ10号が完成しました!(パチパチパチ!) 今回で10号目となった「季刊アスタ」は、2021年秋から、季刊(春・夏・秋・冬の4回)で刊行している文芸誌です。 元々、

編集部厳選の「本の福袋」をつくっちゃいました2023(限定100個!)

こんにちは。一般書通信の管理人こと森です。 おそろしいことに、今年が終わろうとしています。 「2023年、終わっちゃったのかな?」「ばか野郎、まだ始まっちゃいねーよ」 という『キッズ・リターン』のラストみたいな気持ちでいっぱいですが、みなさんはどんな一年だったでしょうか。 楽しかったり、悲しかったり、嬉しかったり、つらかったり。 きっといろんなことがあったと思いますが、年末年始くらいはゆっくり過ごして、一年の疲れを癒してください。 年末年始の過ごし方も人それぞれですよね

本を作って、自分の人生も、読者の人生も良くなっていく。こんな素敵なことってありますか?

■「自分がいちばん自分を理解している」それはほんとうか? 「自分がいちばん自分のことを理解している」。そんなふうに思っていた時期がありました。「辻さんって○○な人だよね」「辻さんと○○さんって気が合いそう」……人からこんなようなことを言われることがあります。ぼくはこれがすごく嫌だったんです。「ぼくの何を知ってるんだろう?」なんて心の中で思っちゃっていました。(嫌なヤツだ…) でも、ぼくは自分のことをぜんぜん理解してなかった。幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどい

栞を好きすぎるあまり、5種類のおみくじ栞を作って本に入れちゃった話

みなさん、栞は好きですか? そうです。本に挟むためのアレです。 単行本はスピン(本についてる紐みたいなもの)があったりするので、読書を中断する時も困りません。しかし文庫は何かを挟まないと、どこまで読んだか分からない。スピンが付いてない単行本もある。 そんな時に大活躍してくれるのが栞です。 栞の入手経路は様々。本に入っていたり、本屋さんのレジ前で配布していたり。 形状は長方形がメインですが、変な形をしているものもあります。 デザインもいろいろで、新刊紹介などのチラシ的な栞か

文学フリマ東京37にブース参加します!(お品書き紹介)

あっという間に11月ですね。 秋といえば、読書の秋。 そして読書好きが集まる秋の祭典といえば。そう、文学フリマです。 というわけで、今回も出ます! 文学フリマ東京! ※※ 文学フリマとは文学に特化した即売会です。 (▲文フリ詳細はこちらから) これまでポプラ文芸編集部として何度かブース参加してきましたが、この秋も参加することにいたしました。 日時:2023/11/11(土) 12時~17時 場所:東京流通センター ブースの場所:A-51〜52 (第一展示場)

「私ってなにも知らないな」と痛感した本づくりの話。

2023年10月、『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』という新書が刊行されました。著者は、池上彰さん。 本書は、インド、中国、ロシアなど、それぞれの国家の歴史をひもときつつ、各国が世界をどう見ているのかを解説するもの。各国の「本音」を知れば、彼らの行動の背景もわかり、世界情勢が理解できる!というコンセプトの一冊です。 『歴史で読み解く!世界情勢のきほん』は、わたしがはじめて編集を担当した池上さんの単著でした。今回は、その本づくりの過程で感じたことを書いてみたいと思い

知られざる「海外版」の装丁を見るのがおもしろいという話

さて、問題です。 この写真の本たちは、いったい何の本かわかるでしょうか?  なんだか見覚えがあるものもあれば、見たことのないものもあり…… ……… …… … はい。というわけで答えですが、 これらはすべて、海外翻訳された本たちです。 海外で刊行された本が日本語に翻訳された本――いわゆる翻訳本、海外文学とよばれる本は、本屋さんでよく見かけます。『ハリー・ポッター』などがそうですね。海外の文化が詰まった翻訳本には独特の魅力があり、よく読まれる方も多いことでしょう。 海外の本

本の「テーマ」に悩んだ結果、オマエあんま調子のんなよ、と自分で自分を戒めた話

本には「テーマ」があります。 例えばエッセイなら、食、育児、恋愛、闘病記、読書……さまざまです。参考までにぼくがこれまで編集担当をした本を見てみます。 益田ミリさん『小さいわたし』なら、ミリさんの幼少期を子ども目線で描いたエッセイ。 平野レミさん『おいしい子育て』なら、レミさんの子育てと料理のエッセイ。 宮嵜守史さん『ラジオじゃないと届かない』なら、宮嵜さんがラジオディレクター、プロデューサーとして仕事をする中で感じたラジオの魅力、ラジオの力を綴ったエッセイ。 というよう